サイクロンZ (映画)
『サイクロンZ』(原題:飛龍猛将、英語題名:Dragons Forever)は1988年に公開されたアクション/コメディ/ロマンス映画。ゴールデン・ハーベスト製作、サモ・ハン・キンポー監督、ジャッキー・チェン主演。 概要ジャッキー・チェン、サモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウの「ゴールデン・トリオ」が3人揃って出演した作品は、本作以降製作されていない。『スパルタンX』で敵役を演じたベニー・ユキーデが再び敵役として出演している。 勧善懲悪のアクションだけでなく、主要キャラクターの恋愛や法廷劇が盛り込まれている。 ストーリー弁護士・ジャッキーは、水質汚染訴訟の被告人となった化学工場の弁護を担当するうち、化学工場の社長・ファーから、原告である養魚場の買収工作を依頼される。工場からの排水によって魚が次々と死ぬ被害が出ていたため、養魚場が化学工場に対し操業の停止を求めていたことから、ファーたちは養魚場の方を立ち退かせ、示談に持ち込もうともくろんでいた。 ジャッキーはブローカーのウォンに、養魚場の女社長・イップの懐柔を依頼する。ウォンはイップの隣家に引っ越し、資産家を装って接近する。一方ジャッキーは、私立探偵のトンに、イップの自宅に盗聴器を仕掛けるよう依頼する。互いに顔を知らないウォンとトンは、イップ邸で鉢合わせして取っ組み合いとなり、トンは泥棒と間違われて警察に逮捕される。 やがてウォンはイップと、ジャッキーはイップのいとこ・メイリンと、それぞれ相思相愛となる。ウォンは事前の計画通り、「養魚場を手放し、ふたりでオーストラリアへ移住しよう」とイップにプロポーズする。ある晩イップ邸に、釈放されたトンが現れ、逆恨みからジャッキーたちの計画をすべて明かしてしまう。イップとメイリンは怒り、ふたりを追い出す。 数日後の裁判所。水文学者であるメイリンは原告側証人として、水質汚染の観測データを証言する。被告側弁護人であるジャッキーは発言を求め、「偽証が禁じられている法廷だから聞きたい。あなたはまだ僕を愛していますか?」とたずねる。メイリンが戸惑いながら「はい」と答えると、ジャッキーは裁判長に向かって「審理の公正を期するため、原告側と恋愛関係にある私は本件から手を引きます」と宣言し、法廷を立ち去る。 計画を遂行しているうちに本当にイップが好きになったウォンは、ふたたびイップの前に現れ、誠意をもって謝罪し、「水質汚染の証拠を押さえる」と告げ、トンとともに化学工場へ向かった。化学工場に潜入後トンとはぐれたウォンは、麻薬を袋詰めしている現場を目撃する。ファーの化学工場は偽装で、実態は麻薬の製造工場だった。ファーの部下たちに見つかったウォンは監禁され、大量の麻薬を打たれて眠らされる。 裁判所を出たジャッキーとメイリンのもとにトンが現れ「ウォンが化学工場で行方をくらませた」と告げる。3人が工場へ向かうと、監禁場所を脱出した、変わり果てた姿のウォンが現れ、「ここは麻薬工場だ」と叫ぶ。ファーが「始末しろ」と号令をかけ、最後の戦いが始まった。 登場人物
キャスト・日本語吹替
スタッフ
製作
日本公開版日本公開版は、追加撮影されたアクションシーン[3]や、ジャッキー映画におなじみのエンドロールにおけるNGシーン集などのある独自仕様であった。この日本公開版にはユン・ピョウ扮するトンが強迫症のために精神分析医院に通院する2つのシーンが含まれ、世界最長のバージョンとなっていた[※ 1]。 後年発売されたDVDソフトは香港公開版準拠であった。前述の精神病院のシーンを含む日本公開版を収録したビデオグラムは、初期発売のカセットソフトのみで、長らく日の目を見なかったが、2012年に発売されたブルーレイソフトで、映像特典として日本公開版を日本語吹替音源とともに復刻収録された。 脚注注釈
出典外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia