コードネーム (ボードゲーム)
コードネームは、チェコのヴラーダ・フヴァチル(en)によって2015年に考案されたボードゲームである。通常2人以上からなる2つのチームの対抗で行われるが、2,3人で行う特別ルールも存在する。 ルールコードネームは、配置された25のコードネームの中からボスのヒントをもとに自分のチームのエージェントを探すゲームである。 プレイヤーは赤と青の2つのチームに分かれる。各チームは1人のボス(ヒントを提示する役)とその他のプレイヤー(ヒントをもとにコードネームを当てる役)に分かれる。 ゲームには「コードネームが書かれたカード」「解答の配置が書かれたカード」「正体を識別するカード」の3種類を使用する。 ゲームを始める前に、「コードネームが書かれたカード」を25枚選び5×5の形に配置する。各カードには「ネコ」「ニンジン」「衛星」などの言葉が書かれている。配置されたコードネームは、各チームのエージェント(先攻9枚・後攻8枚)・一般人(7枚)・暗殺者(1枚)のどれかになる。 ゲーム開始前に配置が書かれたカードを1枚選ぶ。このカードには5×5のマス目が描かれており、赤・青・褐色・黒の4色で塗られている。マスは並べられたコードネームに対応している。
このカードはボスだけが見られる。向きがわかるように、専用のスタンドが付属している。 各チームの手番のとき、ボスは自チームのエージェントを探すためのヒントを提示する。ヒントは「1単語」+「1つの数字」で構成される。単語はコードネームを探すための直接のヒントとなる。場に存在しない任意の単語を使用できる。数字はそのヒントから導かれる解答の数を表す。例えば「海外旅行」と「3」を提示した場合、「海外旅行」から推測される単語が3つある(例:「ドイツ」「飛行機」「大使館」)ことを意味する。数字は、そのターンにプレイヤーが選択できる単語数の上限を設定する。 ヒントが提示されたら、他のプレイヤーは場のカードの中から1つを指定する。
どの場合でも、指定されたコードネームの上に識別用のカードを置く。 自チームのエージェントをすべて見つけたチームが勝利となる。 ヒントの単語に関するルール
評価このゲームは2016年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞している。 ボードゲームギークのランキングでは、総合で17位、パーティーゲーム部門で1位になっている。 このゲームは少なくとも25の言語で発売されている。 コードネーム・ピクチャーズ2016年に続編となるコードネーム・ピクチャーズが発売された。カードが文字ではなくイラストになっており、配置されるカードの枚数も5×4枚に減っている。パッケージカラーはオレンジ。 ルールに関しては通常のコードネームとほぼ同じであるが、カードの形は長方形から正方形に変更されている。識別用カードも同じように変わっている。 また、追加ルールとして、「暗殺者エンディング」が追加された。説明書曰く、「ビリヤードのナインボールに近い」とのこと。 このルールを採用すると、暗殺者を選択した際も即ゲームオーバーにはならず、踏んでしまった場合も、ヒント無しで正解し続ければ生き残ることができる。 また、あるチームがすべて正解を導きだした時点で終了にもならない。最後に暗殺者となる場所を当てなければならない。 ちなみに、元の言葉を用いるコードネームを混ぜた場合、以下の遊び方ができるようになっている。
コードネーム・デュエット2017年、3作目(キャラクター等のコラボ除く)として、「コードネーム・デュエット」が発売された。パッケージカラーは緑。 デュエットは言葉版のコードネームを基にしており、新たな言葉のカードが両面印刷で200枚(400語)入っているため、この製品本体だけで遊ぶことが可能になっている。もちろん、既存のものと混ぜて遊んでも構わない、 元のコードネームは4人以上(2チームに分かれる)で対戦型であったが、デュエットの特徴として、その名前の通り「2人用」の「協力型」に大きくアレンジされている点が異なる。 それに伴い、プレイヤーの目標も、「お互いに持つ9つの正解を当ててもらう」というものに変更される。互いに9つの正解があるうち、3つは共通項の正解になっているため、25枚の中に指定されるべきカードが15枚存在する、ということになる。 デュエットになるにあたり、元のコードネームと以下の点で異なっている。
