パブリック・アイビーパブリック・アイビー(Public Ivy)とは、アメリカ合衆国において、公立(パブリック)の大学のなかでの名門校を指す総称としての通称である。同国東部の名門私立大学群の集まりである「アイビーリーグ」からの派生語である。 概要ハーバード大学やイェール大学等の東部の名門私立大学8校で構成される「アイビー・リーグ」が語源。公立大学の(Public)アイビー・リーグの意味でこの名が付けられた。1985年、イェール大学の職員リチャード・モル(Richard Moll)の著書 "Public Ivys: A Guide to America's best public undergraduate colleges and universities" の中で初めて使用された。以来、公立大学(主として州立大学)の名門を指す名称として使われることがある。ただし、この名称により指し示される大学の範囲は様々である。 それらのうち、学術的な比較検証が行われたリストとしては、下記の2つ(モルのリストおよび「グリーンズガイド」 (Greenes' Guides) のリスト)は、パブリック・アイビーの範囲を表す代表的な出典として存在する[1]。 それ以外にも、これらのリストについては、大学受験情報を提供する会社や、黒人の高等教育促進を目指す雑誌などにおいて、様々な機関がそれぞれの目的に応じて、これらのリストを加工するとともに、さらに独自の観点から複数の大学を加味して様々な分析を行うなど、派生形態も多く見られるところである。 代表的な分類モルのリスト(8校)上記のリチャード・モルの著書において取り上げられた当初のパブリック・アイビーは、以下の8校である(順不同)。
この選定にあたってモルは、学生の質や入学競争率、研究レベルなどに加えて「キャンパスの雰囲気」「大学の伝統行事の有無」という基準も持ち込んでいる。 グリーンズガイドのリスト(31校)その後、パブリック・アイビーは、全米で最も影響力を持つと言われる大学関係ジャーナリスト、ハワード・グリーン (Howard Greene)、およびマシュー・グリーン (Matthew Greene) により編集された書籍「パブリック・アイビー: アメリカの最重要公立大学」(The Public Ivies: America's Flagship Public Universities)において、学問上の質がアイビー・リーグと比肩するという観点から精査された結果、以下の31校に拡大されている(2016年改定)[2]。
派生したリスト経済性に焦点をあてたリスト(10校)大学受験情報を扱うアメリカのSparkNotes社[注釈 2]は、上記の「グリーンズガイド」 (Greenes' Guides) のリストの中から、アイビーリーグに比べて年間授業料が最大で25,000ドル安く、経済的負担の少ない学校として、以下の10校をピックアップしている。
黒人教育に焦点をあてたリスト(23校)2005年の "The Journal of Blacks in Higher Education" が発表した調査では、次の23大学がパブリック・アイビーとして紹介された。 これは、あくまで黒人の高等教育促進を目指す同雑誌が、モルのリストおよび「グリーンズガイド」のリスト等をベースに、白人学生に対する黒人学生の割合の推移を検証する目的で、北東端に近いバーモント大学をはじめ、地理的に幅広く大学をピックアップしたものであり、必ずしも学問的見地から検証が行われた上で大学が選定されているわけではないことに注意が必要である。
脚注注釈出典
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