クレイロ(英語: Clairo、1998年8月18日 - )は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター。
Lo-Fi でプロデュースされた「Pretty Girl」(2017年)を YouTube に投稿したところ、3500万再生を突破。これを機に、彼女の知名度は急上昇した。
クレイロ曰く、「Pretty Girl」は1980年代のポップスに影響を受けて制作した。ベッドルーム・ポップと呼ばれる彼女のスタイルだが、意図的にこのスタイルになったわけではないという。「Pretty Girl」が注目を浴びた後、フェーダー・レーベル(英語版)と契約した[5]。
来歴
ジョージア州アトランタで生まれ[6]、マサチューセッツ州で育つ。
クレイロは13歳で曲のカバーを始め、インターネットでギターを独学。この時期に彼女のカバーの1つがMTVの目に留まり、番組のバックグラウンド・ミュージックの制作について連絡を受けた。使用はされなかったものの、実際のスタジオで経験を得て、ミュージシャンになることがただの夢ではなくなった。2017年にシラキュース大学に入学[7]。
クレイロが最初に注目を集めたのは、2017年後半に彼女の動画「Pretty Girl」であった[8]。もともとこの曲はトランスジェンダー法律センター(英語版)のためのインディー・ロック・コンピレーションのために制作した[5]。この曲の制作について彼女は「身の回りにあった機材を使った。小さいキーボードを使って、お母さんからの影響もあって80年代のポップスがすごく好きだったから、自分でも作ってみようと思った」と述べる[9]。彼女は、動画があれほど注目を集めたのは YouTube のアルゴリズムのおかげだという[5]。この曲を投稿する1か月前に YouTube に投稿した「Flamin Hot Cheetos」も、2018年7月には300万再生を突破[10]。
「Pretty Girl」の成功によってキャピトル・レコード、RCAレコード、コロムビア・レコードなどのメジャーレーベルから注目を集めたクレイロは、フェーダー・レーベルと12曲のレコード契約をした。ニューヨーク・タイムズによると、この契約はクレイロの父とジョン・コーエン(英語版)とのつながりのおかげである。彼はクレイロとフェーダー・レーベルの契約を成立し、チャンス・ザ・ラッパーのマネージャーでもあるパット・コーコランに紹介した[5]。
キャリア
クレイロは2017年10月に『The Fader』が投稿した記事で、一番影響を受けたアーティストはブロックハンプトン(英語版)だと述べる。彼らのDIYスタイルを尊敬しているという[9]。ネットではこれに対する批判が浮上した。クレイロは身内びいきによって成し遂げた成功で、本物のDIYアーティストではないという声が上がった[5][11]。
『Diary 001』と『Immunity』
2018年5月25日、クレイロのデビューEP『Diary 001』が Fader Label からリリース[12]。ピッチフォーク・メディアに記載されたレビューでは、このEPを機に身内びいきなどという噂は消滅するであろうと語られている[13]。この時、「Pretty Girl」は1500万再生を上回っていた[5]。ニューヨーク・タイムズに投稿された記事で、作家のジョー・コスカレッリはこの作品について「二つの世界をつなげている。「Pretty Girl」や「Flamin Hot Cheetos」のようなベッドルーム・ポップから、「4EVER」や「B.O.M.D.」のようにしっかりとした曲まで」[5]。リリース直後に全米ツアーを発表。そのうち複数日程ではデュア・リパのオープナーを務めた[14]。7月、ニューヨークのバワリー・ボールルーム(英語版)で行われたライブは完売した[10]。クレイロは2018年10月に開催されたロラパルーザに出演[15]2019年に開催されたコーチェラ・フェスティバルにも出演[16]。
2019年5月24日に1stシングル『Bags』をリリースし、デビューアルバムの『Immunity』を発表[17]『Immunity』は2019年8月2日にリリースされた[18]。
同年6月27日に『Immunity』から2ndシングル『Closer To You』をリリース。7月26日に3rdシングル『Sofia』をリリース[19]。
私生活
クレイロは、17歳の時に若年性特発性関節炎を発症した。
自身の性的指向については「完全に異性愛者ではない」と公表している[17]。
ディスコグラフィ
アルバム
EP
『Diary 001』 (2018) |
---|
# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 | プロデューサー | 時間 |
---|
1. | 「Hello?」(featuring Rejjie Snow) | | | Clairo | |
2. | 「Flaming Hot Cheetos」 | Cottrill | Cottrill | Clairo | |
3. | 「B.O.M.D.」(featuring Danny L Harle) | | | | |
4. | 「4Ever」 | - Cottrill
- I. Burns
- Eddie Burns
- Deaton Anthony
- Ashwin Torke
| - Cottrill
- I. Burns
- Eddie Burns
- Deaton Anthony
- Ashwin Torke
| | |
5. | 「Pretty Girl」 | Cottrill | Cottrill | Clairo | |
6. | 「How」 | Cottrill | Cottrill | Clairo | |
合計時間: | |
---|
- 「Do U Wanna Fall in Love?」 (2014)
- 「Have a Nice Day」 (2015)
- 「Late Show」 (2015)
- 「Aquarius Boy」 (2015)
- 「Metal Heart」 (2015)
- 「Moth Girl」 (2015)
- 「Growing」 (2015)
- 「Creased Laundry」 (2016)
- 「Brains a Bus Station」 (2016)
- 「Keel Her Split」 (2016)
シングル
リードアーティストとして:
年
|
タイトル
|
チャート
ピーク順位
|
アルバム・EP
|
NZHot[23]
|
2017
|
「Get with U」
|
-
|
アルバムなしのシングル
|
「2 Hold U」
|
-
|
「Flamin Hot Cheetos」
|
-
|
『Diary 001』
|
「Pretty Girl」
|
-
|
2018
|
「4EVER」
|
-
|
「Better」
(with SG Lewis)
|
-
|
アルバムなしのシングル
|
「Drown」
(with CUCO)
|
-
|
「Heaven」
|
-
|
『Skate Kitchen OST』
|
2019
|
「Sis」
|
-
|
アルバムなしのシングル
|
「Bubble Gum」
|
-
|
「Throwaway」
(with SG Lewis)
|
-
|
『Dawn』EP
|
「Bags」
|
35
|
『Immunity』
|
「Closer To You」
|
-
|
「Sofia」
|
36
|
フィーチャーアーティストとして:
