ジエチルカルバマジン (Diethylcarbamazine;DEC)は、リンパ系フィラリア症 、熱帯性肺好酸球症 (英語版 ) 、ロア糸状虫症 (英語版 ) などのフィラリア症 の治療に使用される薬物である[ 1] 。また、リスクの高い場合のロア糸状虫症予防にも使用される事がある[ 1] 。オンコセルカ症 (河川盲目症)にも使用されているが、イベルメクチン が優先される[ 2] 。経口投与される[ 3] 。
一般的な副作用は、瘙痒 、顔面腫脹、頭痛 、疲労感 等である[ 3] 。その他の副作用としては、視力低下 、眩暈 等が挙げられる[ 3] 。妊娠中の治療薬として推奨されており、胎児にも安全であると思われるが[ 4] [ 5] 、世界保健機関(WHO)は、可能な限り妊娠後まで治療を待つことを勧めている[ 2] 。
ジエチルカルバマジンは、1947年に[ 6] 発見された[ 7] [ 8] 。WHOの必須医薬品リスト に掲載されている[ 9] 。日本では1951年2月より販売されている[ 10] :表紙 。米国では市販されていないが、疾病管理予防センター から入手できる[ 1] 。
効能・効果
DECは、Wuchereria bancrofti (英語版 ) 、Brugia malayi (英語版 ) 、Brugia timori (英語版 ) の感染 によるリンパ系フィラリア症、ロア糸状虫症、熱帯性肺好酸球症などのフィラリア症の患者の治療に適応される[要出典 ] 。フィラリア科 寄生虫症 であるオンコセルカ症にも有効である[要出典 ] 。
DECは、現在もリンパ系フィラリア症やロア糸状虫症患者の治療の中心的な存在である。また、DECはイヌの心臓病の予防にも使用されている[要出典 ] 。
現在、WHOはフィラリアのミクロフィラリアに感染している患者や、フィラリア症流行地での感染抑制のためにDECの処方を推奨している[要出典 ] 。
心臓病、胃腸病、アレルギー等の既往歴がある場合には禁忌とされる[要出典医学 ] 。
インド や中国 では、リンパ系フィラリア症対策として、食塩にジエチルカルバマジンが添加されている[ 11] 。
副作用
重大な副作用は、過敏症状(発熱 、リンパ節腫脹 、陰嚢腫脹 、浮腫 、瘙痒 、悪寒 、疝痛 、筋肉痛 、皮疹 、皮膚炎 、アレルギー性脳炎 等)である。眼 に症状が発生すると、失明 に至る危険がある[ 12] 。
作用機序
DECは、ミクロフィラリア (英語版 ) におけるアラキドン酸 代謝を阻害する。これにより、ミクロフィラリアは自然免疫の攻撃を受け易くなるが、寄生虫を完全に殺す事は出来ない[ 13] 。
参考資料
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外部リンク
“Diethylcarbamazine ”. Drug Information Portal . U.S. National Library of Medicine. 2022年1月15日 閲覧。