フォトカプラフォトカプラ(Photocoupler. Opto-isolator, optocoupler, optical isolator とも呼ばれる)は、内部で電気信号を光に変換し再び電気信号へ戻すことによって、電気的に絶縁しながら信号を伝達する素子である。フォトカプラが直接スイッチングできる電流は小さく、大きな電流をスイッチングできるパワー半導体(トライアック、サイリスタ、IGBT)などの前段でトリガーとして使用される。 概要フォトカプラは内部に発光素子と受光素子が収められ、外部からの光を遮断するパッケージに封じ込められた構造になっている。入力された電気信号を発光素子によって光に変換し、その光を受光素子に送る事により信号を伝達する。一般的に発光素子には発光ダイオード、受光素子にはフォトトランジスタが用いられることが多い。IC製造技術を利用したDIPタイプが開発される以前は、フィラメント電球とフォトレジスタ素子を対向させ封止したものが用いられた。 その構造上、入力端と出力端は電気的に絶縁されるため、主としてそれぞれ独立した電源で駆動される二系統の回路間で、絶縁を保ったままでの信号伝達に用いられ、人体や出力先の回路を高圧から保護する役割がある。 素子の応答特性を利用して簡単なフィルタとして用いることもある[1]。 入力回路は、発光ダイオードが一方向のタイプ、逆並列に接続されたタイプ(交流入力対応)がある。 出力回路は、フォトトランジスタ、フォトダイオードを直接接続したタイプや、フォトダイオードの出力でMOS-FETやサイリスタやトライアックを駆動するタイプ、波形整形用ICが内蔵されているものもある。 用途の例
誤動作フォトカプラは、直流的には完全に絶縁されており比較的にEMIに強いとされてはいるが、発光素子と受光素子が絶縁されているが故に、部品内に寄生容量が存在している。寄生容量はコイルやコンデンサからの残留電荷放出、あるいは高周波による電磁・静電誘導で結合[2][出典無効]し、帯電、放電することがある。放電時の電圧はdV/dtで現され、小さなエネルギーでも誤動作を引き起こすスパイク電圧になることがある。そのスパイク電圧が発光素子(LED)に対し順方向のスパイク電流となるか逆方向のスパイク電流となるか、またゼロクロス制御をしているかなどで誤動作のモードには種類がある。さらに許容を超えた電圧が誘導されると発光素子が破壊されることもある。誘導性負荷、誘電性負荷により力率が低い(素子にもよるが0.8を基準とするメーカーもある)場合にスナバ回路での改善が推奨されている。また誤動作防止の為、内部にファラデーシールドを設けたフォトカプラも存在する[3]。その為フォトカプラはIEC 62368-1[4][出典無効]、IEC60950-1の安全規格で規定されている。
フォトインタラプタ類似の構成を持つものにフォトインタラプタがある。発光素子と受光素子を内部に封止せずに露出させ、封止パッケージの外部で対向させてある。素子間の遮光物検出を目的とする素子であり、フォトカプラに構成は似るが使途は異なる。自動販売機などで硬貨の通過検出、メカトロニクス機器において軸の回転角検出、ファクトリーオートメーション分野で多く使用される。受光素子が外光(可視光)に晒されており、その影響による誤動作を防ぐために検出光には赤外線が用いられ、さらに変調を掛けるなどしている。 注釈
関連項目 |
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