ズーラシアンブラスは、よこはま動物園ズーラシアのマスコットキャラクターとして、園内で演奏を始めた金管五重奏の楽団。指揮者も含め全員が、ズーラシアで飼育されている希少動物に扮している。『音楽の絵本〜親子のためのクラシックコンサート』と題した演奏会を行う際は、会場の規模等にあわせて弦楽器、打楽器、ピアノなどが加わった様々な編成をとる。
沿革
- 2000年 - よこはま動物園ズーラシア1周年を記念して結成、園内で演奏を始める
- 2001年 - 『音楽の絵本コンサート』初公演(八王子市、南大沢文化会館)
- 2010年 - 4月、ズーラシアンブラスデビュー10周年・プレミアムコンサート開催[1]
- - 5月、東京交響楽団との共演「0歳からのオーケストラ〜ズーラシアン・ブラスmeets東京交響楽団」により、ひまわり褒章2010(団体賞)受賞[2]
特徴
男性(キャラクター)の演奏者は通常のクラシックコンサートと同様に黒のタキシード、女性(キャラクター)は華やかなドレスを着用しているが、全員が動物のかぶり物をしている。児童劇やキャラクターショーの側面も持つが、子どもによっては逆に大きな動物(着ぐるみ)を怖がり逃げ出してしまう場合もある。かぶり物のおかげで演奏者は大胆な演技が可能となり、また、複数の演奏者(中の人)が分担出演できるため公演日程を組みやすいという利点もある。オフィシャルサイトには目立たない場所に「音楽の絵本 制作スタッフ」として、すべての演奏者の氏名、最終学歴、受賞歴、現在の所属などが記載されている。
多くの公演で0歳から入場可能で、客席の照明も完全には落とさない。周囲に迷惑となるほど泣き止まない場合の途中退出やオムツ交換、座っていられない子どもが歩き出すこと、などを想定している。パイプオルガンの入った公演や、お友達プレーヤー公演(中の人がかぶり物をしない通常コンサート)など一部の公演では、4歳以上可、未就学児不可、といった年齢制限を設けている。
子どもの集中力を持続させる工夫もなされており、唯一言葉を発する司会者(かぶり物なし)と指揮者・演奏者の間ではパントマイムが交わされ、演奏中にも見ていて楽しくなる演出がある。客席登場といったサプライズも用意されている。プログラム中には、中盤に敢えて飽きさせる曲も入れてあり、親子がともに楽しめるコンサートをめざしている。
演奏曲はクラシックの名曲が中心ではあるが、童謡、アニメ曲、ディズニー曲、マンボなどラテン曲も独自のアレンジを加えている。楽譜も販売されており、アマチュア・オーケストラ、サークル、小中高校の部活動などで活用されている。
編成
ズーラシアンブラス プロフィールより[7]
- 毛並みの豊かで白いスーツの白ウサギ オルコット(コンサートマスター)、白うさぎたち(ヴァイオリン)、グレーうさぎたち(ヴィオラ)、茶うさぎたち(チェロ)、黒うさぎのジョン&ローリー(コントラバス)
- 黒ヤギさん(バスーン)、白ヤギさん(オーボエ)
- ゴールデンターキン(トランペット)、オセロット(ユーフォニアム、トロンボーン)、カズンバク(2nd ホルン)
- のちにホルンが4管になり、2nd・いとこのカズンバク、3rd・おじのアンクルバク、4th・おじいちゃんのグランパバク
- ドール(ドラム)、リトル・シスター・ドール(ティンパニ)、たたきのトリさん(パーカッション)
- ズーラシアンウインドアンサンブル(小編成吹奏楽団)(ZWE) - 2008年9月デビュー。ズーラシアンブラス+クラリキャット+サキソフォックス+ことふえパピヨン
- ズーラシアンウッドウィンズ(木管五重奏)(ZWW) - ヒメタテハ(フルート)、白ヤギさん(オーボエ)、メリッサ(クラリネット)、黒ヤギさん(ファゴット)、カズンバク(ホルン)
- ズーラシアンウィンドオーケストラ(大編成吹奏楽団)- 2015年7月デビュー、32名。ズーラシアンフィルハーモニー管弦楽団から弦楽器を除き、クラリネットとフルートを増員し、下記を加えた編成
- アムールヒョウ(2ndトロンボーン)、雲豹(ウンピョウ)(バストロンボーン)
- ホワイトライオン(トランペット) - 2016年8月デビュー、ジルベスター音楽祭2016に初出演
- オルガンオウル(パイプオルガン) - 「with パイプオルガン」「ジルベスター音楽祭」公演のみ登場
- メガネグマ(テューバ) - 2018年7月『ズーラシアン吹奏楽部!』公演でデビュー
- コビトカバ(指揮) - 2019年11月ズーラシアンフィルハーモニー管弦楽団 秋の芸術でデビュー
- ナマケモノ(トライアングル、パーカッション) - ディズニー映画『ズートピア』「トライ・エヴリシング」で登場
- はたらくトリさん(ステージマネージャー) - カラフルな鳥。転換、譜面の交換などを2〜4人で行う。
- たたきのトリさん(マリンバ、パーカッション) - はたらくトリの進化形で、頭の羽飾りが特徴。 2012年ジルベスター音楽祭でデビュー。
音楽の絵本
詳細は公式サイト内の「音楽の絵本とは…」を参照。
クラシック音楽における絵本のような役割を果たしたい、と考え制作された、親子のための本格的クラシックコンサート。0歳から入場でき、3歳未満の席を要しない子どもは入場無料のことが多い(公演により異なる)。
株式会社スーパー・キッズの登録商標。
「ズーラシアンブラス」には指揮者とドラムが含まれ、最大編成は9名(指揮者+金管五重奏+トランペット+ユーフォニアム+ホルン)で、7名(指揮者+金管五重奏+トランペット)、7名(指揮者+金管五重奏+ドラム)、6名(指揮者+金管五重奏)、2名(指揮者+トランペット)のバリエーションがある。
クラシック系
- 基本構成 - ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット)+弦うさぎ(弦楽四重奏)
- ズーラシアンフィルハーモニー管弦楽団 - 上述(40名)
- フェスティバル - ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット+ユーフォニアム+ホルン)+ドール(ドラム)+弦うさぎ(弦楽四重奏)+ことふえパピヨン(フルート+ハープ)+サキソフォックス(サックス四重奏)+クラリキャット(クラリネット四重奏)
- エレガンス - ズーラシアンブラス(金管五重奏)+弦うさぎ(バイオリン、ピアノ)
- プレミアム - ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット)+弦うさぎ(弦楽四重奏)+ことふえパピヨン(フルート+ハープ)
- 吹奏楽 - ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット+ユーフォニアム+ホルン)+ドール(ドラム)+サキソフォックス(サックス四重奏)+クラリキャット(クラリネット四重奏)+ことふえパピヨン(フルート+ハープ)
- ダブルクインテット - ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット)+ズーラシアンウッドウインズ(木管五重奏)+弦うさぎ(ピアノ)
- ブリランテ - ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット)+サキソフォックス(サックス四重奏)
- ロマネスク - ズーラシアンブラス(トランペット)+サキソフォックス(サックス四重奏)+弦うさぎ(弦楽四重奏+ピアノ)
- フェアリーテール - サキソフォックス(サックス四重奏)+弦うさぎ(弦楽四重奏)+ことふえパピヨン(フルート+ハープ)
- ダンディズム - ズーラシアンブラス(金管五重奏)+サキソフォックス+弦うさぎ(ピアノ)
ジャズ・ポップス系
- クールブラス - 弦楽器を含まない大編成。ズーラシアンブラス(金管五重奏+トランペット+ユーフォニアム+ホルン)+サキソフォックス(サックス四重奏)+ドール(ドラム)+弦うさぎ(ピアノ)
- アミーゴ - ズーラシアンブラス(金管五重奏)+サキソフォックス+ドール(ドラム)+弦うさぎ(ピアノ)+ことふえパピヨン(フルート)。通常のクラシックコンサートの衣装とは異なり、華やかなラテンの衣装でラテン音楽を中心に演奏するコンサート。
- JIVE - ズーラシアンブラス(金管五重奏)+サキソフォックス+ドール(ドラム)+弦うさぎ(ピアノ)。にぎやかなジャイブバージョンを中心に演奏する公演。
共演
- 東京交響楽団(2007年~)
- 津堅直弘(2009年) - NHK交響楽団首席トランペット奏者(当時)
- 中川喜弘(2009年) - ジャズトランペット奏者、中川モデルマウスピース[9]作者。
主な公演会場
大規模コンサートホール
東京オペラシティコンサートホール(2006年~オペラシティの夏祭りアーツシャワー)、オーチャードホール(2012年~)、サントリーホール、東京芸術劇場コンサートホール、東京文化会館
地方都市コンサートホール
所沢市民文化センター ミューズ(2012年~ズーラシアンブラスジルベスター音楽祭)、ミューザ川崎シンフォニーホール、グリーンホール相模大野、神奈川県民ホール、愛知県芸術劇場、パルテノン多摩、府中の森芸術劇場、江戸川区総合文化センター、など
ライブハウス
