マイケル・ジェイストン
マイケル・ジェイストン(Michael Jayston、1935年10月29日 - 2024年2月5日)は、イギリスの俳優である。 彼は映画「ニコライとアレクサンドラ」(1971年)でロシアのニコライ2世を演じ、また、数多くのテレビ出演をしている。テレビシリーズ「ドクター・フー」のエピソード 「時の主の試練」The Trial of a Time Lord (1986)でのヴァリヤードや、「オンリー・フールズ・アンド・ホースズ」のエピソードTime on OurHands(1996)のレクエルの父ジェームズ役などがある。舞台・映画・テレビ及びナレーターとしての長いキャリアにより、イギリスでは幅広い層によく知られている俳優である。 来歴マイケル・ジェイストンは、1935年10月29日にイギリスのノッティンガム(Nottingham)のウェストブリッジフォードで生まれた[1]。彼の出生名はマイケル・A・ジェームズ(Michael A James)であり、オーブリー・ヴィンセント・ジェームズ(Aubrey Vincent James、1911-1937)[2]とエドナ・ミファンウィ・メドカルフ(Edna Myfanwy Medcalfe、1904-1950)[3]の一人息子である。彼はウェストブリッジフォードのウィルフォードレーンにあるベケットRCスクール( the Becket RC School) に通った[4]。元会計士であり、ギルドホール音楽演劇学校(the Guildhall School of Music and Drama)で演技の訓練を受けた。 舞台ジェイストンは1962年に舞台でのキャリアを開始し、ブリストル・オールド・ヴィック(the Bristol Old Vic)とストラトフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)で舞台に立った。[5] 1965年には「ヘンリー5世」でエクセター公爵、1966年には「ハムレット」でレアティーズなど、シェイクスピア作品を演じている。 彼は、後に「真夏の夜の夢」のディミートリアス(1968)、「ヴェニスの商人」のグラシアーノ(1973)、「リア王」のエドマンド(1975) など、テレビでもシェイクスピアの役を演じている。 1974年にはオールド・ヴィック・シアターでローレンス・オリビエ監督による「エデン・エンド」に出演した。 1981年~1982年にかけてはロンドンのアポロ・ヴィクトリア・シアターでリチャード・ロジャースとオスカー・ハーマスタイン2世によるミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」にトラップ大佐役で出演している。主役マリアは女優であり歌手であるペテュラ・クラーク(Petula Clark)が演じた。この作品は英国におけるミュージカル公演で一週間の観客動員数が最も多かった記録を持ち、ギネスブックに登録されている。ジェイストンはこの作品で「エーデルワイス」「ドレミの歌」などを歌っている。なお、この公演の音楽は2010年にCD化され発売されているので、彼の歌声を聞くことができる。 テレビ初期のテレビシリーズでは、1969年 の会議室ドラマ「パワーゲーム」で公務員ダウリング役を演じている。1972年、彼はBBCドラマシリーズ「エドワーディアンズ」のエピソード「ロールス氏とロイス氏」でロバート・パウエルと共演し、ヘンリーロイス卿を演じた。翌年、彼はBBCのミニシリーズ「ジェーン・エア」でソーチャ・キューザック( Sorcha Cusack)の相手役としてエドワード・ロチェスターを演じている。これは日本のNHKでも放送された。 彼は1974年にアンソロジーシリーズの「スリラー」に2回出演し、1975年には、テレビシリーズ「クイラー」で、銃を使用したことのないスパイであるクイラーを演じた。[6]1979年、「ティンカー・テーラー・ソルジャー・スパイ 」Tinker Tailor Soldier Spyでアレック・ギネスと共演し、相棒のピーター・ギラムを演じている。 1989年にはデイヴィッド・ノブスの風俗喜劇をテレビに翻案した「ちょっとしたこと」A Bit of a Doでネビル・バッジャーを演じている。1991年にテレビシリーズ「クルード」にマスタード大佐として出演し、 翌年、子供たちが若者向けの新聞を作るという人気シリーズ「プレスギャング」Press Gangのエピソード「UnXpected」にゲスト出演している。 その他のテレビ出演には、「イーストエンダーズ」EastEnders、「コロネーションストリート」Coronation Street、「オンリーフールズアンドホースズ」Only Fools and Horses、「5月のダーリンバッド」The Darling Buds of May、「テイルズオブザアンエクスペクテッド」Tales of the Unexpected、「ビル」The Bill、「エマーデール」Emmerdaleなどがある。また、「刑事フォイル」Foyle's War、「ホルビーシティ」Holby City、「シャーロックホームズ」Sherlock Holmes、「トレイシービーカー・リターンズ」Tracy Beaker Returns、および「ミッドソマーマーダーズ」Midsomer Murdersにも出演している。 ドクターフー1986年、ジェイストンはテレビシリーズ「ドクター・フー」にも出演している。このシリーズは1963年から現在まで続いているサイエンスフィクションで、イギリスの長寿番組である。日本でもNHK他で放映されている。彼は旧シリーズ23 The Trial of a Time Lord でヴァリヤードを演じている。また、後にオーディオバージョンにも出演している。 映画1968年、ジェイストンはテレビ版映画「真夏の夜の夢」でデメトリウスを演じた後、1970年に劇場版「クロムウェル」でヘンリー・アイアトンを演じた[7]。翌年、「ニコライとアレクサンドラ」ではロシアの皇帝ニコライ2世として主演した[8]。 彼は、国立劇場の映画「ヴェニスの商人」(1974年)でシャイロック役のローレンス・オリヴィエと共演し、グラシアーノ役で出演している。他にも多くの映画に出演しているが、日本では「フォロー・ミー」(1973年公開)がよく知られている。 オーディオジェイストンはジョン・ル・カレ(John le Carré)の小説のほとんどをオーディオブック形式で録音しているが、テレビでも「ティンカー・テーラー・ソルジャー・スパイ 」のピーター・ギラム役で彼の作品を演じている。彼はまた、ジェフリー・ハウスホールド(Geoffrey Household)が書いた小説「ローグ・マレ」と「ローグ・ジャスティス」など、BBCラジオ番組の朗読者としても活躍している 。 1990年、彼はBBCラジオ4で、声優として「007は二度死ぬ」のジェームズ・ボンドの役を演じている[9]。 2017年、イギリスレコードストアデイの公式リリースとして、アンダーグラウンドアーティストのルーベン・バイン(Ruben Vine)とジェイストンのコラボレーションダブルビニールアルバム(28ページのコミックを含む)がリリースされた。ジェイストンは、ストーリーベースのアルバム「The Life&Times of a Imaginary Rock Star 」のナレーターとして出演している。このオルタナティブロックアルバムは、あるレビューアによって「パンクオペラ」として評されている。 また、ジェイストンは、ウィンストン・チャーチルの第二次世界大戦の歴史、アレクサンダー・ケント(Alexander Kent)の海洋冒険小説「リチャード・ボライソーシリーズ」などの小説のオーディオバージョンも録音している。オーディオブックの朗読者として、ほかにも数多くの作品を録音している[10]。 1970年代と1980年代には、英国のテレビCMのナレーション出演も多かった。 死去2024年2月5日の朝に死去。88歳没[11]。 主な出演作品映画
テレビ
脚注
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