上: ワシントン州におけるクララム郡の位置 下: クララム郡におけるポートエンジェルスの市域
ポートエンジェルス (Port Angeles)は、アメリカ合衆国 ワシントン州 北西部に位置する都市。人口は1万9960人(2020年)[ 1] 。オリンピック半島 の北海岸中央部に位置し、同半島における中心都市となっている。市にはオリンピック国立公園 の管理局が置かれており[ 2] 、同公園への玄関口となっている。
概要
ポートエンジェルスはアメリカ合衆国とカナダ の国境になっているファンデフカ海峡 に面している。山が海に迫る地形のため水深が深いのに加え、市の西側から東に向かって形成されている砂嘴 が天然の防波堤 の役割を果たしており、天然の良港となっている。海峡の対岸に浮かぶバンクーバー島 の南端に位置するカナダ・ブリティッシュコロンビア州 の州都ビクトリア とは直線距離で約37kmである。オリンピック半島では最大の都市であり、ポートエンジェルスに郡庁を置くクララム郡 1郡からなるポートエンジェルス都市圏の人口は約8万人である。
地理
市域の総面積は163.3km²(63.1mi²)に及ぶが、その84.0%にあたる137.2km²(53.0mi²)は水域で、陸地は26.1km²(10.1mi²)にとどまる(アメリカ合衆国国勢調査局 調べ)。市域と市街地は海岸線と国道101号線 に沿って、東西に細長く広がっている。
歴史
1791年、スペイン 人将校フランシスコ・デ・エリザは太平洋岸北西部を探検中にこの地に上陸し、Puerto de Nuestra Señora de los Ángeles (我らが貴婦人の天使 の港)と名付けた。しかし、19世紀 中盤になると、その名は短縮され、英語化されて現在の「ポートエンジェルス」になった。20世紀 に入ると、ポートエンジェルスは製材 業で栄えた[ 3] 。
交通
航空
ポートエンジェルスの中心部から西へ約5.5kmには、ポートエンジェルスの玄関口となるウィリアム・R・フェアチャイルド国際空港 が立地している。この空港にはシアトル のボーイング・フィールド からケンモア航空による便が1日7便運航されている[ 4] が、ほとんどはゼネラル・アビエーション と呼ばれる、自家用機やチャーター機等の発着が主となっている空港である。シアトル・タコマ国際空港 へは、ピュージェット湾 を回って車で2時間半前後を要する。
船便
ポートエンジェルスとカナダ のビクトリア との間には、夏季には1日最大4便、冬季には1日2便のフェリー の便があり、所要90分で結ばれている[ 5] 。
気候
ポートエンジェルスの夏は冷涼で、最も気温の高い7月でも平均気温は16℃、最高気温の平均は19℃程度である。一方、冬は緯度の割には温暖で、最も寒い1月でも平均気温は3℃、最低気温の平均は0℃で、氷点下に気温が下がることがたまにある程度である。11月から2月にかけては雨が多く、月間80-120mm程度の降水がある。ただし、降雪はあまり多くなく、降水のほとんどは雨によるものである。一方、5月から9月にかけては乾燥しており、月間降水量が30mmを下回る[ 6] 。ケッペンの気候区分 では、ポートエンジェルスは地中海性気候 (Csb)に属する。
ポートエンジェルスの気候 [ 6]
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
年
平均気温(℃ )
3.3
4.4
5.6
7.8
10.6
12.8
15.6
15.6
12.8
9.4
6.1
4.4
8.9
降水量(mm )
106.7
81.3
53.3
33.0
25.4
22.9
12.7
15.2
33.0
61.0
96.5
116.8
657.8
姉妹都市
ポートエンジェルスは日本 の青森県 むつ市 と姉妹都市 提携を結んでいる。1990年 より両市は市民使節団・民間大使の派遣や高校生の交換留学などで交流しており、1995年 5月にポートエンジェルス高校と青森県立田名部高等学校 が姉妹校提携を締結、同年8月に両市は姉妹都市提携へと至った[ 7] 。
註
外部リンク