グス型エアクッション揚陸艇
グス型エアクッション揚陸艇(Gus-class LCAC)は、ソ連・ロシアで建造・運用されたエア・クッション型揚陸艇。公称船型は1205型「スカット」エアクッション上陸船(Десантные катера на воздушной подушке проекта 1205 «Скат»)。「グス」はNATOコードネームで、ロシア語でガチョウ(гусь)を意味する。 開発ソ連海軍は1930年代から高速を発揮するホバークラフトの軍用化を模索し、試作を続けていた。1969年、ソ連海軍省はアルマース中央海洋設計局に揚陸用ホバークラフトの設計を指示し、主任設計者L・V・オジモフとV.A.リトビネンコ二等艦長が設計を行った。 設計グス型エアクッション揚陸艇は民間向けのホバークラフトを元に製造された[2]、ソ連初の量産型エア・クッション型揚陸艇である[1]。 操舵室は艦体前方中央にあるが、操舵室が2ヶ所ある練習艇もある[1]。兵員室は艦体中央にあり、左右舷に2ヶ所ある昇降口から乗下艦する。 固有の兵装は無い[1]が、歩兵用の兵装であるAGS-17擲弾発射器1丁とPKT機関銃2丁を搭載した艇もあった[3]。 運用グス型エアクッション揚陸艇は、レニングラード(現・サンクトペテルブルク)のプリモルスキー造船所(現・アルマース造船会社)で4隻、フェオドシヤのモーリエ造船所で19隻、ゼレノドリスクのA・M・ゴーリキー記念ゼレノドルスク工場で6隻など、合計32隻が建造された[2]。本型はバルチック艦隊と黒海艦隊、太平洋艦隊、カスピ小艦隊に配備され、後に太平洋艦隊の艇は中国と国境を接するアムール小艦隊に再配備された。 1990年4月19日の5隻を皮切りに退役が始まり、2007年の時点で3隻のみ在籍していた[2]。同年6月22日にD-338とD-357(艦番号:634)が退役して全艇が退役した[3]。 参考文献関連項目 |