サイトウ・キネン・オーケストラ
サイトウ・キネン・オーケストラは、長野県松本市で毎年8、9月に開かれるセイジ・オザワ 松本フェスティバル(旧称サイトウ・キネン・フェスティバル松本)で編成されるオーケストラ。運営は一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団[1]。 概要桐朋学園創立者の一人である齋藤秀雄の没後10年にあたる1984年、齋藤の弟子である小澤征爾と秋山和慶を中心に、国内外で活躍する齋藤の教え子たちが結集し、同年9月に東京と大阪で開かれた「齋藤秀雄メモリアル・コンサート」で特別編成された『桐朋学園齋藤秀雄メモリアル・オーケストラ』が母体のオーケストラである。 設立当初は、小澤・秋山の意思に共感した齋藤の門下生100名以上が国内外より集まり演奏会を開催。自主運営によるオーケストラのため、演奏家への出演料の支払いはなく無給出演という形で運営された。 1987年に、ヨーロッパ演奏ツアー(ウィーン、ベルリン、フランクフルト、パリ、ロンドン公演)を行い、1989年から1991年までヨーロッパとアメリカへのコンサートツアーを行う。1990年にザルツブルク音楽祭へ出演。 1992年5月に、財団法人サイトウ・キネン財団が設立。同年9月に、長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が開催される。以後、フェスティバルに合わせてオペラ・声楽曲の上演、シンフォニーコンサート、音楽塾を開催する他、東京でもコンサート活動を行っている。 世界的に高い評価を受けるオーケストラであり、2008年グラモフォン誌による"The world’s greatest orchestras"(世界のトップ20オーケストラランキング)で19位(日本から唯一の選出)に選ばれている[2][3]。 レコーディングは、フィリップス・レーベルとソニー・クラシカル・レーベルで行い、ベートーヴェン・ブラームス交響曲全集、チャイコフスキー・マーラー交響曲集、ストラヴィンスキーのオペラ『エディプス王』、J.S.バッハの『マタイ受難曲』と『ミサ曲ロ短調』などの作品を発表している。 年度ごとに編成されるオーケストラのため、各パートのメンバーは不定期出演。設立当初は齋藤の弟子や桐朋学園音楽部卒業生を中心にメンバー編成を行っていたが、近年ではメンバーの高齢化や演奏日程の都合などから、齋藤の孫弟子(小澤の弟子)や外国人演奏者(小澤の知人)の出演が多い。 小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラを指揮したまつもと市民芸術館(ライブ)歌劇「こどもと魔法」(ラヴェル作曲)を収めるアルバムが、2016年2月にグラミー賞最優秀オペラ録音賞を受賞した[4][5]。 2021年2月に一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団を設立[1]。小澤が指名した13人によるアドバイザリー委員会がプログラム作成、出演者選定、若手音楽家の育成を担う。なお、前述の公益財団法人サイトウ・キネン財団とは別組織である。 主なメンバー (現役・引退メンバー含む)
脚注注釈・出典
外部リンク
|