年
|
タイトル
|
アルバム
|
2015
|
「Thinkin Abt U」
(Noah Burke feat. Clairo)
|
アルバムなし
|
2016
|
「Queen」
(PHF feat. Clairo)
|
『9MM』
|
2017
|
「How Was Your Day?」
(Mellow Fellow feat. Clairo
|
『Jazzie Robinson』
|
「Girl」
(Brennan Henderson feat. Clairo)
|
『Never Been Cool』
|
「You Might Be Sleeping」
(Jakob Ogawa feat. Clairo)
|
『Bedroom Tapes』
|
「Froyo」
(.hans. feat. Clairo)
|
アルバムなし
|
2018
|
「Midnight」
(Maxwell Young feat. Clairo)
|
『Daydreamer』
|
「Conducta」
(Osquello feat. Nofunbuster and Clairo)
|
アルバムなし
|
「Blue Angel」
(Danny L Harle feat. Clairo)
|
「Where Do We Go From Here?」
(Matt & Kim feat. Clairo, Kevin Morby and Fletcher C. Johnson)
|
『Almost Everyday』
|
「sum1 else」
(forgetmenot feat. Clairo)
|
アルバムなし
|
2019
|
「Are You Bored Yet?」
(Wallows feat. Clairo)
|
『Nothing Happens』
|
「February 2017」
(Charli XCX featuring Clairo and Yaeji)
|
『Charli』
|
他のチャート曲
年
|
タイトル
|
チャート
ピーク順位
|
アルバム・EP
|
NZHot[24]
|
2019
|
「Alewife」
|
38
|
『Immunity』
|
「Softly」
|
25
|
脚注
出典
- ^ “Clairo”. Hostess Entertainment Unlimited. 2020年12月28日閲覧。
- ^ Moore, Jacob (2017年9月29日). “Meet Clairo, the Lo-Fi Bedroom Singer/Songwriter Who Went Viral By Being Herself”. Complex. Complex Networks. 2020年12月28日閲覧。
- ^ Caramanica, Jon (2018年3月7日). “The New Indie Pop: Off-Kilter, Handmade, Whimsical and Emotional”. The New York Times. The New York Times Company. 2020年12月28日閲覧。
- ^ a b Donelson, Marcy. Clairo | Biography & History - オールミュージック. 2020年12月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g “Clairo’s ‘Pretty Girl’ Went Viral. Then She Had to Prove Herself”. The New York Times (May 23, 2018). December 06, 2019閲覧。
- ^ “Clairo: Growing Up, Love Songs, and Travis Scott - Beats 1”. YouTube (December 28, 2018). December 06, 2019閲覧。
- ^ “Meet Clairo, the YouTube Star Turning Teenage Awkwardness Into Viral Gold”. Pitchfork (January 16, 2018). December 06, 2019閲覧。
- ^ “Meet Clairo, the Lo-Fi Bedroom Singer/Songwriter Who Went Viral By Being Herself”. Complex (September 30, 2017). December 06, 2019閲覧。
- ^ a b “Clairo on “Pretty Girl” and making chill pop songs for the whole internet to enjoy”. Fader (October 19, 2017). December 06, 2019閲覧。
- ^ a b “The Curious Case of Clairo”. The Ringer (July 25, 2018). December 06, 2019閲覧。
- ^ “Clairo IRL”. Dazed (November 27, 2018). December 06, 2019閲覧。
- ^ “Clairo IRL”. Pitchfork (April 27, 2018). December 06, 2019閲覧。
- ^ “Diary 001 EP”. Pitchfork. December 06, 2019閲覧。
- ^ “Clairo Announces Tour”. Pitchfork. December 06, 2019閲覧。
- ^ “Lollapalooza 2018: Tyler the Creator, Bruno Mars, Lizzo Highlight Day Two”. Rolling Stone. December 06, 2019閲覧。
- ^ “Meet Clairo, the Carlisle native who’s playing Coachella”. Boston.com. December 06, 2019閲覧。
- ^ a b “Clairo Announces Debut Album Immunity, Shares New Song “Bags”: Listen”. Pitchfork. December 06, 2019閲覧。
- ^ “Clairo Shares Highly-Anticipated Debut Album 'Immunity'”. Hypebeast. December 06, 2019閲覧。
- ^ “Clairo drops new track “Sofia””. Fader. December 06, 2019閲覧。
- ^ “Billboard 200: August 17, 2019”. Billboard. December 06, 2019閲覧。
- ^ “ARIA CHART WATCH #537”. auspop. December 06, 2019閲覧。
- ^ “NZ Hot Singles Chart”. nztop40. December 06, 2019閲覧。
- ^ “NZ Hot Singles Chart”. nztop40. December 06, 2019閲覧。
- ^ “NZ Hot Singles Chart”. nztop40. December 06, 2019閲覧。
関連項目
外部リンク