ファイアー・アンド・レイン
「ファイアー・アンド・レイン」(Fire and Rain)は、ジェームズ・テイラーが1970年に発表した楽曲。テイラーの代表作の一つ。 ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2021年版)では146位にランクされている[2]。 概要1968年、テイラーがファースト・アルバム『ジェームス・テイラー』の録音をロンドンで行っていたとき、子供の頃の友人だったスザンヌ・シュナー(Suzanne Schnerr)が自殺する[3]。テイラーが契約を結んだ会社は何といってもビートルズが設立したアップル・レコードであり、彼の成功を望んだ故郷の友人らはそのことをテイラーに長い間知らせなかった。彼がスザンヌの死を知ったのは6か月後のことだった。 この時の友人の自殺や、テイラーがダニー・コーチマーらと組んだバンド、ザ・フライング・マシーンの崩壊とそれに伴う抑うつ、自身の麻薬中毒などが歌詞に反映されている(例.Sweet dreams and Flying Machines in pieces on the ground.)[4]。 1969年10月、アメリカに戻ったテイラーはワーナー・ブラザース・レコードと契約[5]。同年12月、ロサンゼルスのサンセット・サウンドでセカンド・アルバムのためのレコーディングを行った。ドラムズはラス・カンケル。ピアノはキャロル・キング。ダブル・ベースはボビー・ウェスト。 1970年2月発売の『スウィート・ベイビー・ジェイムス』[6]に収録された。同年8月にシングルカットされ[1]、10月31日から11月14日にかけて3週連続でビルボード・Hot 100の3位を記録した[7][8][9]。ビルボード・イージーリスニング・チャートで7位を記録し、1970年の年間チャートで67位を記録した。カナダでは2位を記録した。 キャロル・キングは、「君の友だち」は本作品で繰り返される「I've seen lonely times when I could not find a friend.」に対する返歌だと証言している[10]。 1970年10月16日にバンクーバーで行ったチャリティ・コンサートでのライブ音源が2009年11月発売の『アムチトカ』に収められた。また、2007年11月にキャロル・キングとロサンゼルスで行ったコンサートのライブ音源が2010年5月発売の『Live at the Troubadour』に収められた。 パロディ1994年2月、テレビアニメ「ザ・シンプソンズ」シーズン5のエピソード「ホーマー宇宙へ行く(原題:Deep Space Homer)」にテイラーが本人役で出演しているが、宇宙飛行士としてスペースシャトルに搭乗したホーマー・シンプソンと、シャトルに同乗していたバズ・オルドリン(アポロ11号のパイロットで、テイラーと同じく本人役でゲスト出演していた)に向けて本曲を演奏するシーンがある。歌詞の"Sweet dreams and flying machines in pieces on the ground"が、スペースシャトルの墜落を想起させる事に気づいたテイラーが、"Sweet dreams and flying machines, flying safely through the air"と歌い直すパロディになっている。 2015年11月にテイラーが「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」にゲスト出演した際には、本曲を発表した1970年以降のアメリカの大衆文化を織り込んだ替え歌を披露している。 カバー・バージョン
脚注
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