1960年代末から1972年にかけてドバイ中心部近くに建設した人工港・ラーシド港(英語: Port Rashid, アラビア語: ميناء راشد; mina'a rāšid)が成功を収めたドバイは、1970年代末からジュベル・アリ地区の海岸に新たな掘り込み式の人工港を建設し始めた。ジュベル・アリの町は1977年に建設され、当初は港湾の建設作業員である南アジアなどからの移民が主に住む寒村であった。
このうち、1985年に開設されたジュベル・アリ・フリーゾーン(Jebel Ali Free Zone, JAFZ)は港を取り囲むように設置された工業地帯で、立地した企業に対し様々な特恵を与えている。15年間の法人税減免、個人所得税なし、関税なし、取引通貨の制限なし、雇用契約の規制緩和などがその主なものである。ジュベル・アリ港およびジュベル・アリ・フリーゾーンは、ドバイを中東の物流および人的交流の中心地へと浮上させた原動力の一つでもある。アール・マクトゥーム国際空港(建設中の名称はジュベル・アリ国際空港、ドバイ・ワールド・セントラル国際空港など)もこの地区に建設されている。