キラー (Bullet Bill) は、任天堂が発売したコンピュータゲームソフトのシリーズ、マリオシリーズに出てくる架空のキャラクター。
概要
弾丸もしくは砲弾のような形をしたキャラクター。『スーパーマリオブラザーズ』で初登場。基本色は黒。シャークマウス風の2つの目に、手が付いている(『スーパーマリオランド2』と『スーパーマリオサンシャイン』ではシャークマウスも描かれている)。
攻撃時は「キラー砲台」(作品によっては「キラー大砲」)と呼ばれる専用の砲台から発射され、一直線に飛んで行く(壁もすり抜ける)という性質を持つ。キラー同士がすれちがった際は、そのまますり抜けて進む場合と互いに上下に避ける場合がある。また、砲台は基本的に双頭であるため、背後から飛んでくることもある。ただし砲台に密着している時や上に乗っている時は発射されないことが多い。『スーパーマリオブラザーズ』、『スーパーマリオブラザーズ2』、『スーパーマリオワールド』では、砲台がなくても画面外からキラーが飛んでくる箇所が存在する。基本的な設定は変更されていないが、作品によってはデザインが微妙に変わっている事がある。また、砲台は変化が著しく、2D系マリオでは『スーパーマリオブラザーズ』のようなドクロマークの書かれた砲台が登場することが多いが、3D系マリオでは足場などに大砲のみ取り付けられているものが多い。踏んで倒せるが、ファイアボールは効かない。
兵器同然に扱われている為、細かい人格設定はなされていない。その点、一種族として成長していったボム兵とは対照的である。
長年、中身は空(徹甲弾)で、踏めば倒せたが、最近では火薬が詰まり、着弾後に爆風が広がる物(榴弾)も登場し、こちらは踏めない。但し、『スーパーマリオサンシャイン』以降の作品では例外も存在し、「放物線を描いて飛んでいく」「チョロプーなどが発射している」「前面に追尾用のカメラが取り付けられている(一部は準備工事のみ)」などの、特別な設計がなされたミサイルタイプも登場している。『スーパーマリオサンシャイン』では色によって性質が分けられており、通常のキラーは黒で、紫はホーミング機能があり、金色は倒した時に落とすコインの枚数が多く、ラストボスのクッパ戦でのみ登場する青色は倒すと1UPキノコやポンプの水を補給するペットボトルを落とす。
基本的には砲台がある限り無限に発射され続ける(砲台は通常壊せないが、『New スーパーマリオブラザーズ』では巨大マリオで、『スーパーマリオメーカー』シリーズでは上からくつクリボーの靴の踏み付けで壊せる)。『スーパーマリオランド2』では、普通に踏むだけだと倒してもまた発射され、倒した敵としてカウントされないが、スピンジャンプで倒すと敵1匹を倒したことになり以降発射されなくなる。『スーパーマリオRPG』の沈没船でも、キラーをジャンプで踏んで落とすとそのキラーが出ていた砲台からはキラーが出てこなくなる(キラーの正面に接触すると、そのまま押されて下の足場に落とされる。沈没船とミニゲームのちくわブリッジ以外の場所に登場するキラーは触れると戦闘になる)。
『スーパーマリオワールド』では裏ステージに進むとマリオUSAに登場するドドリゲスのような姿になる。
『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』に登場するキラーは、本体・砲台共に緑色をしている。また、ヨッシーを狙うかのように砲台が回転し、壁に当たると方向を変える黄色いキラーも登場する。更にリメイク版の『スーパーマリオアドバンス3』では、発射された後にヨッシーに向かってくるホーミングタイプの赤いキラーが登場する(SFC版では本編には登場しないが、データ上は存在する)。
『マリオカートDS』以降のマリオカートシリーズではアイテムとして登場。使用するとキャラクターがキラーに変身し、相手を弾き飛ばしながら高速で進むことができる。『マリオカートDS』『マリオカート7』『マリオカート ツアー』では「キラーシップ」というコースも登場する。『マリオカート ダブルダッシュ!!』ではクッパJrの専用カートとして、『ツアー』ではノーマルのマシンとしてマグナムキラー(後述)を模した『マグナムカート』というマシンが登場するほか、『ツアー』では色違いのノーマルとしてマグナムサーチキラー(後述)を模した『マグナムサーチ』、ウルトラレアとして『シルバーマグナム』というマシンも登場している。『マリオカートWii』では「ロケットキラー」というハングオンタイプの小型バイクが登場する。最高速(スピード)、ドリフト走行、ミニターボの持続時間に優れている。
『スーパーマリオギャラクシー』では、出てくる全てのキラーがマリオを追尾するようになった。また、この追尾する特性を活かして、キラーを当てて爆発させなければ壊すことが出来ないグラスゲージなども多く存在する。しかし、『スーパーマリオギャラクシー2』では再び直進型も登場するようになった。
