株式会社キンレイ(Kinrei Corporation)は京都府京都市伏見区南浜町に本社を置く、冷凍食品の製造・販売を行う、大手日本酒メーカー・月桂冠株式会社の子会社である。
主に人気商品の「鍋焼うどん」をはじめとするスーパーマーケットやコンビニエンスストア向け冷凍調理麺の製造・販売を手がけている
現在のキンレイは法人として3代目に当たる。本項目では前身である1974年から1991年3月までの近畿冷熱と1991年4月から1998年3月までの初代、1998年4月から2014年3月までの2代目(旧・近畿海運/現・KRフードサービス)、および2014年4月に分割新設された3代目(現行会社)について述べる。
歴史
元々は大阪ガス系列の「近畿冷熱」(1974年創設)の元で運営され、海外から液体で輸入された天然ガスを気化する時に生じるマイナス162度の冷熱を有効活用する目的として、1975年に冷凍食品の製造を開始する。1977年に兵庫県西宮市甲子園に外食店第1号を出店したのに続き、1983年には東日本地区の販路確保のため東京事務所を開設した。1991年(平成3年)に近畿冷熱から分社・独立し、1993年(平成5年)の「かごの屋」第1号・宝塚店開店を皮切りに外食産業にも本格的に進出するようになった。
一時はロイヤル株式会社(現・ロイヤルホールディングス株式会社)との合弁会社「オージー・ロイヤル株式会社」[3]、出資比率は各50%)で関西地区のロイヤルホストを運営していたが、2004年(平成16年)3月までに提携関係は解消された[4]。
2005年(平成17年)に大阪ガスの経営見直しに伴い、キャス・キャピタル・ホールディングス・ワン株式会社の公開買付けによる全株式の譲渡・売却[5]が成立。
2012年(平成24年)4月にはオリックスが全株式を取得し、同社の子会社となった[6][7]。
2014年(平成26年)4月1日付けで食品事業会社と外食事業会社に分割し、新設する食品事業会社の全株式を月桂冠株式会社へ譲渡[8]。並びに外食事業会社の社名を「キンレイ」から「KRフードサービス」へ変更した(事業はオリックスが継続後、2015年6月にクリエイト・レストランツ・ホールディングスへ譲渡)[8][9]。
沿革
- 1974年(昭和49年) 近畿冷熱株式会社設立。
- 1975年(昭和50年) 冷凍食品の製造販売開始。
- 1977年(昭和52年) 兵庫県西宮市に外食店舗(甲子園店)を出店。
- 1978年(昭和55年) コンビニエンスストア向け冷凍調理麺「キンレイ鍋焼うどん」発売。
- 1991年(平成3年) (初代)株式会社キンレイ設立。
- 1993年(平成5年) かごの屋1号店(宝塚店、兵庫県宝塚市)オープン。
- 1995年(平成7年) 売上高100億円突破。
- 1998年(平成10年) 株式の額面金額の変更を目的として、休眠会社の近畿海運に吸収合併。(2代目)株式会社キンレイに商号変更する。
- 2000年(平成12年)9月 - JASDAQ市場に株式上場。
- 2005年(平成17年) キャス・キャピタル・ホールディングス・ワン株式会社の公開買付けで同社傘下に入る[5]。上場廃止。
- 2012年(平成24年)4月 オリックスが全株式を取得し、同社の子会社となる[6]。
- 2014年(平成26年)4月1日 食品事業と外食事業に企業分割し、食品事業を継承した(3代目)株式会社キンレイを設立。同時にわずか2年でオリックスグループより撤退し月桂冠の子会社となる[8]。
- 2014年(平成26年)7月1日 本社を京都府京都市伏見区南浜町(月桂冠株式会社本社内)に移転。
- 2014年(平成26年)8月 創業40周年を節目に新ブランド「なべやき屋キンレイ」を立ち上げる。文化啓発活動として、学生落語家と協力し、日本の伝統文化を継承している「和食“うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方に伝達していく「キンレイ心染(しんせん)プロジェクト」も同時に発足。2021年現在で大学落研15団体・総勢30名(2021年8月時点)が同プロジェクトに参加。高円寺演芸まつり・関東落研連合主催のイベント(「落研の夏フェス2020」[10]「落研グランプリ」[11])などに協力している。
事業所
- 京都市伏見区南浜町247 月桂冠株式会社本社内
- 東京都港区新橋6丁目14-3 御成門PREXビル2階
- 大阪市中央区道修町3丁目3-11 旭光ビル7F
工場
- 茨城県稲敷郡阿見町大字香澄の里13-5
- 大阪府岸和田市岸之浦町12-1
- 三重県亀山市白木町地内(亀山関テクノヒルズ工業団地)2024年4月稼働予定[12]
閉鎖した工場
- 大阪府高石市高砂3-7-2
キンレイが行う諸事業
近年ではプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスや、週刊誌「サンデー毎日」などとタイアップした企画商品も発売している。
コンビニ向け商品(食品事業カンパニー)
