マハヴィシュヌ・オーケストラ
マハヴィシュヌ・オーケストラ(Mahavishnu Orchestra)は、イギリス人ギタリスト、ジョン・マクラフリンによってニューヨークで結成されたフュージョン、ジャズ・ロックの草分け的バンドである。 ジャズ、ロックを高度なアンサンブルで融合、インド音楽のエッセンスも加え、ヴァイオリンもリード楽器として取り入れた音楽性は1970年代当時のジャズ・ロック勢の中でも異彩を放っていた。 マハヴィシュヌ・オーケストラの名前の由来は、結成当時ヒンドゥー教の導師シュリ・チンモイに宗教的に師事していたマクラフリンに与えられた名前「マハヴィシュヌ」である。 概要マクラフリンはマイルス・デイヴィスの下で音楽活動をしていた時にドラマーのビリー・コブハムと知り合い、新しいバンドを結成する相談を始めた。 第一期マハヴィシュヌ・オーケストラは1970年にマクラフリンの主導の下で結成される。メンバーはマクラフリン(ギター)、コブハム(ドラム)、リック・レアード(ベース)、ヤン・ハマー(キーボード )、ジェリー・グッドマン(ヴァイオリン)。1971年にアルバム『内に秘めた炎』で衝撃的なデビューを飾り、2作目の『火の鳥』がジャズ・ロックのアルバムとしては異例の全米15位とヒットし、人気バンドとなった。 マクラフリンは数々の斬新な音楽的アイデアを持っており、マハヴィシュヌ・オーケストラには音の追求のために、それまでのジャズ・ロックで使われたことのない数々の楽器が導入された。グッドマンのリード・ヴァイオリンがその最たる例だが、マクラフリンは彼のトレードマークとなったダブルネックギブソン・EDS-1275[注釈 1]、ハマーはモーグ・シンセサイザーを導入するなど、メンバーがそれぞれ手段を選ばず積極的に自分の理想とする音を模索した。その結果生まれた彼等の音楽は他に前例のない独特なものである。ジミ・ヘンドリックスを思わせるディストーション・サウンドのギター、マクラフリンが興味を抱いているインド音楽やファンク、ジャズなどの即興演奏や、果てはクラシック音楽の和声法までもが取り入れられていた。当時ヴァイオリニストを擁していたキング・クリムゾンやPFMなどのプログレッシブ・ロック・バンドとの類似点や相違点を論じられる事も多かった。 1973年、マクラフリンは第一期マハヴィシュヌ・オーケストラを解散し、ジャン=リュック・ポンティ(ヴァイオリン)やナラダ・マイケル・ウォルデン(ドラム)らと第二期マハヴィシュヌ・オーケストラを結成した。そしてかねてよりファンだったビートルズを手がけたジョージ・マーティンをプロデューサーに迎え『黙示録』(1974年)を発表した。第一期マハヴィシュヌ・オーケストラのメンバーだったハマーとグッドマンも同年に連名でアルバム『Like Children』を発表した。第二期マハヴィシュヌ・オーケストラは1976年で解散した。 1984年、マクラフリンはビル・エヴァンス(サックス)らを迎え第三期マハヴィシュヌ・オーケストラを結成し、2枚のアルバムを発表した。第一期の曲は完全なインストゥルメンタルのみであったが、第二期以降はリズム・アンド・ブルース、ゴスペル、賛美歌などに似た形式のボーカルも取り入れるようになる。しかし第一期ほどの成功は収めることはなかった。 メンバー第一期
第二期
第三期
ディスコグラフィアルバム第一期
第二期
第三期
コンピレーション・アルバム
DVD
日本公演出典[2]。 1973年
脚注注釈出典
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