フォー・オール・マンカインド
『フォー・オール・マンカインド』(原題: For All Mankind)は、2019年から配信されているアメリカ合衆国のテレビドラマシリーズ。1960年代の宇宙開発競争が終わらなかった世界を舞台に、奮闘する人々を描く。ヨエル・キナマン、マイケル・ドーマン、レン・シュミットらが出演した[1]。第1シーズンは2019年11月1日からApple TV+のローンチタイトルとして全世界に配信された[2]。本作は第4シーズンの制作が決定している[3]。 本作の題名は、史実においてアポロ11号が月面に残した銘板の中の一節 "We came in peace for all mankind." (「我ら全人類の平和のために来たれり」)から取られたものである[4]。 あらすじ1960年代後半の宇宙開発競争の結果、NASAは初の有人月面探査を行う偉業を成し遂げたが、本作では"もし宇宙開発競争が終わらなかったら?"という設定のもと、宇宙開発に携わる人々を描く。 各シーズンごとにおよそ10年時代が進んでおり、毎シーズン冒頭では前シーズンから今シーズンまでの間に世界で起きた(架空の)出来事が報道映像のダイジェスト形式で説明される。 シーズン11969年、ソビエト連邦の宇宙飛行士アレクセイ・レオノフが人類初の月面着陸を成し遂げる。続けてソ連が女性宇宙飛行士を月面に着陸させたため、NASAは世論の求めに応じて女性宇宙飛行士を選抜する。月の南極付近で探査機が発見した月の氷のサンプルをアポロ15号が回収し、氷脈の存在を確認する。 1974年、氷脈を擁するシャックルトン・クレーターにはアメリカのジェームズタウン基地とソ連のズヴェズダ基地が設置され、両者は数キロの距離を隔てて睨みあう。基地の交代要員を乗せたアポロ23号が打ち上げに失敗したことをきっかけに、事態は大きく動くことになる。 シーズン21983年、終わりなき宇宙開発競争により様々な技術革新が社会にもたらされる一方で、米ソの月面基地は大幅に拡張され、またアメリカではレーガン大統領の元、宇宙の軍事利用が進められている。月面のリチウム鉱山や新型スペースシャトル・パスファインダーを巡る衝突をきっかけに両陣営の対立が深まり、核戦争の危機が迫る中、緊張緩和をアピールするためアポロ・ソユーズテスト計画が実行される。 シーズン31992年、冷戦はしばしの雪解けを迎え、宇宙は様々なビジネスに利用されている。米ソが有人火星探査に向け準備を整える一方で、開業まもなく事故を起こし倒産した地球低軌道上の宇宙ホテル「ポラリス」を、ヘリウム3採掘業者のヘリオス・エアロスペースが買収し、火星探査船「フェニックス」へと改造、火星探査レースに名乗りを上げる。 1994年、ヘリオスのフェニックス、アメリカのソジャーナ1号、ソ連のマルス94の三者が同時に火星へと出発する。道中様々なトラブルに見舞われながらも人類は火星へと到達するが、「火星一番乗り」を巡るレースは意外な結末を迎える。そして、人類初の火星基地「ハッピーバレー基地」が設立される。 シーズン42003年、火星・ハッピーバレー基地は米ソやヘリオスに加え、東西両陣営の主要国が参加した「火星7同盟(M-7)」の国際協力体制のもと、順調な発展を遂げていた。しかし、小惑星の捕獲と採掘を目的としたレンジャー1号ミッションが失敗に終わったことをきっかけに、火星ではヘリオスの従業員たちが不満を募らせ、地球ではM-7参加国の関係に揺らぎが見え始める。そんな中で発見された新たな小惑星「2003LC(ゴルディロックス)」の捕獲計画を巡って、地球と火星の両方で様々な策謀が渦巻いていく。 キャストメイン
リカーリング
エピソード
シーズン1 (2019)
シーズン2 (2021)
シーズン3 (2022)
シーズン4 (2023 - 2024)
製作この番組のアイディアは、ロナルド・D・ムーアが元NASAの宇宙飛行士ギャレット・ライズマンとのランチ中に、ソビエトがアメリカよりも先に月に到達していたらという可能性について話したことから生まれたという[5]。 2017年12月15日、Appleは本作の製作を発表した[6]。第1シーズンの撮影は2018年8月にカリフォルニア州ロサンゼルスで開始され、2019年3月に終了した[7][8]。 評価批評本作は批評家から好意的な評価を受けている。第1シーズンは批評集積サイトのRotten Tomatoesに50件のレビューがあり、批評家支持率は73%、平均点は10点満点で6.91点となっている[9]。また、Metacriticには22件のレビューがあり、加重平均値は65/100となっている[10]。 第2シーズンは批評集積サイトのRotten Tomatoesに26件のレビューがあり、批評家支持率は100%、平均点は10点満点で7.5点となっている[11]。また、Metacriticには7件のレビューがあり、加重平均値は75/100となっている[12]。 第3シーズンは批評集積サイトのRotten Tomatoesに34件のレビューがあり、批評家支持率は97%、平均点は10点満点で8.2点となっている[13]。また、Metacriticには15件のレビューがあり、加重平均値は84/100となっている[14]。 第4シーズンは批評集積サイトのRotten Tomatoesに22件のレビューがあり、批評家支持率は100%、平均点は10点満点で8.2点となっている[15]。また、Metacriticには11件のレビューがあり、加重平均値は83/100となっている[16]。 脚注
関連項目外部リンク |
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