フォルクスワーゲン・ゴルフVゴルフV (ゴルフ 5)(Golf V)は、フォルクスワーゲン・ゴルフの5代目モデル。
概要日本市場では、2004年5月14日に発表、同年6月9日に発売された。 操縦安定性の向上をはじめ、内外装や機関の質感の向上、居住空間の拡大、コストの見直しを主眼に開発されたモデルである。先代からの流れを汲む正常進化であるが、性能・品質共に格段に向上した。先代に引き続き、プラットフォームはアウディA3をベースに、改良を加えた物が利用される。 ツイン・サーキュラーヘッドライトやその下に配された横長ターンシグナル、切れ上がったボンネット上のキャラクターラインなどが、先代との識別点となる。通常グレードは、ボディ同色の小さいグリルであったが、GTIやGTには、アウディと同様に大型の「ワッペングリル」が採用された。 ボディは、居住性が改善された一方で剛性も増し、操縦安定性が向上した。機関面では、直噴エンジンが全車に搭載され、6速化されたATと相まって省燃費性が向上した。更に、モデルライフ半ばには、ATがより高効率の「DSG」と呼ばれるデュアルクラッチトランスミッションとなった。エンジンも一部モデルを除き小排気量化され、その出力低下分を過給機で補う方針(いわゆる「ダウンサイジング」化)が取られ、DSGとの組合せで省燃費性と動力性能、双方の向上が図られた。 また、GTIやR32といった高性能グレードも引き続き展開された。製造工場は、ドイツ・ヴォルフスブルクと南アフリカ共和国・ユイテンヘーグにあり、日本向けは、主に後者のものが輸入されていた。ただし、先代まで設定のあったカブリオレモデルは、用意されなかった。 歴代初となる日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。 ボディ・スタイリングボディは、先代比で50mm長く、25mm幅広く、30mm高く(Eグレード同士での比較)なった。さらに、ホイールベースが60mm延長されたことにより、室内長が70mm延長され、主に後席のレッグスペースが拡大した。また、最小回転半径が、先代の5.1mから5.0mに縮小され[注 1]、取り回し性が向上した。パネルのレーザー溶接による接合部分が、先代の5mから70mに拡大され、静的ねじれ剛性で80%以上、曲げ剛性で35%の向上を得ている[要出典]。 スタイリング上は、歴代モデルと同様の太いCピラーに加え、ティアドロップ形のヘッドランプ、それに対応したダブルサークル状のレンズを持つリアコンビランプ、ラジエーターグリルからフード上に伸びる深いVラインなどが特徴である。 メカニズムエンジンは、出力およびレスポンス向上、燃料消費率低減のためシリンダー内への燃料噴射を直噴化したFSIエンジンが全モデルに搭載された。モデルライフ後半には、1.4Lガソリンエンジンにターボチャージャーとスーパーチャージャーを組み合わせたTSIエンジンも登場した。 トランスミッションは、ATが先代の通常4速から6速に進化し、更に中期になるとデュアルクラッチ方式のセミATである「DSG」(湿式6速、および燃費指向のグレードには乾式7速)が採用された。 リアサスペンションは、先代までのトーションビーム方式に代わってマルチリンク方式が採用されたことで[注 2]、操縦安定性が向上したほか、リアのラゲッジルームが、先代の330L〜1184Lから350L〜1305Lへ拡大した。(FSIエンジンと6速AT、リアのマルチリンクサスはトゥーランに先行搭載され初期問題をクリアした後、ゴルフに採用された。) また、エンジン負荷軽減と燃費向上のため、パワーステアリングが油圧から電動に変更された[注 3]。この年代から、後席中央の3点式シートベルトが採用されている。アクセルペダルは、吊り下げ式に代わり、オルガン式が採用された(当代と次代のみ)。 グレード一覧[1]
日本仕様各グレード約5年のモデルライフを通して、以下のように多くの追加・変更がなされた。
特別仕様・限定モデル
派生車種
GTI W12-6502007年5月に公開された、GTIをベースにしたコンセプトカー的メーカーチューニング車両である。外見はGTIの面影を残しているものの、車幅は1,880mmまでワイド化され、ルーフはカーボンファイバー製に変更されている。搭載されるエンジンは、6リットルW型12気筒ツインターボエンジンをミッドシップマウントし、6速オートマチック・トランスミッションを組み合わせている。このエンジンの出力は、650馬力、最大トルクは76.5kg-mを誇り、0〜100km/h加速は3.7秒、最高速は325km/hと、スーパーカー並の動力性能を誇る。1台のみのワンオフ車両ではあるが、内装等も市販車両並みに作りこまれており、完成度はフォルクスワーゲンが製作しているだけに極めて高い。公開時には、もし願客が一定数以上いればという前提で、限定での市販化も検討されていたようであるが、実現はしなかった。
関連項目脚注
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia