タンジェ=アシラー県
タンジェ=アシラー県(タンジェ=アシラーけん、フランス語: Tangier-Assilah Prefecture、アラビア語: عمالة طنجة أصيلة)は、 タンジェ=テトゥアン=アル・ホセイマ地方の北部に位置する県。州都はモロッコで3番目に人口が多い[注釈 1]タンジェ。また、タンジェはタンジェ=テトゥアン=アル・ホセイマ地方の首府でもある[注釈 2]。 地理北はジブラルタル海峡、東は大西洋に面している。東はタンジェ=テトゥアン=アル・ホセイマ地方のファフス=アンジュラ州とテトゥアン州、南はアライシュ州に隣接している。 タンジェ=アシラー県はタンジェ=テトゥアン=アル・ホセイマ地方の他州・県に比べ起伏が少なく、沖積層[3]によってできた平地が沿岸に広がる。また、タンジェ=アシラー県内にはリフ山脈から大西洋やジブラルタル海峡に流れるいくつもの川がある。また、県の北西にはジブラルタル海峡と大西洋の境界のスパルテル岬。 気候→詳細は「タンジェ#気候」を参照
地中海性気候に分類され、夏は気温が高く乾燥し冬には気温が下がり降水量が多くなる。平均年間総雨量は700から1000mmである。また、大西洋に面していることから冬には温帯低気圧の影響を受けやすく強風や豪雨に見舞われることもある[2]。 人口2020年の人口は1,214,841人と推定される。また、最後の国勢調査の2014年の調査では、タンジェ=アシラー県の人口は1,065,601人のであった[3]。人口密度は約1234人/Km²。タンジェ=テトゥアン=アル・ホセイマ地方で一番人口が多い州・県である。2004年の国勢調査では786,961人だった[3]。 経済・産業タンジェ=アシラー県は周辺よりも圧倒的に人口が多いため、第三次産業が他の地域よりも発展している。カサブランカ県に次いでモロッコで2番目に経済が活発である[3]。また県内にはタンジェ地中海特別庁が運営する345haにも及ぶフリーゾーン(自由貿易地区)のタンジェ・フリーゾーンがあり、2007年時点では383社が設立され3万7000人の雇用を生み出している[2]。また隣接するファフス=アンジュラ州のタンジェ=アシラー県境付近にもアフリカ最大の自動車工場を含む2つのフリーゾーンがある[4]。これらの工場は鉄道でファフス=アンジュラ州のタンジェMED港やモロッコ国内の各都市と結ばれている。 産業別データ[3]
教育[3]2014年の国勢調査によると、10歳以上の識字率は78.2%である。これはタンジェ=テトゥアン=アル・ホセイマ地方の識字率の69%より高い数値である。だが、都市部と農村部での拡散は激しく都市部では79.4%の一方、農村部では57.9%である。テトゥアン州の小学生(7歳から12歳)の就学率は94.6%である。また、41.4%の人がアラビア語とフランス語の読み書きができる。 2015年時点の各施設数:
交通タンジェ=アシラー県は地中海を挟んでヨーロッパに近いことから交通面でも重要な県である。また2018年にはカサブランカやラバトといった大都市を結ぶタンジェ=カサブランカ高速鉄道が開通している。 鉄道タンジェ市内のタンジェ・ヴィル駅を起点にタンジェ=カサブランカ高速鉄道が開通している。また、タンジェ・ヴィル駅には在来線もセ゚されており、フェズ・ウジダ・ナドールなどのモロッコ東部や、カサブランカ[5]や、夜行列車でマラケシュ[6]などにも接続されている 道路2015年時点でタンジェ=アシラー県には総延長289.1Kmに及ぶ道路が敷かれている。うち県道が約47%の136Kmを占める、次いで国道が約28%の80.7Kmを占め、高速道路が約16%の48Km。 高速道路国道
空港県内には主にヨーロッパに就航するイブン・バットゥータ国際空港がある。2013年には国内で4位となる約80万人が利用した[3]。 観光地・史跡
タンジェ=アシラー県は12のコミューン(3つの都市コミューンと9つの田舎コミューン)から形成される。またタンジェコミューンは4つのアロンディスマンから形成される。
脚注注釈出典
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