ファウンデーション (テレビドラマ)
『ファウンデーション』(Foundation)は、アイザック・アシモフの同名の小説シリーズを原作としたアメリカ合衆国のSFテレビドラマシリーズである。デヴィッド・S・ゴイヤーが製作総指揮を務めApple TV+で配信されている。 概要『ファウンデーション』では「銀河帝国を破滅から救う唯一の方法は帝国に反抗することであることを発見した追放者の集団であるファウンデーションの千年にわたる物語」が描かれる[1]。 ドラマシリーズは原作シリーズに忠実に基づいているわけではなく、全7部の原作を再構成し、登場人物や舞台の設定などが大きく変更されている。 シーズン1は2021年9月24日に配信開始された。シーズン1配信途中でシーズン2の製作が発表され[2]、2023年7月14日より配信された[3]。シーズン2終了後の2023年12月、シーズン3の製作が発表された[4]。 キャスト※括弧内は日本語吹き替え メイン
リカーリング
あらすじシーズン1のあらすじ若手数学者のガール・ドーニックが巨大な銀河帝国の首都トランターの著名な数学者ハリ・セルダンに招かれる。400年前の皇帝クレオン1世のクローンである3世代(ブラザー・ダスク、ブラザー・デイ、ブラザー・ドーン)にわたる皇帝が共同で君臨し、アンドロイドであることを秘す宰相エトー・デマーゼルが統治する政府は、心理歴史学により帝国の崩壊を予測するハリを危険視する。文明崩壊期間を縮めるための百科事典編纂を行うファウンデーションを建設するようハリを辺境の惑星ターミナスに追放する。だが宇宙航行中に養子レイチがハリを殺し、ガールを救命ポッドにいれて脱出させる。 35年後、帝国への復讐を狙うアナクレオン人がターミナスのファウンデーション人たちを襲撃し、ターミナスの「番人」サルヴァー・ハーディンと闘い制圧する。アナクレオン人は700年前に遭難した最強の戦艦インビクタスを手に入れる。アナクレオン人とその仇敵セスピス人はターミナスに来て争い、その前に謎の物体ヴォールトからハリ・セルダンのホログラムが出現する。セルダンは、ファウンデーションの真の目的が百科事典編纂ではなく、帝国の崩壊の影響を受けない外縁に文明を築くことであったことを明かす。サルヴァーは自分がガールとレイチの娘であることを知り、ガールを探しに旅に出る。 同じころ、代替わりした皇帝たちは、セルダンが予言した崩壊の予兆に気づく。クローン反対論者が巨大宗教の新指導者に就くことを防ぐ。若年のブラザー・ドーンはあってはならない遺伝変異に悩み、反帝国主義者たちに与して陰謀に巻き込まれる。デマーゼルはブラザー・ドーンを殺す。ブラザー・デイは代々のクローンも遺伝変異を施されていたことを知る。 ガールはハリの意識がアップロードされた自動船レイヴンに拾われる。自分がターミナスに行ってファウンデーションを指導するはずの計画が狂ったと聞かされ、ハリの故郷ヘリコンに第二ファウンデーションを建設する秘密計画を知る。再び救命ポッドに乗り故郷シンナックスに向かう。138年後にシンナックスに着き、自分を探すサルヴァーに出会う。 シーズン2のあらすじトランターでは、皇帝ブラザー・デイがファウンデーションの勃興を知り、司令官ベル・リオーズを流刑地から呼び戻して調査に向かわせる。クラウド・ドミニオンの女王セレスは、家族が皇帝に殺された疑いを確かめるため、皇帝と婚約する。皇帝はクローン相続を止めて帝政の硬直化を改めようとする。ブラザー・ダスクは、クレオン1世にプログラムされたデマーゼルが、600年前の創始期からクレオン王朝に仕えながら自分たちクローンを操っていたことを知る。デマーゼルはダスクを殺すが、ブラザー・ドーンはセレスとともに逃げる。辺境での皇帝の死を知ったデマーゼルは三体のクローンを生成して遺伝王朝を継続する。 サルヴァーは母ガールとともに、ハリのホログラムに導かれてシンナックスを去る。ガールはミュールと呼ばれるミュータントが文明を破壊しサルヴァーが死ぬ予知夢を見る。ハリは肉体を取り戻して二人をイグニスに連れて来る。ミュールに対抗できる第二ファウンデーションを作るため、超能力者メンタリックの共同体の指導者テレム・ボンドに助けを求める。テレムは拒否してガールの肉体に乗り移り、プライム・レイディアントを奪おうとする。サルヴァーとハリがガールを救出し、テレムを殺すもサルヴァーは死ぬ。ガールとハリはミュールが出現する150年後まで人工冬眠し、定期的に覚醒して第二ファウンデーションを導く。 辺境では、ターミナスで設立された銀河霊教会の宣教師たちが、帝国の撤退した周辺の惑星に派遣され、進んだ技術を魔術のごとく用いて人々を魅了しファウンデーションの傘下に入れる。138年ぶりにヴォールトが開き、ハリのホログラムは詐欺師ホバー・マロウをスペーサーの集うホーム・スウォームに派遣して帝国への反抗を説かせ、宣教師のポリーとコンスタントを外交使節としてトランターに送り込む。