シンフォニア・フンガリカシンフォニア・フンガリカ(イタリア語: Sinfonia Hungarica、ハンガリー語: Magyar Szimfónia)は、ヤン・ヴァン・デル・ローストが2001年に作曲した吹奏楽のための交響曲[1]。日本では英語の発音風に「シンフォニア・ハンガリカ」と表記される場合も多い。 概要ハンガリーのキシュクンフェーレジハーザ吹奏楽団(Kiskunfélegyházi Koncert Fúvószenekar)の委嘱で作曲された[2]。2001年にオランダの出版社デ・ハスケ(De Haske Publications BV)から出版された楽譜には、指揮者のヤンコヴスキー・フェレンツ(Jankovszki Ferenc)、キシュクンフェーレジハーザ市長フィチョール・ヨージェフ(Ficsór József)、楽団代表キッシュ・ガブリエッラ(Kiss Gabriella)への献辞が記されている[3]。 ハンガリー王国の成立から1000年を記念し、ハンガリー建国の歴史に登場する3人の王をテーマにしている[4]。交響曲全体を通してハンガリー国歌の旋律とその変形や断片が、暗示的あるいは明示的に引用されている[5]。 演奏時間は約38分[1]。 初演2001年3月30日から4月1日にかけてハンガリー国内の3都市で行われた演奏会で作曲者の指揮により演奏された[6]が、公式な初演は2001年3月31日のブダペストでの演奏とされている[2]。 日本初演は同年6月5日に大阪市北区のザ・シンフォニーホールにて、秋山和慶の指揮、大阪市音楽団の演奏による[7]。 編成
構成ハンガリーの歴史上の王の名が付けられた3つの楽章からなる。各楽章の演奏時間は作曲者の指揮による初演の録音(参考文献参照)に基づく。 第1楽章「アッティラ!」295小節、13分6秒 フン族の王アッティラの攻撃的で残忍な性格を描く。共同統治者だった兄ブレダの英雄的な主題や、その妻リカの叙情的な主題を挟みながら、ピアノの内部奏法や木管楽器のキーの音、叫び声も用いて不気味さや激烈な侵略を表現している[7]。 第2楽章「アールパード」189小節、10分44秒 アールパード朝の祖で、ハンガリーの民族的英雄として今も愛されているアールパードを、穏やかで高貴な雰囲気で描いている[1]。 第3楽章「イシュトヴァーン」322小節、14分40秒 カトリックに改宗してローマ教皇シルウェステル2世から王冠を受け、ハンガリー王国の初代国王となったイシュトヴァーン1世を描く。王位継承の激しい戦いの後、ハンガリー国歌の旋律が「オルガンのように」現れ、壮麗な終結を迎える[7]。 脚注参考文献
外部リンク
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