タイムレス (テレビドラマ)
『タイムレス』(原題:TIMELESS)は、2016年秋からNBCで放送されたアメリカ合衆国の歴史SFドラマ。歴史学教授ルーシー、軍人ワイアット、技術者ルーファスの3人がタイムマシンで時を超え、ヒンデンブルク号爆発事故やリンカーン大統領暗殺事件といったアメリカの運命に大きく関わる歴史改変を行う時空犯罪者の計画を阻止する物語。製作総指揮はエリック・クリプキとショーン・ライアン。主演はアビゲイル・スペンサー、マット・ランター、マルコム・バレットが務める[1][2]。 視聴率低迷を理由にNBCから二度の打ち切りが決定されたが、いずれもファンの要望も受けてシリーズ更新に至った。2018年のシリーズ2の後にファイナルエピソード2話が公開され、それをもって完結した[3]。 製作第1話の視聴者数は760万人に達したが、シーズン1を通しての平均視聴者数は460万人まで低迷し、2017年5月にシーズン1での打ち切りが決定した[4]。しかし、SNS上でファンが抗議した結果、3日後にこの決定は覆ることになった[5]。シーズン2への更新および2018年春の放送予定が発表されたこの件について、マット・ランターは自身の役になりきって過去改変でNBCの方針を変更させたと主張した[6]。 2018年5月13日にはシーズン2が最終回を迎えたが、同話をもって打ち切りとなることが同年6月に報じられた[7]。この二度目の打ち切り決定も視聴者数低迷のためであったが、再びファンはこれに抗議し、中にはヘリコプターを飛ばしてバナーでシリーズ復活を求める者が出るなどの騒ぎに発展した[3]。同月中にシリーズファイナルの映画化が検討され、NBCとソニー・ピクチャーズ・テレビジョンの間で2時間枠の映画の製作が議論された[7]。7月末には二部作の特別エピソードでシリーズを完結させることが報じられ、クリプキは何シーズンにもおよぶ更新の次に良いことであるとコメントした[3]。 ファイナルエピソードの後、2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響により各地の映画館が経営難に追い込まれている頃、『タイムレス』のキャストやショーン・ライアンがPlay-PerViewの主催による特別バーチャル募金イベントに出席し、シーズン2第3話「求めあう夕べ」の脚本朗読やトークイベントが開催された[8]。 あらすじ
キャスト
音楽日本版エンディング:ゴスペラーズ 『Let it shine』[10] 15th Album『Soul Renaissance』に収録されている。 エピソード一覧
シーズン1 (2016–17)
日本での展開日本では2017年1月3日に第1話がAXNでプレミア放送された[17]。シーズン1のレギュラー放送は2017年4月より同チャンネルで放送[2][18]。同年11月8日にDVDがリリースされた[5]。DVDコンプリートBOXにはNGシーン集や未公開シーンが特典映像として収録された[19]。 レギュラー放送に先駆けた2017年3月2日には、ゴスペラーズのバラード「Let it shine」が本作の日本版エンディングテーマに決定し、AXNの公式サイトで決定を記念した特別映像が公開された[20]。同曲は3月22日に発売されたゴスペラーズのアルバム『Soul Renaissance』に収録された[21]。なお、本楽曲は『タイムレス』本編の内容を踏まえて作詞・作曲されたのではなく、「もし過去に別の行動をしていたら」というテーマは偶然の一致であったという[22]。 シーズン2が2019年3月よりAXNで放送された。 評価論理物理学を専門とするカリフォルニア工科大学上級研究教授のショーン・キャロルは、強力な重力場の生成により時空間を歪曲させて時空移動を可能にする本作のタイムトラベルの設定について、アルベルト・アインシュタインにも言及して「既存の物理法則でも十分に考えられる原理」とコメントした。また、善意での過去改変により現在の状況が悪化する場合を描いている点について高く評価した[23]。 ゴスペラーズの黒沢薫は、映画『ファイナル・デスティネーション』を引き合いに出し、歴史を変えてはならないという世界設定の中でもがく人々が描写されている点に面白さを見出している。同グループの村上てつやも現在を守るという価値観が明示されている点を指摘したほか、合衆国の歴史を学ぶこともできるとコメントしている。さらに同グループの北山陽一は、エピソードごとに時代に合わせて変わる3人の衣装や、序盤から謎が提示されるテンポ、タイムパラドックスの外に置かれた物品が元の歴史を反映している点などを評価した[22]。 脚注
外部リンク |
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