『トレス・オンブレス』(Tres Hombres)は、アメリカ合衆国のロック・バンド、ZZトップが1973年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。タイトルはスペイン語で「3人の男たち」を意味する。2006年にワーナー・ブラザース・レコードからリリースされたリマスターCDには、未発表のライヴ音源3曲がボーナス・トラックとして追加収録された。
背景
ビリー・ギボンズは、このアルバムからピッキング・ハーモニクス奏法を使うようになったと語っている[2]。とりわけ「ラ・グランジェ」のギター・ソロではピッキング・ハーモニクスが多用されており、2011年には『Guitar Player』誌のスタッフによって「最も影響力のあるロック・ギター・ソロ40」の一つに選ばれた[3]。
「ウェイティン・フォー・ザ・バス」と「ジーザス・ジャスト・レフト・シカゴ」は別々にレコーディングされた曲だが、レコードでは偶然、曲間の空白が削られて繋がった形で収録された[4]。これら2曲は、その後のライヴでもメドレーとして演奏されている[4]。
本作のオリジナルLPはゲートフォールド仕様のジャケットとなっており、内側に掲載されたメキシコ料理の写真は、バンドのたまり場であったテキサス州ヒューストンのレストランで撮影された[4]。
反響・評価
本作はBillboard 200で8位に達し、ZZトップにとって初の全米トップ10入りを果たして[1]、1974年5月にはRIAAによってゴールドディスクに認定された[5]。本作からのシングル「ラ・グランジェ」はBillboard Hot 100で41位に達した[1]。
『ローリング・ストーン』誌が2003年に選出したオールタイム・グレイテスト・アルバム500では498位にランク・インし[6]、後の改訂では490位となった[7]。
収録曲
特記なき楽曲はビリー・ギボンズ、ダスティ・ヒル、フランク・ベアードの共作。
- Side 1
- ウェイティン・フォー・ザ・バス "Waitin' for the Bus" (Billy Gibbons, Dusty Hill) – 2:59
- ジーザス・ジャスト・レフト・シカゴ "Jesus Just Left Chicago"– 3:29
- ビア・ドリンカーズ&ヘル・レイザーズ "Beer Drinkers & Hell Raisers" – 3:23
- マスター・オブ・スパークス "Master of Sparks" (B. Gibbons) – 3:33
- ホット・ブルー・アンド・ライチャス "Hot, Blue and Righteous" (B. Gibbons) – 3:14
- Side 2
- ムーヴ・ミー・オン・ダウン・ザ・ライン "Move Me on Down the Line" (B. Gibbons, D. Hill) – 2:30
- プレシャス・アンド・グレイス "Precious and Grace" – 3:09
- ラ・グランジェ "La Grange" – 3:51
- シーク "Shiek" (B. Gibbons, D. Hill) – 4:04
- ハヴ・ユー・ハード? "Have You Heard?" (B. Gibbons, D. Hill) – 3:14
リマスターCDボーナス・トラック
- ウェイティン・フォー・ザ・バス(ライヴ) "Waitin' for the Bus (Live)" (B. Gibbons, D. Hill) – 2:41
- ジーザス・ジャスト・レフト・シカゴ(ライヴ) "Jesus Just Left Chicago (Live)" – 4:03
- ラ・グランジェ(ライヴ) "La Grange (Live)" – 4:44
参加ミュージシャン
脚注・出典