タムリン・トミタ(Tamlyn Tomita、本名:Tamlyn Naomi Tomita、1966年1月27日[1] - )は、アメリカ合衆国の女優。1986年の『ベスト・キッド2』にクミコ役で出演して知られるようになり、ウェブテレビシリーズの『コブラ会』(2021年)でも同役を再演した。『ジョイ・ラック・クラブ』(1993年)のウェイヴァリー役でも知られている。また『愛と哀しみの旅路』(1990年)、『ピクチャーブライド』(1994年)、『フォー・ルームス』(1995年)、『Robot Stories』(2003年)、『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)、『Gaijin 2: Love Me as I Am』(2005年)などの映画に出演している。
『24 -TWENTY FOUR-』、『Glee』、『Teen Wolf』、『殺人を無罪にする方法』などの連続テレビドラマで準レギュラーとして出演している。Epixの『Berlin Station』(2016年)、ABCの『グッド・ドクター 名医の条件』(2017年)にメインキャストとして出演している。2020年、『スタートレック:ピカード』に準レギュラーとして出演している。
生い立ち
1966年1月27日、日系アメリカ人の父親と、日系フィリピン人の母親の間に沖縄県沖縄市の嘉手納基地で生まれ[2]、アメリカ合衆国ロサンゼルスで育った[3][4][5]。父親は第二次世界大戦中、強制収容所に収容されていた[4][3]。両親は朝鮮戦争とベトナム戦争の間に沖縄に駐在していた時に知り合った[5]。母親はマニラ生まれの沖縄出身日本人とフィリピン移民のハーフで、第二次世界大戦後に沖縄に移住した[5][3]。父親はロサンゼルスに戻った際、ロサンゼルス市警察官となった[3]。グラナダ・ヒルズ高校を卒業し[3]、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に進学して歴史を学び、歴史の教師になるつもりであった[3][6]。1984年、大学3年の時に2世週日本祭の女王に選出された[3][7][8]。1963年の女王のヘレン・フナイにより、他の日系アメリカ人女性と共に1986年の『ベスト・キッド2』のクミコ役のオーディションを受けるよう薦められた[3][9]。両親と大学を卒業することを約束し、その後女優業に進んだ[9]。
経歴
映画
『ベスト・キッド2』の後、数多くのインディペンデント映画でメインキャストとなった。1987年には川島透監督の日本映画『ハワイアン・ドリーム』にも出演して、時任三郎やジョニー大倉などと共演している。1990年のドラマ映画『愛と哀しみの旅路』では主役を演じた[10]。1993年、アンサンブル・キャストのドラマ映画『ジョイ・ラック・クラブ』(1993年)でミンナ・ウェンと共演した。翌1994年、インディペンデント映画『ピクチャーブライド』に出演した。1995年、コメディ・アンソロジー映画『フォー・ルームス』(1995年)でロバート・ロドリゲス監督による第3話でアントニオ・バンデラスの相手役を演じた[11]。
21世紀に入り、『デイ・アフター・トゥモロー』のジャネット・タカダ役など、さらなるインディペンデント映画やハリウッド大作などに出演している。2005年のブラジルのドラマ映画『Gaijin 2: Love Me as I Am』および2003年のインディペンデント映画『Robot Stories』で主演した。第二次世界大戦中、日系アメリカ人で構成された第442連隊戦闘団を描いた『Only the Brave』に出演し、『ベスト・キッド』シリーズ出演者のユウジ・オクモトおよびパット・モリタと共演した[12]。
テレビ
1988年5月から9月、NBCのソープオペラ『Santa Barbara』にミン・リー役で出演していた[13]。1994年、『暗黒の戦士 ハイランダー』シーズン3第1話にゲスト出演した。2008年、ABCのソープオペラ『ジェネラル・ホスピタル』に出演した[14]。2012年、ソープオペラ『デイズ・オブ・アワ・ライブス』に準レギュラーとして出演した。
1996年から1997年、1シーズンで終了したUPNの連続テレビドラマ『The Burning Zone』にレギュラー出演した。1993年、『バビロン5』パイロット版に出演した。経歴を通して『Seven Days』、『タイムマシーンにお願い』、『Living Single』、『ジェシカおばさんの事件簿』、『シカゴ・ホープ』、『ふたりは友達? ウィル&グレイス』、『刑事ナッシュ・ブリッジス』、『ザ・シールド ルール無用の警察バッジ』、『Strong Medicine』、『スターゲイト SG-1』、『スターゲイト アトランティス』、『メンタリスト』、『プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち』、『トゥルーブラッド』、『ノンストップ・スリラー「暴走地区-ZOO-」』、『Tour of Duty』、『クリミナル・マインド FBI行動分析課』など多くのドラマやコメディにゲスト出演している。他に『女検死医ジョーダン』、『犯罪捜査官ネイビーファイル』、『24 -TWENTY FOUR-』、『ユーリカ 〜事件です!カーター保安官〜』、『HEROES』、『LAW & ORDER:LA』、『glee/グリー』、『Teen Wolf』、『よみがえり 〜レザレクション〜』、『殺人を無罪にする方法』、『Chasing Life』に長きに亘り準レギュラーとして出演していた。
2016年、Epixの連続ドラマ『Berlin Station』にレギュラー出演していた。2017年から2019年、ABCの医療ドラマ『グッド・ドクター 名医の条件』にリカーリングとして出演していた[15]。
2020年、CBSオールアクセスの連続ウェブドラマ『スタートレック:ピカード』でロミュラン人とヴァルカン人の混血のオウ准将役で準レギュラーとして出演し始めた。
2021年、映画『ベスト・キッド』シリーズの続編テレビドラマ『コブラ会』で35年ぶりにクミコ役を演じ2エピソードに出演した[16][17][6]。
私生活
長年交際していた俳優のダニエル・ブリンコフと結婚している[18][19]。
主な出演作品
映画
公開年 |
邦題 原題 |
役名 |
備考
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1986 |
ベスト・キッド2 The Karate Kid, Part II |
クミコ(英語版) |
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1987 |
ハワイアン・ドリーム Hawaiian Dream |
カレン・サイトウ |
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1988 |
