『ヘヴィ・ラヴ』(Heavy Love)は、アメリカ合衆国のブルース・ミュージシャン、バディ・ガイが1998年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
過去にジョニー・ラング(英語版)等の作品を手がけてきたデヴィッド・Zがプロデューサーに起用され、収録曲「ミッドナイト・トレイン」にはラングがゲスト参加した[4]。なお、ガイは既に自身のライヴでラングをオープニングアクトに起用しており、当時10代のラングを「声や演奏を聴く限りじゃ35歳ぐらいだと思ったよ」と称賛したという[5]。
「アイ・ニード・ユー・トゥナイト」はZZトップのカヴァーで[4][5]、オリジナル・ヴァージョンはアルバム『イリミネイター』(1983年)に収録されている。トニー・ジョー・ホワイトのカヴァー「ディド・サムバディ・メイク・ア・フール・アウト・オブ・ユー」では、ガイはギブソンのアコースティック・ギターを使用している[5]。
反響・評価
アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では、1998年6月20日に163位を記録するが、翌週にはチャート圏外に消えた[3]。また、『ビルボード』のブルース・アルバム・チャートでは2位に達し[6]、トップ・ヒートシーカーズでは3位に達した[7]。
第41回グラミー賞では最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム賞にノミネートされた[8]。Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中2.5点を付け「彼の演奏は、幾分ロック寄りになり過ぎているきらいもあるが、バディ・ガイの自由奔放かつハードにロックしたレコードを求める向きにとっては、『ヘヴィ・ラヴ』は決して悪い作品ではない」と評している[4]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「昔の名曲をカヴァーしても伝統芸術に埋もれたりせず、現在進行形の若々しいブルースに昇華させ、嬉々として歌い演奏する姿にはホント頭が下がる」と評されている[1]。
収録曲
- ヘヴィ・ラヴ - "Heavy Love" (Dan Penn, Jon Tiven, Sally Tiven) - 5:41
- ミッドナイト・トレイン - "Midnight Train" (J. Tiven, Roger Reale) - 5:21
- アイ・ガット・ア・プロブレム - "I Got a Problem" (Gene Barge, Jesse Anderson) - 5:17
- アイ・ニード・ユー・トゥナイト - "I Need You Tonight" (Billy Gibbons, Dusty Hill, Frank Beard) - 5:17
- サタデー・ナイト・フィッシュ・フライ - "Saturday Night Fish Fry" (Louis Jordan, Walsh Ellis Lawrence) - 5:29
- ハッド・ア・バッド・ナイト - "Had a Bad Night" (Buddy Guy) - 4:44
- アー・ユー・ロンリー・フォー・ミー・ベイビー - "Are You Lonely for Me Baby" (Bert Berns) - 3:55
- アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー - "I Just Want to Make Love to You" (Willie Dixon) - 3:26
- ディド・サムバディ・メイク・ア・フール・アウト・オブ・ユー - "Did Somebody Make a Fool Out of You" (Tony Joe White) - 7:50
- ホウェン・ザ・タイム・イズ・ライト - "When the Time Is Right" (Steve Cropper, Glen Clark) - 4:32
- レット・ミー・ショウ・ユー - "Let Me Show You" (B. Guy) - 5:35
日本盤ボーナス・トラック
- ノーバディ・アンダースタンズ・ミー・バット・マイ・ギター - "Nobody Understands Me But My Guitar" (Rick Christian, Jack Holder) - 5:10
- ユア・マインズ・オン・ヴァケイション - "Your Mind's on Vacation" (Mose Allison) - 3:19
参加ミュージシャン
脚注
|
---|
スタジオ・アルバム | |
---|
ライヴ・アルバム | |
---|
コンピレーション・アルバム | |
---|
コラボレーション・アルバム |
- Buddy and the Juniors(with ジュニア・ウェルズ)
- プレイ・ザ・ブルース(with ジュニア・ウェルズ)
- Live Recording at Yuhbin-Chokin Hall on March-1975(with ジュニア・ウェルズ)
- バディ&フィル(with フィリップ・ガイ)
- ライヴ・イン・モントルー(with ジュニア・ウェルズ)
- Going Back(with ジュニア・ウェルズ)
- ドリンキン・ティー・エヌ・ティー・アンド・スモーキン・ダイナマイト(with ジュニア・ウェルズ)
- The Original Blues Brothers Live(with ジュニア・ウェルズ)
- ラスト・タイム・アラウンド〜ライヴ・アット・レジェンズ(with ジュニア・ウェルズ)
|
---|