ターミネーター 2:3-D
ターミネーター 2:3-D(英: Terminator 2:3-D)は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのニューヨーク・エリアにかつて存在した、『ターミネーター2』と『ターミネーター3』の中間のストーリーで展開されるショー・アトラクションである。新型コロナウイルスによるパンデミックの影響もあり、2020年9月より休止されそのまま再開することなく、2023年5月に廃止された。かつては、ユニバーサル・スタジオ・フロリダとユニバーサル・スタジオ・ハリウッドでも『T2-3D: Battle Across Time』という名前で運営されていた。 過去に存在していたパーク概要ユニバーサル・スタジオ・フロリダ1996年4月27日にハリウッド・エリアにオープンし、2017年10月8日にクローズした。その後継アトラクションとして、「The Bourne Stuntacular」が2020年6月30日にオープンした[1][2][3]。 ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド1999年5月6日にアッパー・ロットにオープンし、2012年12月31日にクローズした。後継アトラクションとして、「ミニオン・ハチャメチャ・ライド」が2014年4月12日にオープンした[4]。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン2001年3月31日のパーク開園と同時にニューヨーク・エリアにオープンした。ユニバーサル・スタジオ・フロリダの同アトラクションがクローズしたことにより、世界で唯一のアトラクションとなっていた。 2020年9月14日から休止されていたが[5]、営業再開せずにそのまま終了することを、2023年5月16日にユニバーサル・スタジオ・ジャパンが発表した[6]。 後継施設として「マンハッタンシアター」が2024年3月22日にオープン。同施設では、オープン日より「名探偵コナン 4-D ライブ・ショー 〜星空の宝石〜」が開催されている。 ストーリーサイバーダインシステム社が企画した「ビジターセンターツアー」では、ツアー参加者(ゲスト)が極秘プレゼンテーションに参加することになる。 プレショー![]() 極秘プレゼンテーションの前には、サイバーダイン社の“メディアコントロール主任ディレクター”である綾小路麗華、もしくはキンバリー・ダンキンがツアー参加者(ゲスト)を出迎える。彼女たちはゲストに毒舌で絡みつつ、サイバーダイン社の技術的貢献を紹介するプロモーションビデオ(“自称「素晴らしいビデオ」”)を鑑賞させる。 ビデオの途中、画面にノイズが入り、サラ・コナーとジョン・コナーが登場。サイバーダイン社の機械兵器による人類滅亡の可能性を警告し、陰謀を破壊するため速やかに避難するよう訴える。しかし、ビデオが終了すると綾小路麗華(またはキンバリー・ダンキン)は警告を無視し、ゲストをメインホールへと案内する。 メインショーメインホールでは、サイバーダインの新兵器「T-70」通称ターミネーターのデモンストレーションが行われる。さらに高度な新兵器「スカイネット」のプレゼンテーションが始まろうとした瞬間、サラとジョンがホールの天井から登場。サラはゲストに再び避難を促し、綾小路麗華(またはキンバリー・ダンキン)にT-70を止めるよう命令し発砲する。その際にT-1000が現れ、綾小路麗華(またはキンバリー・ダンキン)を殺害し、T-70を使ってジョンを殺そうとする。 その時、スクリーン中央にタイムホールが出現。バイクに乗ったT-800が現れ、ジョンをバイクに乗せてタイムホールを通じて未来へと逃走する。 未来では、T-1000が追撃を続けるが、T-800とジョンは逃げ切り、スカイネットの偵察機やミニハンターを退けながらスカイネットへの侵入に成功する。 スカイネットの中心であるCPUを破壊しようとするが、T-0b(スカイネットの警備システム)が襲撃。T-800が液体窒素でT-0bを凍らせて粉砕するが、熱で復元されてしまう。その間にジョンはタイムホールで過去に戻り、T-800は犠牲となりながらスカイネットとT-0bを爆破して破壊する。 最終的にジョンはサラの元に戻るが、人間と機械の戦いは続いている。息子の命を救われたサラは、T-800に感謝の意を示す[7]。 登場キャラクター
キャスト
スタッフ
製作開発と監督の許可1990年代初頭、ユニバーサル・パークス&リゾーツの会長兼CEOであるジェイ・スタインは、エンターテインメント施設のデザイン会社ランドマーク・エンターテインメントのゲイリー・ゴダードとそのチームに、ターミネーターシリーズを基にしたスタントショーの開発を依頼した[10]。ゴダードはユニバーサル・クリエイティブに許可を求め、3D映像と実写スタントを組み合わせたプレゼンテーション形式のアトラクションを提案した。 約1年半後、ユニバーサル・クリエイティブとランドマーク・エンターテインメントは、ターミネーターシリーズの監督であるジェームズ・キャメロンの会社ライトストーム・エンタテインメントに最終承認を求めた。キャメロンは当初、ユニバーサルによるターミネーターシリーズのアトラクション開発に反対していた。しかし、ストーリーボードとコンセプトが提示されるとこれを絶賛し、承認を与えたことでプロジェクトが進行することとなった。 キャメロンが監督を務めることになったこのプロジェクトは、公式なキャメロン作品として認識されるようになり[10]、構想中であった『ターミネーター3』と既存の『ターミネーター2』の間をつなぐストーリーが採用された。 このアトラクションは、2019年公開の映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』でキャメロンがシリーズ製作に復帰するまで、彼が関与した最後のターミネーター作品となっていた。 アトラクションの構造サンフェルナンド・バレーにあるヴァン・ナイズ空港の飛行機格納庫内に、アトラクションの実物大模型が建設された[10]。スクリーンには3D映像を投影する7m×15.2mのシルバースクリーンが3面使用され、プロジェクターには70mmフィルムを用いるアイ・ワークス製のものが6台導入された。 アトラクション内では、終盤のシートドロップ効果や実写と映像をブレンドした技術、3面シルバースクリーン、攻撃兵器の演出などが採用されており、これらの特殊効果はユニバーサルが特許を取得している[11][12][13][14]。 当初、このアトラクションはユニバーサル・スタジオ・フロリダ向けに開発されていたが、途中でユニバーサル・スタジオ・ハリウッドへの設置も決定された。現在、フロリダとハリウッドでのクローズにより、このアトラクションはユニバーサル・スタジオ・ジャパンにのみ現存している。 映像アトラクションの映像は、カリフォルニア州デザート・センターの北に位置する放棄されたイーグル鉱山で撮影された[10][15]。撮影には、アーノルド・シュワルツェネッガー、エドワード・ファーロング、リンダ・ハミルトン、ロバート・パトリックをはじめとする『ターミネーター』および『ターミネーター2』のオリジナルキャストとスタッフが再集結した。 また、ターミネーターシリーズの続編として新たに2体のキャラクターが追加された。1体目はスカイネットの警備システム「T-1000000」。蜘蛛のような形状をしており、液体金属の体を持つ。スカイネットのCPUを攻撃から守るため、足を尖らせて武器に変える能力を持つ。2体目は「T-70」で、1990年代後半にサイバーダインシステム社が開発した独立歩行型ユニット。T-70は、アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるT-800の前身にあたり、高さ2.4メートル、右腕にマシンガンを装備している。1回の充電で2キロメートルの走行が可能で、銃の命中率は80%とされている。アトラクション内では最新兵器としてデモンストレーションで使用される。 アトラクションの体験時間は約12分で、映像部分の製作費だけで2400万ドルが費やされた。これは1分当たりの製作費が非常に高額な作品の1つとなっている。総工費は6000万ドルに達した。 脚注
外部リンク
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