時間トークンデュエットには、専用コンポーネントとして「時間トークン」が入っており、両面印刷になっている。 時間トークンは、片方がフォルダにチェックマークの付いた、緑色の面、もう片方は通常のコードネームのような一般人のイラストの、亜麻色の面(追加用トークンは水色)になっている。 通常ゲームでは9つ使うが、熟練度に応じて、追加のトークンが2つあるため、それを足してもよい。 プレイヤーの「ターン」が終わるごとに、この時間トークンが1つ消費されていく。「ターン」というのは、片方が出題し、もう片方が正解を探す、という1回の手番を指す。 ターンが終了するのは、「正解を探す役割のプレイヤーが『パス』を宣言する」か、「『一般人』のカードを選ぶ」のどちらかになる。 『パス』を宣言する場合、少なくとも1枚を選んで正誤判定を行った後に宣言しなければならない。この場合、トークンの緑色の面を上にして、探す役割のプレイヤーの手元に置く。 一般人を選んでしまった場合、トークンの亜麻色の面を表にし、選んだカードの上に置く。この時、トークンには矢印が記されており、この矢印を「どちらから見て一般人なのか」を分かるように置いておく。これは、上記で説明した「配置カードが両面印刷」になっている仕組みのためである。よって、デュエットでは、「このトークンが2つ置かれて初めて正解でも暗殺者でもない」ことになる。 ターンが終わるたび、時間トークンが1つずつ消費されていく。ターンが終わるごとに、出題と回答を入れ替える。つまりどちらかは出題を1回多く行うことになる。プレイヤーの目的は「時間トークンを使い切ってしまう(厳密には、後述するエクストラターンを行って失敗する)までに、全体で15個ある正解を探すこと」である。つまり、クリアするためには9回中6回はいわゆる「2枚抜き」を成功せねばならない。 ただし通常のコードネームが、ヒントで指示された枚数+1までしか宣言できないのに対し、デュエットでは、間違えない限りいくらでも宣言ができる。極端に言えば、出題が「○○、2」でも、正解さえ続けてば9枚選ぶことができる。 時間トークンを使い切った場合、ここからエクストラターンに入る。この場合、追加のヒントは出さず、今までのヒントから推測して正解を探すことになる。交互に1つずつ選択し、失敗した場合に、初めてタイムオーバーによる敗北になる。 キャンペーンモード2人のプレイヤーで繰り返し遊ぶ場合、それを記録するためのシートが付属しているため、キャンペーンモードで遊ぶことが可能になった。起点となる都市からスタートし、クリアしたらその都市にチェックをつける。その後、線で結ばれたところのいずれかにジャンプし、全制覇を目指す。各都市には[x-y]の形式で、その都市の時間トークンについてのルールが記されている。 xは「今回使う時間トークンの個数」を示す。加えて、yは「使うトークンのうち、『一般人の面で置いておく』個数」を示す。例えば、8-3と記されている場合、8つの時間トークンを用意し、うち3つは一般人の面を上に向けておくことになる。 キャンペーンモードでは、一般人を選んだ際の処理が通常ルールと異なる。一般人の面で置いてあるトークンがあるならば、それを取り、通常と同じようにカードに置く。もしも一般人の面で置いているトークンが無い場合は、「時間トークンを2つ取って、一般人の面でそのカードに置く」。つまり、誤答の許容回数が指定されている。
また、デュエットに入っている単語カードは通常版のコードネームとともに混ぜて遊ぶことができる。ピクチャーズに差し替えて遊んでも、差支えはない。 コードネーム・ディズニー日本語版は2021年に発売された。パッケージカラーは青。通常版のコードネームのカードが、ディズニー用にすべて差し替えられており、ピクチャーズのような正方形のカードになっている。 このバージョンは、通常版とピクチャーズを平均したようなカードになっており、片面はディズニー映画のキャラクターやワンシーンなどの写真等が印刷されており、その裏は、それに関する単語が書かれている。 つまりこれ1つで、言葉版とピクチャーズ版の両方が楽しめる。 また、配置カードも、初心者用の4x4という、1周り小さいサイズのものが入っている。もちろん、5x5の通常と同じサイズも入っている。カードスタンドは、黒いミッキーマークのスタンドになっている。 通常のコードネームのルールと同じであるが、4x4のサイズの配置カードに限り「暗殺者」に当たる黒マスはどこにもない。ボードゲームに慣れていないプレイヤーがいる場合は、4x4で遊ぶことで、サドンデスの可能性を0にし、長く楽しむことができる。 外部リンク |