スイート・ベイジル、STB139(2009年)
海外
マカオカルチャーセンター(マカオ、2011年1月)、新舞台(NOVEL HALL)(台湾、2013年4月)
ファンクラブ
ズーラシアンブラスファンクラブは、2010年4月発足の入会金・会費無料のファンクラブ。チケットの優先予約、会員限定コンサートへの参加ができる。年に一度会報が発行されている。
2012年7月、ゴールド会員発足。ズーラシアンブラスファンクラブの一般会員が、申込書にズーラシアンブラスまたは仲間のCD・DVDの7枚分(すべて異なるCDまたはDVD)のバーコードを添えて申し込むと入会可能(大人のみ対象。Kids会員は申込不可)。一般会員同様に入会金・会費は無料。シリアルナンバー入りオカピの金の徽章が送られ、ゴールド会員限定コンサートへの参加、割引価格でのグッズ購入、記念撮影権などの特典がある。
代表曲
CD/DVD
楽譜品番との対応は公式サイト内の「株式会社スーパーキッズレコード CD収録曲楽譜」を参照。
ズーラシアンブラス
VOICE(2000/4/29)SKZB-000429
- みんなで行こうズーラシア
- 動物たちのパレード
- 動物めぐり(赤とんぼ~兎のダンス~山の音楽家~森のくまさん)
- ぞうさんvs.子象の行進
- 馬小屋のブルース
- タイガー・ラグ
- 猫踏んじゃった
- 熊蜂の飛行
お子様ランチ(2002/10/13)(2012/6/6)SKZB-050501
- Fanfare for 6
- 海のメドレー
- 線路は続くよどこまでも
- おさるのかごや
- ハローミスタータートル
- 村祭り
- 秋のメドレー
- 聖者の行進
- とおりゃんせ
- 大きな栗の木の下で運動会
- Little Fanfare
- 冬のメドレー
- ハロードーリー
- 大きな古時計
- アイネクライネナハトポリス
- さくらさくら
- 春のメドレー(2nd edition)
- リパブリック賛歌
- BELIEVE
- ピクニック
- アニメる(2004/11/5)
- ZOORASIANBRASSISM(2005/8/12)
- くらしっくすいっちょん(2006/9/22)(2012/6/6)
- ズーラシネマ(2007/8/10)
- やじおのパツラ(2008/7/30)
- みんなのはらっぱ(2009/7/30)
- JIVE(CD & DVD)(2010/7/30)
- Gag Brass(CD & DVD)(2011/7/27)
- ブラス★サンタ(2012/11/7)
- Trumpet Love letter(2013/2/13) - インドライオン(ズーラシアンブラス)
- ステップ!クラップ!ダンス!!(CD & DVD)(2013/7/3)
- Gold Rush!(2014/7/23)
- THE BACKPACKER! ~旅するズーラシアンブラス~(2015/10/7)
- たてがみの騎士(2016/8/31)
- ジャパニーZOO(2017/8/16)
- ズーラシアンブラス結成20周年記念アニバム「ブラス・アドベンチャー」(2020/4/8)
- ママさんブラスといっしょ!(2009/1/20) - ズーラシアンブラス with はまぴよ隊
- ママさんブラスといっしょ!2~童謡偉人伝~(2011/11/2) - ズーラシアンブラス with ママさんブラスnara
各ユニット
- ズーラシアンフィルハーモニー管弦楽団
- シンフォニック童謡(CD & DVD)(2012/7/4)
- ベートーヴェンにこっつんこ〜シンフォニック童謡2〜(CD & DVD)(2014/11/5)
- オーケストラ物語(CD & DVD)(2018/8/1)
- ズーラシアンウインドアンサンブル
- 吹奏楽はじめました(2008/11/10)
- 本日のオススメ吹奏楽(CD & DVD)(2010/1/20)
- ズーラシアン吹奏楽部!(CD & DVD)(2015/7/29)
- 森のメリーゴーランド(2013/4/17)
- サキソフォックス
- サキソフォックスのお気にいり(2009/9/10)
- サキソフォックスのとっておき(2011/10/12)
- サキソフォックスのおまちかね(2014/5/28)
- 室内管弦楽ソロ・ユニット
- Moon of the Dream(2003/9/11) - ことふえパピヨン
- ベスのピアノ物語(CD & DVD)(2016/6/15) - 弦うさぎ ベス
- お花畑の音楽会(2010/10/6)- クラリキャット&ことふえパピヨン
- 弦うさぎのティーパーティ(2019/7/31) - 弦うさぎ
脚注
出典
外部リンク