皇帝は二人を処刑しようとするも、ホーバーがコンスタントを奪回して皇帝を挑発する。皇帝は艦隊を率いて自らターミナスに来て、心理歴史学による帝国の崩壊予測は誤っていたと認めるよう、ハリのホログラムに迫るも拒否される。皇帝は、ファウンデーションを守る巨大戦艦インビクタスをターミナスに墜落させて破壊し、さらにファウンデーション傘下の全星の破壊を命じる。ベル・リオーズ司令官は反抗して皇帝を殺す。ホバーに説得された、遺伝子強化され星間ジャンプを司るスペーサーが皇帝の全艦隊を破壊する。コンスタントは逃げ、ヴォールトが破壊されたターミナスの住民を救出・保存していたことを知る。 152年後、ミュールが出現する。 エピソードシーズン1
シーズン2
製作企画2017年6月27日、スカイダンス・テレビジョンがアイザック・アシモフの小説『ファウンデーション』シリーズのテレビシリーズ化を企画中であり、デヴィッド・S・ゴイヤーとジョシュ・フリードマンが脚本を務めることが報じられた。この報道時点で製作会社はシリーズの著作権に関する契約をアシモフの遺産管理人と締結している最中であった[9]。2018年4月10日、Appleがワールド・ビデオ・ユニットを通じて権利を獲得し、パイロット版を経ない直接のシリーズ化を視野に入れた企画を開始したことが発表された。またゴイヤーとフリードマンがエグゼクティブ・プロデューサーとショーランナーを務めることも発表された。発表された他のエグゼクティブ・プロデューサーにはデヴィッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、マーシー・ロスが含まれた[10]。 2018年8月23日、Appleが10話構成となる第1シーズンを発注したことが発表された。またアシモフの娘のロビン・アシモフもエグゼクティブ・プロデューサーを務めることが発表された[1]。2019年4月18日、フリードマンは脚本家およびショーランナーを降板した[11]。2019年7月28日、アイルランドのリムリックにあるトロイ・スタジオが番組の製作を行うことが明らかとなった[12]。トロイ・スタジオは以前にSyfyのシリーズ『ナイトフライヤー』を製作していた[13]。アイルランド映画委員会によるとこのシリーズはスタジオにおよそ500人のスタッフ雇用をもたらすとされる[14]。 脚本執筆2021年1月、デヴィッド・S・ゴイヤーは「『ファウンデーション』では1本の映画の2、3時間に全てを凝縮するのではなく、出来れば80話、80時間かけて物語を伝えることができる」と発言した[15]。当初ゴイヤーと共にジョシュ・フリードマンが脚本家を務めていたが、2019年4月にフリードマンは降板した[9][11]。 キャスティング2019年10月22日、リー・ペイスとジャレッド・ハリスがブラザー・デイ役とハリ・セルダン役でキャスティングされたことが発表された。またデヴィッド・S・ゴイヤーがシリーズの唯一の公式のショーランナーに決定した[16]。2019年12月4日、追加の5人のキャストが発表された。ルー・ロベルはガール役、リア・ハーヴィはサルヴァー役、ラウラ・ビルンはエトー・デマーゼル役、テレンス・マンはブラザー・ダスク役、カシアン・ビルトンはブラザー・ドーン役で出演する[17]。 撮影2020年3月12日、AppleはCOVID-19の影響を受けてアイルランドでの番組製作を中断した[18]。同年10月6日に撮影は再開された[19]。2021年1月27日、ゴイヤーはマルタ政府から検疫を受けて特別な免除を受けた後、キャストとスタッフがマルタでの撮影開始を許可されたことを発表した。ゴイヤーはロンドンで課された新たな規制のために製作のかなりの部分をマルタに移すことになったことを明かした[15]。マルタでの撮影は2021年2月に終了した[20]。フエルテベントゥラ島トゥイネヘでの撮影は2021年3月までに完了した[21]。製作チームはカルデラ・ロス・アラバレスやグランハ・デ・ポゾ・ネグロといった火山の風景の中で作業を行った[22]。製作チームはテネリフェ島に移り、2021年3月22日に撮影が再開された[23] 公開2020年6月22日、Worldwide Developers Conference内でAppleはシリーズのティーザー予告を公開した。2021年2月、シリーズの配信が2020年後半になることが報じられた[24][25]。後に、2021年9月24日に3話が公開され、残りは毎週1話ずつ公開されることが発表された[26] 脚注出典
外部リンク |
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