ジェボーン・ミンジー
ジェボーン・ミンジー(Jevaughn Minzie、1995年7月20日 ‐ )は、ジャマイカの陸上競技選手。専門は短距離走。100mで10秒02、200mで20秒37の自己ベストを持つ。リオデジャネイロオリンピック男子4×100mリレーの金メダリストである(予選のみ出場)。レーサーズトラッククラブ所属[2]。 経歴2011年4月に地元ジャマイカのモンテゴ・ベイで開催されたカリフタゲームズ (en) (U17)に出場すると、男子4×100mリレーと4×400mリレーでそれぞれ2走を務めて金メダル獲得に貢献。個人種目の100mは1位に0秒06及ばず、200mも0秒17及ばず共に銀メダルに終わったが、200mでは失態を演じてしまった。200m決勝の160m付近まで先頭を走っていたミンジーは、ウサイン・ボルトが2008年北京オリンピック100m決勝のゴール直前で見せたパフォーマンス(横を向き、両手を広げ、胸をたたきながらゴール)を真似るかのように、横を向いて両手を広げるパフォーマンスを行った。しかし、ボルトの時とは違いゴールまで距離があったことから後続のマシェル・セデニオに抜かれてしまい、急いで本気で走り直したものの追いつけなかった[3]。この行動で批判を浴びたミンジーは4×400mリレー決勝を走ることを志願し(本来のメンバーだった400mハードルの選手が怪我をしたため)、金メダル獲得に貢献した[4]。 2012年4月のカリフタゲームズ(U20)に出場すると、2走を務めた男子4×100mリレーで銀メダル獲得に貢献した。100mも当初は10秒33(+5.7)で銀メダルを獲得したが、レース後に他の選手から不正スタートがあったと抗議の声が上がり、最終的に失格の判定が下ってメダルは剥奪された[5]。 6月にジャマイカジュニア選手権(U18)に出場すると、男子100m決勝で今季U18世界2位の記録となる10秒28(+1.1)をマーク[6]。これはTamunosiki AtorudiboとRynell Parsonが持つU18世界最高記録(当時10秒23)に迫る記録であり、Jazeel Murphy(10秒27)に次ぐU18ジャマイカ歴代2位(当時)の記録となった[7][8]。 7月のバルセロナ世界ジュニア選手権(現・世界U20選手権)男子4×100mリレーに出場すると、3走を務めた決勝で38秒97のU20ジャマイカ記録を樹立。優勝したアメリカには0秒30及ばなかったものの銀メダル獲得に貢献した[9]。 2014年3月にチャンプス (en) (ジャマイカの高校選手権)に出場すると、クラス1(16-19歳の部)の男子100m決勝で10秒16(+1.3)をマーク。これはヨハン・ブレークが持つU20ジャマイカ記録(10秒11)に迫る歴代2位の好記録であり、同選手が持つ大会記録(10秒21)を上回るものだったが、10秒12をマークしたツァーネル・ヒューズに敗れ優勝を逃した[10][11]。200mは準決勝でウサイン・ボルトの持つ大会記録(20秒25)に迫る20秒37をマーク。同選手の持つU20ジャマイカ記録に次ぐ歴代2位の記録で決勝に進出すると、決勝を20秒50(-0.2)で制して初優勝を成し遂げた(準決勝で20秒32をマークしていたツァーネル・ヒューズは怪我のため決勝を棄権)[12]。 7月のユージーン世界ジュニア選手権は男子100mと200mと4×100mリレーの3種目に出場した。初出場となった2つの個人種目は、100mが今季U20世界ランキング4位(10秒16)、200mが今季U20世界ランキング3位(20秒37)ということもあり、メダル獲得が期待された[13]。しかし、100mは着順で決勝に進出するには0秒02、タイムで拾われて進出するには0秒05及ばず[14]、200mもタイムで拾われて決勝に進出するには0秒03及ばず[15]、両種目ともあと一歩のところで決勝進出を逃した。アンカーを務めた4×100mリレー決勝ではアメリカ(38秒70)、日本(39秒02)に次ぐ3位(39秒12)でメダルこそ獲得したものの、2002年大会から続いていた2位以内の記録が途切れる結果となった[16][17]。 2015年6月にジャマイカ選手権の男子100mに出場すると、予選を自己ベスト(当時10秒16)に迫る10秒18(+0.2)で突破[18]。しかし、準決勝は10秒75(-2.5)とタイムを落とし敗退した。シニア1年目のシーズンベストは100mが10秒18、200mが20秒72(+1.2)となり、自己ベストを更新することはできなかった。 2016年6-7月にジャマイカ選手権の男子100mに出場すると、予選で自己ベストを0秒01更新する10秒15(-1.1)、準決勝では更にタイムを縮める10秒07(-0.9)をマークして初の決勝に進出した。決勝はウサイン・ボルトが怪我で棄権したため7人でのスタートとなったが、自己ベストの10秒07は7人の中で1番遅いタイムだった(自己ベスト9秒台は5人)。しかし、今大会3レース連続の自己ベストとなる10秒02(+0.7)をマークし、ヨハン・ブレーク(9秒95)とニッケル・アシュミード(9秒96)には敗れたものの、アサファ・パウエルとケマー・ベイリー=コールに0秒01競り勝って3位に入った[19][20]。この結果、リオデジャネイロオリンピックの100mと4×100mリレーのジャマイカ代表に選出された[21]。 8月のリオデジャネイロオリンピックにはウサイン・ボルトが救済措置で男子100mと200mと4×100mリレーの代表に選出されたため[22]、100mには出場できなかった。しかし、4×100mリレーでは出番がまわってくると、予選でジャマイカチーム(ミンジー、アサファ・パウエル、ニッケル・アシュミード、ケマー・ベイリー=コール)の1走を務め、37秒94をマークしての決勝進出に貢献した(予選のみ出場)[23]。 2017年初出場となった4月の世界リレーでは男子4×100mリレー予選でジャマイカチームの3走を務めたが、2走のケマー・ベイリー=コールとのバトン交換に失敗し途中棄権に終わった[24]。 初の世界選手権ジャマイカ代表入りをかけて6月のジャマイカ選手権男子100mに臨んだが、準決勝で負傷し決勝に進出することができなかった[25]。 自己ベスト記録欄の( )内の数字は風速(m/s)で、+は追い風を意味する。
主要大会成績備考欄の記録は当時のもの
脚注注釈
出典
外部リンク
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