年
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ドイツ語
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意味
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説明
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1971
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aufmüpfig
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反抗的
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1960年代のカウンターカルチャー、特にドイツの学生運動を表した流行語
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1977
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Szene
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シーン
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薬物シーン、ゲイシーン、ディスコシーンなど話題になるシーンを表した流行語
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1978
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konspirative Wohnung
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セーフハウス
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ドイツの実業家ハンス=マルティン・シュライヤーの誘拐殺人と、警察の捜査失敗に絡んだ流行語
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1979
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Holocaust
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ホロコースト
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元はアメリカのTVシリーズ " (Holocaust) " のこと、同年のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の世界遺産登録など、ナチスの犯罪で公益が増加することを表した流行語
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1980
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Rasterfahndung
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網目スクリーン犯罪捜査
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警察のコンピュータ支援犯罪捜査におけるプライバシー情報の取り扱いについて、公開討論や政治討論が行われたことに絡んだ流行語
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1981
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Nullösung
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ゼロオプション
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中距離核戦力全廃条約の協議の中で、アメリカから提案された「0-0提案」のこと
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1982
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Ellenbogengesellschaft
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ひじ社会(人を押しのけて成功する社会)
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競争社会、利己主義、無慈悲が蔓延し、思いやりが無くなった社会に発展することを恐れた批評家が使った言葉
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1983
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Heißer Herbst
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暑い秋
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NATO二重決定への反対と、平和運動が盛んになったことのに絡んだ流行語
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1984
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Umweltauto
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環境に優しい車、低燃費車両
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環境運動を参照
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1985
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Glykol
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ジエチレングリコール
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1985年オーストリア産ワインジエチレングリコール混入事件を参照
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1986
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Tschernobyl
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チェルノブイリ
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チェルノブイリ原子力発電所事故を参照
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1987
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AIDS, Kondom
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AIDSとコンドーム
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メディアがAIDS禍とセーファーセックスの啓発を行ったことによる流行語
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1988
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Gesundheitsreform
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ヘルスケア改革
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この年の主要政治議論から
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1989
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Reisefreiheit
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旅行自由化
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ベルリンの壁の崩壊による流行語
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1990
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Die neuen Bundesländer
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新連邦州
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ドイツ再統一にからむ議論から
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1991
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Besserwessi
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besser (優良)と Wessi (西ドイツ人)を組み合わせ、類似ドイツ語にBesserwisser (知ったかぶり野郎)を掛けた言葉。
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東ドイツ人と西ドイツ人に絡む流行語、関連:Jammerossi (愚痴こぼし東野郎)
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1992
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Politikverdrossenheit
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政治倦厭
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投票率の低下、政治への無関心を表した流行語
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1993
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Sozialabbau
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社会給付の削減
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ヘルムート・コール政権の緊縮財政政策
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1994
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Superwahljahr
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スーパー選挙年
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1994年ドイツ連邦議会選挙、1994年欧州議会議員選挙、それに加えて8州の選挙など20の選挙が行われたことから[1]
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1995
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Multimedia
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マルチメディア
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コンピューターやデジタル技術のような最先端技術のバズワードとして使われた
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1996
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Sparpaket
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緊縮財政
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ドイツ統一後の巨額な負担コストについての政治議論が多かったことから
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1997
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Reformstau
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再編停滞
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コール政権の年後半での政治停滞に絡む流行語
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1998
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Rot-Grün
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赤-緑
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ドイツ社会民主党と同盟90/緑の党による、ゲアハルト・シュレーダー連立政権が発足[2]
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1999
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Millennium
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ミレニアム
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西暦で1000年毎を区切る用語で、翌年の2000年を前に盛んに使われた[2]
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2000
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Schwarzgeldaffäre
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闇献金事件
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ヘルムート・コール首相の闇献金事件参照[2]
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2001
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Der elfte September
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9月11日
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アメリカ同時多発テロ事件参照
