ポルトフィーノ (Portofino) とは日本の競走馬である。2008年のエリザベス女王杯に於いて、日本のGI級競走(JpnIを含む)で初めて且つ2023年現在まで唯一、カラ馬の状態で先頭で入線したことで知られる[1]。
現役中はサンデーレーシングが所有していたクラブ馬で、半姉にアドマイヤグルーヴ、半弟にフォゲッタブル、ルーラーシップ、半妹にグルヴェイグがいる。
戦績
2歳
デビューは2007年6月16日、阪神競馬場第5競走の新馬戦(芝1600m)。好スタートから先手を取るとそのまま逃げ、2着に5馬身差で快勝した。2戦目は札幌2歳ステークスを予定していたが、直前の調教で右臀部に痛みが出たため回避[2]。その後も体調が整わず、結局2歳時は新馬戦のみの出走に終わる。
3歳
休養明け初戦は2008年2月11日、京都競馬場で行われたオープンのエルフィンステークスである。実に8か月ぶりの出走であったが1番人気に支持され、2着に2馬身半の差をつけて逃げ切り勝ち、2連勝を飾る。重賞初挑戦となった3月1日のアーリントンカップでも1番人気に支持されるが、勝ち馬ダンツキッスイの8着と初黒星を喫した[3]。
そして、4月13日の牝馬クラシック第1戦の桜花賞を迎えることになる。しかし桜花賞の前日の4月12日に左寛跛行のために大事をとって出走取り消しになった[4]。この桜花賞は母エアグルーヴが熱発で回避した競走で、親娘ともに出走することは叶わなかった。
牝馬クラシック第2戦の優駿牝馬は祖母ダイナカール、母エアグルーヴも優勝した競走で、ポルトフィーノには優駿牝馬3代制覇の期待が懸かっていた。しかし直前に右第1指骨剥離骨折を発症し[5]、全治3か月以上を要するという診断により、出走はまたもや見送られた[4]。
その後、骨折明けで秋華賞に出走登録を行う。武豊を鞍上に迎えることも決まっていたが、賞金不足(フルゲート18頭に対し19番目)のためにまたも出走は叶わなかった[6]。そのため、秋華賞と同日に行われた1600万円以下条件戦の清水ステークスへ出走し、ハナ差の勝利を収めている[7]。
清水ステークスの後、初めてのGIの舞台となる11月16日のエリザベス女王杯へに向けて調整され、カワカミプリンセス、ベッラレイアに次ぐ3番人気に支持されたが、スタート直後に前脚を自身の後脚で引っ掛けてつまづき(武曰く「防ぎようが無かった」)、武が落馬[1]。ポルトフィーノは競走中止となった後も走り続け、カラ馬の状態で先頭でゴールした[8]。これはGI(JpnIを含む)では初めてであり[1]、重賞(G2またはG3)まで含めてもめずらしいことである[9]。
4歳以降
明け4歳の初戦は2009年4月11日の阪神牝馬ステークス。1番人気に支持され、好位からレースを進めたが、最後の直線で伸び切れず8着に終わった。その後、四位洋文騎手とのコンビで挑んだ5月10日の都大路ステークスでは後方から3コーナー付近で捲くって来るも直線で失速して14着と大敗、その後は休養に入っている。
5歳となった2010年に復帰し、3月13日のうずしおステークスに1番人気で出走したが、ブービーの15着と大敗した。続く難波ステークスでは好位追走も伸びあぐねて7着に敗れ、このレースを最後に現役を引退、繁殖入りすることになった。
繁殖成績
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馬名 |
誕生年 |
性 |
毛色 |
父 |
厩舎 |
馬主 |
戦績
|
初仔 |
|
2011年 |
牡 |
鹿毛 |
ディープインパクト |
|
|
不出走
|
2番仔 |
ポルトドートウィユ |
2012年
|
牡
|
鹿毛 |
栗東・高野友和 |
(有)サンデーレーシング |
12戦2勝(引退)
|
3番仔 |
ポルトフォイユ |
2013年
|
牡
|
鹿毛 |
2戦1勝(引退)
|
4番仔 |
リミニ |
2014年 |
牝
|
鹿毛 |
|
|
不出走(引退・繁殖)
|
|
(不受胎) |
2015年 |
|
|
オルフェーヴル |
|
|
|
5番仔 |
ポルトラーノ |
2016年 |
牡→騸 |
鹿毛 |
美浦・萩原清 |
(有)サンデーレーシング |
18戦2勝(引退)
|
|
(不受胎) |
2017年 |
|
|
キングカメハメハ |
|
|
|
6番仔 |
ポルトヴェッキオ |
2018年 |
牝 |
鹿毛 |
ロードカナロア |
美浦・木村哲也 →美浦・岩戸孝樹 →北海道・田中淳司 →大井・渡邉和雄 →美浦・田中博康 |
