マネタリーベースマネタリーベース(英: monetary base)とは、現金の通貨と民間の金融機関が中央銀行に預けた預金の合計のこと。 中央銀行通貨(英: central bank money)ともいい[1]、市中銀行通貨(英: commercial bank money)と対になる概念で、それぞれ現金と預金に対応する。地域や分野によってはベースマネー(base money)、ハイパワードマネー(high-powered money)やそれを翻訳した強力通貨、高権貨幣とも呼ばれる。 日本日本の場合、現金通貨とは日本銀行券と日本の硬貨の合計であり、中央銀行預け金は金融機関が保有している日銀当座預金残高がこれに当る。日本銀行の定義するマネタリーベースは日本銀行券発行高と貨幣流通高と日本銀行当座預金残高の3つを合計したものである[2]。 マネーサプライとの関係マクロ経済学の教科書には、上記の数式が掲載されていて、「マネタリーベースをほぼコントロール下におく中央銀行は、このコントロールによって、間接的にマネーサプライを調節することができる」と解説されている。マネタリーベースは政府が採用している金融政策を判断するためのひとつの経済指標と見なされている。[要出典] ただし、中央銀行がマネタリーベースでマネーサプライを調節できるかについては昔から議論があり、はっきりした結論は出ていない。日本では1970年代に日本銀行と小宮隆太郎や堀内昭義の間で論争になり、1990年代には日本銀行の翁邦雄と経済学者の岩田規久男の間で論争になった。 →詳細は「日本の経済論争 § 1970年代」、および「岩田規久男 § マネーサプライ論争」を参照
この論争は2010年代でも続いており、伊藤修はマネタリーベースとマネーサプライの比例関係が現実を反映していないと指摘した。
例えば、日本銀行はマネタリーベースを2012年11月の1,244,449億円から2014年11月の2,593,603億円へと約2.1倍へと増やしたが[4]、マネーサプライは11,263,838億円から11,996,857億円[5]へと6.5%しか増えていない[誰?]。2010年11月から2012年11月へかけては99兆1,866億円から124兆4,449億円へと25%増だが、その時のマネーサプライは1,078兆6,221億円から1,126兆3,838億円へと4.4%増である[誰?]。
他方で、高橋洋一は、比例関係が成り立たなくても、マネタリーベースでマネーサプライがコントロールできると主張した。
経済学者の原田泰は、政策金利とマネタリーベース・マネーサプライが連動すると論じた。
また、原田は物価とマネタリーベースの関係についても指摘した。 脚注
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