ナインスゲート
『ナインスゲート』(The Ninth Gate)は、1999年に制作されたフランス、スペイン映画。『戦場のピアニスト』(2002年)を手掛けたロマン・ポランスキーの監督作品。彼の現在の妻エマニュエル・セニエも出演している。 原作はアルトゥーロ・ペレス=レベルテ(ペレス・ロベルトの表記もある)の小説『呪いのデュマ倶楽部』(集英社)だが、デュマにかかわる部分は総てカットされ、伝説の稀覯本『影の王国への九つの扉』(The Nine Gates of the Kindgom of the Shadows)についてのエピソードのみが映画化されている。 ストーリーニューヨーク在住のディーン・コルソは、数百年を経た稀覯本の専門家で、コレクターの為に世に埋もれた本を探し出す「古書探偵」を生業としていた。腕は一流だが、知識のない素人から安値で買い叩くなど、何かと評判の悪い男だ。そんなコルソを大金で雇うバルカン。悪魔に関する稀覯本の世界的コレクターであるバルカンは、最近『ナインスゲート』と呼ばれる貴重な本を入手していた。この本は、悪魔が自ら書いた本を基にしていた。その挿し絵である9枚の版画を読み解くと、悪魔を呼び出せると話すバルカン。世界に3冊しか現存しない本だが、バルカンは、本物は1冊きりだと予想していた。3冊のうち、どれが本物か、直に見比べて確かめる為に、コルソに『ナインスゲート』を託すバルカン。 他の2冊を追って、ヨーロッパに飛ぶコルソ。そんなコルソを陰ながら守り、魔物のような力を発揮する正体不明の美しき「謎の女」。更に、バルカンの本の元の持ち主であるテルファー夫人も、本を奪い返そうとコルソを狙って来た。 まず、バルカンの本の来歴を調べる為に、元々の所有者であるセニサ兄弟の製本所を訪れるコルソ。セニサ兄弟は、9枚の版画のうち3枚だけが本物だとヒントを与えた。本物の版画は、3冊の本に分散して隠されていたのだ。 著名なコレクターを訪ね歩き、2冊の『ナインスゲート』をバルカンの本と見比べるコルソ。それぞれの本に、3枚ずつ本物の版画が見つかった。更に、『ナインスゲート』の信奉者による秘密結社が現存し、当代の主催者がテルファー夫人であることも知るコルソ。だが、本の所有者のコレクターたちは何者かによって無残に殺された。2冊の本も焼き捨てられ、本物の版画だけが持ち去られた。 コルソからバルカンの本を奪い取るテルファー夫人。後を追ったコルソは、「謎の女」の助力で夫人の秘密集会に潜入した。そこへ現れ、テルファー夫人を殺すバルカン。バルカンはコルソを使って情報を集めながら、陰で自ら版画を奪っていたのだ。 版画を全て集め、正しい方法で儀式を行うバルカン。不死身になったと確信したバルカンは、自らの身体に火をつけた。だが、儀式は失敗し、焼死するバルカン。9枚目の版画に不備があったと、サラリと謎解きする「謎の女」。本物の版画を手に入れたコルソは、9枚の版画の示す通りに苦行を辿ったのが、バルカンではなく自分だと悟るのだった。 登場人物
キャスト
撮影地![]() 1998年夏に、フランス、ポルトガル、スペインで撮影が行われた。
脚注
関連項目
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