ハンブルク・バレエ団
ハンブルク・バレエ団(はんぶるくばれえだん、独: Hamburg Ballett)は、ドイツのハンブルク州立歌劇場を拠点とするバレエ団である[2]。1973年から、振付家のジョン・ノイマイヤーが芸術監督を務めている。 沿革1678年、ハンブルクに、王侯貴族の支配を受けない市民劇場(現在のハンブルク州立歌劇場)が開場した[3]。同劇場にはバレエ団があり、バロック・オペラの舞踊場面に出演していた[2][3]。19世紀前半のハンブルク歌劇場には、マリー・タリオーニ、ファニー・エルスラー、ファニー・チェッリート、ルシル・グラーンらの著名なバレエダンサーが客演した[2][3]。 ハンブルク・バレエ団が世界的に知られるようになったのは、1973年、ジョン・ノイマイヤーが芸術監督兼主席振付家に就任してからである[4]。ノイマイヤーの下で、同バレエ団はドイツを代表するカンパニーの一つへと成長した[5]。1978年には、ハンブルク・バレエ学校が歌劇場内に設立された[4]。 1989年、バレエ団及びバレエ学校は、ハンブルク郊外にあるバレットツェントゥルム・ハンブルク(ダンス・センター)に拠点を移した[2][3]。この建物は、建築家フリッツ・シューマッハーが設計した学校施設を改装したもので、稽古場や寄宿舎などの設備を備えている[3][6]。 主な上演作品バレエ団のレパートリーは、ノイマイヤーの振付作品が多数を占める[7]。ノイマイヤー以外の振付家による上演作品は、以下のものなどがある[8]。
バレエ団の活動バレエ週間バレエ週間は、ハンブルク・バレエ団が1975年から毎年開催している公演である[9]。シーズン最後の2週間、ノイマイヤーの代表作が日替わりで上演されるとともに、ハンブルク・バレエ学校の公演や、世界の有名バレエ団の招待公演なども行われる [10]。バレエ週間の最終日は、「ニジンスキー・ガラ」と呼ばれるガラ公演で締めくくられる[9][10]。 バレエ・ワークショップバレエ・ワークショップは、ノイマイヤーが芸術監督に就任した1973年から定期的に開催されている一般市民向けの講座である[9]。主に新作バレエの振付の現場を公開し、作品の解説や実演を行っている[9]。 来日公演ハンブルク・バレエ団は1986年に初来日し、その後も1989年、1994年、1997年、2005年、2009年、2016年、2018年に日本公演を行っている[11]。 ダンサー2020/2021シーズンにおいて、所属ダンサーは64名である(ゲスト・アーティスト、研修生を含む)[12]。ダンサーの階級は、プリンシパル、ソリスト、コール・ド・バレエであり、その他にゲスト・アーティストと研修生がいる[12]。 在籍した主なダンサー(アルファベット順)
付属組織ハンブルク・バレエ学校ハンブルク・バレエ学校は、1978年に設立されたハンブルク・バレエ団の付属学校である[3]。ノイマイヤーが校長を務め、講師の多くはハンブルク・バレエ団の出身者である[3]。クラス構成は、7歳から9歳、10歳から16歳、16歳から18歳(男子は19歳まで)の3つに分かれており、クラシックバレエの他、モダンダンスや振付、フォークダンス等の幅広いダンスを学ぶことができる[3]。同バレエ学校の出身者は、ハンブルク・バレエ団をはじめとする世界中のバレエ団で活動している[3]。 ナショナル・ユース・バレエナショナル・ユース・バレエ(独: Bundesjugendballett)は、2011年に設立されたハンブルク・バレエ団のジュニア・カンパニーである[3] [13]。18歳から23歳までの若手ダンサー8名で構成され、ノイマイヤーが総監督を務める[3]。若手振付家の作品を主なレパートリーとし、地域の人々との結びつきを深めることを目的に、学校や美術館、老人ホーム、刑務所など、劇場以外の様々な場所で出張公演を行っている[3][14]。カンパニーの拠点は、バレエ団及びバレエ学校と同じく、バレットツェントゥルム・ハンブルクに置かれている[14]。 日本人ダンサーの菅井円加は2012年から同カンパニーで活動し、2014年にハンブルク・バレエ団へ移籍した[15][16]。 脚注
外部リンク
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