うどんシリーズ
- 鍋焼うどん
- DX鍋焼うどん
- カレーうどん
- えび天きつねうどん
- 野菜たっぷりうどん
- チゲ鍋うどん
- きつねうどん
- みそ煮込みうどん
- 過去の商品
- キムチうどん
- 韓国風肉うどん
- まろやかカレーうどん
- 名古屋風みそ煮込みうどん
- えび天ぷら鍋焼きうどん
- モモコのOH!ソレ!み〜よ!うどん(2006 - 2007年 関西テレビの番組とのタイアップ)
- キム兄おすすめ!具だくさんうどん(2006年木村祐一とのタイアップ商品)
- 友近おすすめ!具だくさんうどん(2007年9月発売 友近とのタイアップ商品)
- 桃屋のキムチの素使用 チゲうどん(2008年3月発売 桃屋とのタイアップ商品)
ほか多数
そば・ラーメンシリーズ
- あのなつかしの中華そば
- 具だくさんちゃんぽん
- 博多風とんこつラーメン(サンデー毎日とのタイアップ商品)
- 炒め野菜の醤油ラーメン(ラジオ番組「(有)チェリーベル」とのタイアップ商品)
- ラーメン横綱
- 家族亭三種のきのこそば
- 極みチャーシュー麺
- 過去の商品
- 炙り焼きチャーシュー醤油ラーメン
- 豚骨しょうゆラーメン
- 函館風塩ラーメン(2008年6月発売 サンデー毎日とのタイアップ商品)
ほか多数
レンジアップ商品
その他
過去の商品
- 冷凍生パスタ「Pappare(パッパーレ)」シリーズ
- プレーンフィットチーネ
- ほうれん草のフィットチーネ
スーパーマーケット向け商品
自社ブランドはお水がいらないシリーズが中心となっている[13]。
ストレートだしシリーズ
- だし香る鍋焼うどん
- コクと辛味のチゲ鍋うどん
- 炒め野菜の味噌ラーメン
専門店シリーズ
- ラーメン横綱 豚骨しょうゆ
- かごの屋 五穀うどん
- 家族亭 三種のきのこそば
料亭の匠シリーズ
内儀屋の中華シリーズ
その他
- 贅沢つけ麺
- 楽天イーグルスうどん
- あのなつかしの中華そば
- 信州風味噌煮込みうどん
かつて行っていた事業
外食事業
2014年(平成26年)4月1日付けでKRフードサービスとして分離[14]。
CM
テレビ・ラジオにおけるCMは近畿広域圏と関東広域圏の民放キー局で放送されている。なお、1980年代後期から1990年代前期までは千葉テレビ放送で流れていたこともある。
出演者
- 過去
ほか
スポンサー番組
脚注
- ^ “会社概要”. 株式会社キンレイ. 2023年9月10日閲覧。
- ^ a b c 株式会社キンレイ 第11期決算公告
- ^ その後「ロイヤル関西」に社名変更後、2011年当時の「ロイヤル東日本」に吸収合併、商号を「ロイヤルホスト」とし2021年に「ロイヤルフードサービス」に変更。
- ^ “キンレイ、オージー・ロイヤル株を譲渡、ロイヤルが子会社化”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2002年3月6日)
- ^ a b “キンレイ、TOB(全株式の公開買い付け)受け入れへ 取締役会で決議”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2005年9月30日)
- ^ a b “キンレイ、オリックス傘下へ 米田康三氏が社長就任”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2012年4月9日)
- ^ “キンレイのあゆみ”. 2012年6月29日閲覧。
- ^ a b c “キンレイ、月桂冠に食品事業売却 外食は社名変更し存続”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2014年2月7日)
- ^ 会社分割の実施及び食品事業カンパニーの株主変更と外食事業カンパニーの商号変更ならびに減資に関するお知らせ (PDF)
- ^ “~学生団体・関東落研連合が"3DAYSオンライン寄席"を開催!~「落研の夏フェス2020」へのサポートいたします。”. キンレイ (2020年7月28日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ 山本純子. “キンレイ協力、関東落研連合主催「落研グランプリ」オンライン開催 優勝は巳家法師さん”. 冷凍食品エフエフプレス. 2021年8月30日閲覧。
- ^ 国内3拠点目「亀山工場」地鎮祭を実施(2022年11月2日)
- ^ “キンレイ 「お水がいらない」、18年4~8月35%増と好調 今秋は「尾道ラーメン」発売”. 日本食品産業新聞社ニュースWEB. (2018年9月20日). https://www.ssnp.co.jp/frozen/230380/
- ^ “KRフードサービス、東京本部を移転”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2014年4月16日)
関連項目
外部リンク