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2002
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Teuro
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teuer (高価)とEuroのかばん語で、『トイロ』と読む
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ユーロ通貨導入による流行[2]
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2003
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Das alte Europa
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古いヨーロッパ
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古いヨーロッパ参照
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2004
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Hartz IV
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ハルツ第4法
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ドイツ労働市場の再編政策[2]
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2005
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Bundeskanzlerin
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連邦首相の女性形
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女性首相アンゲラ・メルケルが就任したことから[2][3]
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2006
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Fanmeile
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FIFA公認パブリックビューイング
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ドイツで開催された2006 FIFAワールドカップのパブリックビューイングイベントから[2][3]
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2007
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Klimakatastrophe
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地球温暖化による災害
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ドキュメンタリ映画『不都合な真実』とIPCC第4次評価報告書により、地球温暖化問題が注目されたため[3][4]
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2008
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Finanzkrise
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経済危機
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世界金融危機による流行[5]
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2009
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Abwrackprämie
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廃車ボーナス
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スクラップインセンティブ (自動車)を参照[6]
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2010
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Wutbürger
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Wut (怒り)とBürger (市民)のかばん語
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巨額の資金がかかるなどの問題を抱えたシュトゥットガルト鉄道網再編計画「Stuttgart 21」などに抗議活動を行う「怒れる市民」の事。Stuttgart 21は2位にランクイン[7]
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2011
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Stresstest
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ストレステスト
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2011年欧州銀行ストレステスト、福島第一原子力発電所事故を受けてドイツの原発、さらに「Stuttgart 21」計画の調停処理などに使用された[8]
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2012
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Rettungsroutine
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救済の繰り返し
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ドイツの政治家Wolfgang Bosbachの造語。欧州債務危機で駆けずり回るドイツ議会の様子から[9]
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2013
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GroKo
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Große Koalition (大連立)の略
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キリスト教民主同盟・キリスト教社会同盟(CDU/CSU)とドイツ社会民主党(SPD)の大連立樹立から[10]
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2014
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Lichtgrenze
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光の境界
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Christopher Bauderのインスタレーション・アート作品の名称、ベルリンの壁崩壊から25年を記念して壁のあった場所に沿って設置された。
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2015
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Flüchtlinge[11]
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難民
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2015年欧州難民危機を受けて流行した。[12]
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2016
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postfaktisch[13]
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ポスト真実
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この言葉は英語の「Post-truth」と同じ意味で、「Post-truth」自体も英語の2016年度流行語大賞となっている[14]客観的事実よりも感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を示す形容詞である[15]。
「今年は欧州連合(EU)からの英国離脱、米大統領選挙などで、政治的、社会的な問題が真実ではなく感情で議論され、社会が明白なうそを受け入れた現象が目立った」とドイツ語協会は選出理由を語った[16]。
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2017
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Jamaika-Aus
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ジャマイカ消える
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ジャマイカの国旗 メルケル政権が目指した連立政権の政党カラー(ドイツキリスト教民主同盟の黒、自由民主党の黄色、緑の党の緑から)を並べると、ジャマイカの国旗を構成する色となることから「ジャマイカ連立」と呼ばれた[17][18]。が、2017年11月に自由民主党が脱退して失敗に終わり[19]、ドイツ政治の難しい現状と言語学的な興味深さから選ばれた[20]。2位はEhe für alle(結婚を全ての人に)、3位は#MeToo
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2018
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Heißzeit
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熱期、もしくは暑期
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ヨーロッパを襲った長期間(4月から11月まで続いた)の熱波と、気候変動への危惧から選ばれた。(「氷河期」(Eiszeit)を意識して造られた意味でも興味深い)[21]
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2019
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Respektrente
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尊敬年金
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長年の雇用にもかかわらず、これまで非常に少ない年金しか受けていない男性と女性のための基礎年金の計画的な導入について。フベルトゥース・ハイル労働社会大臣のスピーチで「生涯の功績は尊敬に値する。」と述べたことから[22]。2位はRollerchaos(ローラーの混乱)で無秩序な電動スクーターによる混乱を表している。3位はフライデーズ・フォー・フューチャー
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2020
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Corona-Pandemie
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コロナ・パンデミック
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2位ロックダウン、3位陰謀論(コロナ関係やトランプ大統領の不正選挙から)、4位ブラック・ライヴズ・マター、5位AHA(Abstand(距離)、Hygiene(衛生), Alltagsmaske(常時マスク)の頭文字から)、6位:systemrelevant((社会)システムに関わる(人々)、コロナ禍でも社会を維持するために不可欠な人々から)、7位トリアージ、8位ゴーストゲーム(無観客試合)、9位ジェンダースター(ドイツ語版)(ドイツ語の男性と女性の職業の複数形で別の接尾語が付くが、差別をなくすため~*innen ~イネンという形を取るよう促進する活動)、10位 Bleiben Sie gesund! 健康でいてね!(コロナが流行する世の中の別れの挨拶として定着していることから)[23][24]
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2021
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wellenbrecher
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防波堤
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防波堤は、コロナウイルス流行の波を止める活動全般を指す言葉。2位連帯(SolidAHRität:連帯を意味する Solidarität と洪水を起こしたアール地方をかけた言葉で、アール地方への支援活動を意味する)、3位Pflexit(看護を意味するPflegeと辞めることを意味するExitを組み合わせた語:重労働になる現場と低賃金で看護スタッフが辞めていく現状を示唆している)4.強制予防接種。5.Ampelparteien(信号機+複数政党で信号機連立:各政党のイメージカラーSPD(赤)、緑の党(緑)、FDP(黄)から)、6. Lockdown-Kinder(子供のロックダウン、子供時代の貴重な2年間をストレスのかかるロックダウンで過ごしたことを意味する語)7. Booster(3度目に行うブースター予防接種のこと)8. freitesten(frei+test+en = 無料検査する)9. Triell(三つ巴の決闘(英語版)、選挙から)10. fünf nach zwölf(12時を5分過ぎた。要するに行動が遅いことを指摘している。この行動とは、パンデミックや気候変動への対応などを指す)[25]
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2022
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Zeitenwende
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時代の変わり目[26]。
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2022年ロシアのウクライナ侵攻後の危機感から[26]。2位はKrieg um Frieden(平和のための戦い)、3位はGaspreisbremse(ドイツ語版)(ガス代抑制補助金)
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