リターンド・ソルジャー/ベトナム戦士へのレクイエム To Heal a Nation |
マヤ |
テレビ映画
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1990 |
ベトナムU.S.A. Vietnam, Texas |
ラン |
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ヒロシマ Hiroshima: Out of the Ashes |
サリー |
テレビ映画
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愛と哀しみの旅路 Come See the Paradise |
リリー・ユリコ・カワムラ |
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1993 |
CGスペース・アドベンチャー バビロン5(バビロン5 序章 前編/後編) Babylon 5: The Gathering |
ローレル・タカシマ少佐 |
テレビ映画
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ジョイ・ラック・クラブ The Joy Luck Club |
ウェイヴァリー |
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1994 |
ピクチャーブライド Picture Bride |
カナ |
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バニシング・サン2 Vanishing Son II |
ランシー |
テレビ映画
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バニシング・サン4 Vanishing Son IV |
ランシー |
テレビ映画
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1995 |
フォー・ルームス Four Rooms |
妻 |
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1997 |
推定殺人者 The Killing Jar |
ダイアン・サンフォード |
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タッチ Touch |
検察官 |
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1998 |
Hundred Percent |
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Soundman |
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Living Out Loud |
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1999 |
Life Tastes Good |
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地球最後の男 The Last Man on Planet Earth |
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テレビ映画
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2000 |
アウトブレイク2000 Runaway Virus |
モニーク・チャオ |
テレビ映画
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2003 |
Robot Stories |
マーシャ |
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2004 |
デイ・アフター・トゥモロー The Day After Tomorrow |
ジャネット・トカダ |
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2005 |
Gaijin - Ama-me Como Sou |
マリア・ヤマシタ・サリナス |
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2006 |
ザ・ブレイブ・ウォー 第442部隊 Only the Brave |
メアリー・タカタ |
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2007 |
爆発感染 レベル5 Pandemic |
メリッサ・ロー |
テレビ映画
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2008 |
アイズ The Eye |
Mrs. Cheung |
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2010 |
TEKKEN -鉄拳- Tekken |
風間準 |
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2016 |
グッド・ネイバー The Good Neighbor |
ヘザー・クロムウェル |
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テレビシリーズ
アルバム
- Sweet Surprise (1987,ポリドール)
脚注
出典
- ^ “Tamlyn Tomita”. Turner Classic Movies. 2022年8月27日閲覧。
- ^ “Celebrity birthdays for the week of Jan. 22-28”. The Associated Press (2023年1月17日). 2023年1月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Block, Jenny (2018-04-23). “'Good Doctor' Star Tamlyn Tomita Says "Stop Treating Me As A Woman: Treat Me As An Equal"”. swaay.com. https://news.yahoo.com/reprise-her-karate-kid-role-204635077.html 2021年1月7日閲覧。.
