インドライオン
保全状況評価
ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001) )[ 1]
分類
学名
Panthera leo persica (Meyer , 1826 )
シノニム
P. l. asiaticus (Brehm, 1829)P. l. bengalensis (Bennett, 1829)P. l. indica (Smee, 1833)P. l. goojratensis (de Blainville, 1843)
和名
インドライオン
英名
Asiatic Lion 、 Indian Lion
インドライオン (印度獅子、学名 : Panthera leo persica )は、哺乳綱 食肉目 ネコ科 ヒョウ属 に分類されるライオン の一つの亜種で、アフリカに生息するライオンと比較すると小柄であり、体色も薄い。かつてはインド から、中東 まで分布していたが、中東では絶滅した。2015年には保護されたものがインド北西部のグジャラート州 、カーティヤーワール半島 のギル森林国立公園 野生生物保護区で523頭が生息しているだけとなっている。[ 2]
形態の比較
インドライオン
頭胴長:140-195cm
尾長:70-88cm
体重:120-200kg
寿命:25-30年ほど
アフリカライオン(参考)
頭胴長:オス170-250cm メス140-175cm
尾長:オス70-105cm メス60-100cm
体重:オス150-250kg メス120-182kg
寿命:15-20年 性成熟:2-3年
タテガミが短いのが特徴のインドライオン
タテガミが長いのが特徴のアフリカライオン
分布
ギル森林国立公園 野生生物保護区
インド (グジャラート州 ギル森林国立公園野生生物保護区)
インドライオンの特徴
インドライオンのオス(恩賜上野動物園 ) インドライオンは木がまばらに配置された施設で飼われることが多い。よこはま動物園ズーラシア
アフリカライオンは草原のような開けた施設で飼われることが多い。多摩動物公園
(アフリカに生息するライオンと比較してのインドライオンの特徴)
やや小柄。
体色が薄い。
体毛は密集している。
オスのタテガミも荒く短い。
腹部の皮膚に長いひだ状のたるみがある。
尻尾の房毛が長い。
主に林の中に住む。
単独で狩りをする。
食性は肉食であるが、昆虫類から爬虫類、小動物-大型草食獣までと多岐にわたる。草を食べる事もある。
生態
アフリカに生息するライオンは草原に生息し、主に群れで狩りを行う一方でインドライオンは森林 ・主に林の中に住み、狩りは単独で行う。動物園などの展示飼育においても生息地の状況を考慮している場所が多く、アフリカライオンは草原のような開けた施設で飼われているのに対し、インドライオンは木がまばらに置かれた施設に展示されていることが多い。
食性は肉食であり、シカ 、スイギュウ 、イノシシ 等の大型草食獣を主に捕食する。この他に昆虫類、爬虫類、草を食べる事もある。
アフリカに生息するライオンは20頭近いメスライオンを従え群れを作り、繁殖力が高いが、インドライオンは最盛期でも5-6頭程度にしかならない。
インドライオンの繁殖力は低く、約500回近い交尾で1回の出産となる。1回につき平均2-3頭を出産する。また生息地や個体数が限られているため遺伝的多様性 が低く、精子の70-80%が奇形と言われているのも低い繁殖力の要因のようである。
人間との関係
絶滅危惧
イラン や中東 での絶滅の原因は不明である。
インドでは、19世紀以前には1,000頭以上のインドライオンが生息していたが、狩猟や開発により頭数が激減し、1913年 には20頭までに減少した。その後、森林省当局の効果的な保護や努力の結果、ギル森林国立公園内のライオンの生息数が大幅な増加を記録し、2015年 現在では、523頭に増加し保護に成功した[ 3] 。
19世紀 後半までインドライオンとベンガルトラ は、インドの多くの地域で共存していたが、現在はインドライオンはギル森林国立公園野生生物保護区のみで生息している。他州の森林国立公園野生生物保護区にインドライオンを移す計画もあるが、ベンガルトラがインドライオンを殺すかもしれない懸念から計画は進んでいない。[ 4] 。
年
頭数
オス:メス:幼獣.
1968
177
-
1974
180
-
1979
261
76:100:85
1984
252
88:100:64
1990
249
82:100:67
1995
265
94:100:71
2000
327
-
2005
359
-
2010
411
97:162:152
2015
523
109:201:213
日本国内の飼育
よこはま動物園ズーラシアでは開園当初から飼育、3回の繁殖に成功している[ 5] 。
参考:ライオンの亜種
木の上に登っているインドライオンのメス(恩賜上野動物園 )
体の大きさや毛の長さ、体色などが地域によって異なるので下記の亜種があるとされている。アフリカに生息するライオン達の亜種とインドライオンの亜種では大きな違いがある為、アフリカライオンとインドライオンと分けての比較をした。
Panthera leo persica インドライオン
インドからイラン に分布。
現在はインドのギル保護区にのみ生息。イランは1930年に絶滅。
Panthera leo leo バーバリライオン
モロッコの首都ラバトに開園したラバト動物園に生息。
Panthera leo roosevelti アビシニアライオン
Panthera leo somaliensis ソマリライオン
Panthera leo senegalensis セネガルライオン
Panthera leo kamptzi カメルーンライオン
Panthera leo nyanzae ウガンダライオン
Panthera leo azandica コンゴライオン
Panthera leo hollisteri ビクトリアライオン
Panthera leo massaica マサイライオン
Panthera leo bleyenbergi アンゴラライオン
Panthera leo vernayi カラハリライオン
Panthera leo krugeri トランスバールライオン
Panthera leo melanochaita ケープライオン
学者・学説によっては同一種とする見方もある種も多い。
脚注
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
インドライオン に関連する
メディア および
カテゴリ があります。
外部サイト・参考資料