(有)サンデーレーシング |
11戦3勝(引退・繁殖)
|
7番仔 |
ポルトアレグレ |
2019年 |
牡
|
鹿毛 |
美浦・木村哲也 →金沢・高橋俊之 |
(有)サンデーレーシング →横田一男 |
4戦1勝(引退)
|
8番仔 |
ポルトロッソ |
2020年 |
牝
|
鹿毛 |
リアルスティール |
美浦・宮田敬介 |
(有)サンデーレーシング |
5戦0勝(引退)
|
9番仔 |
ポルトフェリス |
2021年
|
牝 |
黒鹿毛 |
エピファネイア |
美浦・栗田徹 |
4戦1勝(現役)
|
|
(不受胎) |
2022年 |
|
|
ロードカナロア |
|
|
|
10番仔
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ポルトフィーノの2023
|
2024年
|
牝
|
黒鹿毛
|
アドマイヤマーズ
|
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(デビュー前)
|
- 初仔であるポルトフィーノの11は全弟のポルトドートウィユなどと同じサンデーサラブレッドクラブで募集されたが[10]、右後脚のハ行で競走馬になれず引退[11]。
競走成績
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 |
タイム (上がり3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
2007.06.16
|
阪神
|
2歳新馬
|
|
芝1600m(良)
|
8
|
4
|
4
|
001.30(1人)
|
01着
|
R1.36.5(34.4)
|
-0.8
|
0武豊
|
54
|
(マイサイドキック)
|
476
|
2008.02.11
|
京都
|
エルフィンS
|
OP
|
芝1600m(良)
|
12
|
7
|
9
|
001.90(1人)
|
01着
|
R1.36.3(34.4)
|
-0.4
|
0武豊
|
54
|
(ラベ)
|
480
|
0000.03.01
|
阪神
|
アーリントンC
|
JpnIII
|
芝1600m(良)
|
12
|
8
|
13
|
001.70(1人)
|
08着
|
R1.35.2(34.9)
|
-0.6
|
0武豊
|
54
|
ダンツキッスイ
|
474
|
0000.04.13
|
阪神
|
桜花賞
|
JpnI
|
芝1600m(良)
|
17
|
4
|
7
|
出走取消
|
0武豊
|
55
|
レジネッタ
|
計不
|
0000.10.19
|
京都
|
清水S
|
1600万下
|
芝1600m(良)
|
17
|
4
|
8
|
002.60(1人)
|
01着
|
R1.32.5(33.8)
|
-0.0
|
0武豊
|
53
|
(スピリタス)
|
482
|
0000.11.16
|
京都
|
エリザベス女王杯
|
GI
|
芝2200m(良)
|
18
|
3
|
5
|
007.90(3人)
|
競走中止
|
0武豊
|
54
|
リトルアマポーラ
|
484
|
2009.04.11
|
阪神
|
阪神牝馬S
|
GII
|
芝1400m(良)
|
18
|
8
|
16
|
002.10(1人)
|
08着
|
R1.22.3(34.9)
|
-0.9
|
0武豊
|
55
|
ジョリーダンス
|
484
|
0000.05.10
|
京都
|
都大路S
|
OP
|
芝1600m(良)
|
18
|
7
|
15
|
003.70(1人)
|
14着
|
R1.34.3(35.0)
|
-1.3
|
0四位洋文
|
54
|
ライブコンサート
|
488
|
2010.03.13
|
阪神
|
うずしおS
|
1600万下
|
芝1400m(良)
|
16
|
1
|
2
|
003.40(1人)
|
15着
|
R1.22.8(35.4)
|
-0.6
|
0四位洋文
|
55
|
ストリートスタイル
|
484
|
0000.04.04
|
阪神
|
難波S
|
1600万下
|
芝1800m(良)
|
16
|
3
|
5
|
003.60(2人)
|
07着
|
R1.47.4(34.1)
|
-0.8
|
0四位洋文
|
56
|
シルポート
|
488
|
血統表
脚注
外部リンク