- ^ a b Adato, Alison (1991-01-25). “Close-up on Tamlyn Tomita -- We talk to the actress from Come See the Paradise”. Entertainment Weekly. https://ew.com/article/1991/01/25/close-tamlyn-tomita/ 2021年1月6日閲覧。.
- ^ a b c “Tamlyn Tomita Reveals Her Parents' Love Story”. YouTube. 2021年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月10日閲覧。
- ^ a b Yamato, Jen (2021-01-01). “To reprise her 'Karate Kid' role in 'Cobra Kai,' Tamlyn Tomita had some ground rules”. Los Angeles Times. https://news.yahoo.com/reprise-her-karate-kid-role-204635077.html 2021年1月4日閲覧。.
- ^ “Past Queens & Courts”. Nisei Week. https://niseiweek.org/queen-court/#past-courts 2021年1月7日閲覧。.
- ^ “The Nisei Week Queens and Royal Courts”. The Official Nisei Week Foundation Japanese Festival Website (2012年). 2013年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月22日閲覧。
- ^ a b “TALKING WITH TAMLYN TOMITA: THE ACTRESS DISHES ON INDEPENDENT CINEMA AND WHITEWASHING”. Center for Asian American Media. (2017-10-30). https://caamedia.org/blog/2017/10/30/talking-with-tamlyn-tomita-the-actress-dishes-on-independent-cinema-and-whitewashing/ 2021年1月7日閲覧。.
- ^ “Tamlyn Tomita”. EW.com. 2014年12月27日閲覧。
- ^ Maslin, Janet (1995年12月26日). “FILM REVIEW;Hellish Guests in Kinky Spats in 'Four Rooms'”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1995/12/26/movies/film-review-hellish-guests-in-kinky-spats-in-four-rooms.html 2014年12月27日閲覧。
- ^ “Meet Yuji Okumoto”. konakitchen.com. 2021年1月6日閲覧。
- ^ “Ming Li”. santabarbara-online.com. 2017年10月24日閲覧。
- ^ “General Hospital: Tamlyn Tomita Cast As Kate Howard Rival”. Daytime Confidential. 2014年12月27日閲覧。
- ^ Petski, Denise (2017年9月22日). “'The Good Doctor': Tamlyn Tomita Upped To Series Regular On ABC Drama”. 2017年10月24日閲覧。
- ^ Ng, Phillana (2021-01-07). “'Cobra Kai': Tamlyn Tomita on Returning as Kumiko More Than 30 Years After 'Karate Kid' (Exclusive)”. Entertainment Tonight. https://www.etonline.com/cobra-kai-tamlyn-tomita-on-returning-as-kumiko-more-than-30-years-after-karate-kid-exclusive-158658 2021年1月7日閲覧。.
- ^ Meeks, Karen (2020-12-31). “'Karate Kid II' kicked off Tamlyn Tomita's career. Now she's back, 34 years later, in 'Cobra Kai.'”. San Francisco Chronicle. https://datebook.sfchronicle.com/movies-tv/tamlyn-tomita-returns-to-karate-kid-world-for-season-three-of-cobra-kai 2021年1月4日閲覧。.
- ^ “Tomita was a playground scrapper in youth” (2017年11月27日). 2023年5月11日閲覧。
- ^ “Highland Park will play central role in new York Boulevard theater”. 2023年5月11日閲覧。
外部リンク