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』ではマグナムキラーがステージの「やくもの」(仕掛け)として登場。キャラの十数倍以上の大きさがあり、時々ゆっくり壁に激突し、めり込んで一定時間後に爆発する。とてつもない爆発力があり食らったらほとんどの場合吹っ飛んでしまう。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』のアドベンチャーモード「亜空の使者」および『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』のフィールドスマッシュでは、敵キャラとして登場。こちらは踏みつける事ができない。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では変化アイテムのひとつとして登場。使用したキャラがキラーに変身し、まっすぐ突進して攻撃する。
『マリオ&ソニック AT 北京オリンピック』ではミニゲームのキャラとして登場し、『マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック』では巨大化し、ライバルとして立ちはだかる。アドベンチャーツアーズでは雪のようせいのリーズの番人をしている。
『マリオパーティ8』では「キラーキャンディ」というアイテムとして登場し、使ったキャラの足をキラーに変える能力がある。この状態でライバルにぶつかるとそのライバルからスターを奪える。また、エクストラミニゲーム「いせきでパズル」にも登場。早く消さないと制限時間を減らしてしまう。
劇場版では、ジャンピングシューズのカートリッジとして登場。
各国の日本国外名
- 英語:ブレット・ビル(Bullet Bill)
- 韓国語:キロ(ハングル:킬러)
- 中国語:ジダン・ツケ(簡体字:子弹刺客)
派生(改良)型
- マグナムキラー(Banzai Bill / Bomber Bill)
- 『スーパーマリオワールド』『スーパープリンセスピーチ』『New スーパーマリオブラザーズ』『スーパーマリオギャラクシー』など多数の作品で登場。通常のキラーより数倍大きいキラー。発射音とともにいきなり現れる(巨大な砲台があることも)。大きさこそ段違いなものの、通常のキラーを踏んで倒せる作品では同様に踏んで倒すことができる。どの作品に出ても共通する特徴として、シャークマウスが描かれており、腕部は省略されている。
- 『マリオ&ルイージRPG3!!!』ではイベントでのみクッパが使用するが、この際に使う砲台は、部下数人がかりでなら移動させることが可能、点火は導火線を使うといった特徴がある。
- 斜めキラー
- 『スーパーマリオワールド』のワールド4の一部や『New スーパーマリオブラザーズ 2』の追加パックのコースで登場。
- ギラー(Bullet Biff)
- 『スーパーマリオランド』で登場。行動はキラーと同じ。火を噴出しながら、一直線に飛んでくる。
- デスキラー
- 『スーパーマリオRPG』で登場。下記のズドンマーク2がスペシャル技として稀に撃つキラー。即死効果がある。
- マグナム
- 『スーパーマリオRPG』で登場。最終ボスのカジオーがスペシャル技として稀に撃つキラー。性質はデスキラーと同じ。
- スーパーキラー(Bombshell Bill)
- 『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』で登場。体力・攻撃力が増したキラー。金色。
- スナイパーキラー(Sniper Bill)
- 『マリオ&ルイージRPG』で登場。クッパ城に登場する、砲台から発射されない唯一の少々大型のキラー。小型のキラーを発射できるスーパースコープを持っており、それを撃った後に時間差で突撃してくる。その名のとおり姿はまさに狙撃手(スナイパー)である。
- 『DX』では「シャテキラー」に名称変更された。
- キラー(怒)(Mad Bullet Bill)
- 『スーパープリンセスピーチ』で登場。スピードが増した赤いキラー。
- マグナムキラー(怒)(Mad Banzai Bill)
- 『スーパープリンセスピーチ』で登場。スピードが増した赤いマグナムキラー。
- キラー(ダークボコスカ)
- 『マリオ&ルイージRPG3!!!』で登場。ラストボス、ダーククッパの必殺技「ダークボコスカ」で登場するクッパ軍団を模した暗黒モンスター。空中を一直線に飛び、突進攻撃を仕掛けてくる。
- サーチキラー(Bull's-Eye Bill)
- 『スーパーマリオブラザーズ3』『New スーパーマリオブラザーズ Wii』『New スーパーマリオブラザーズ U』『Super Mario Run』『進め! キノピオ隊長』『ヨッシー ウールワールド』『スーパーマリオメーカー』シリーズで登場。赤く点滅するキラーで、プレイヤーを追尾する性質がある。初登場の『3』ではプレイヤーの上下を通り過ぎると反対方向に追尾するだけだったが、『Wii』以降では上下左右にも追尾するようになった。『ヨッシーアイランド』のリメイク作品である『スーパーマリオアドバンス3』の追加キャラにも、赤色で口を開閉しながら、ヨッシーを追尾してくるキラーが登場していた(因みに原作のSFC版にもデータ上に存在している)。
- マグナムサーチキラー(Bull's-Eye Banzai)
- 『New スーパーマリオブラザーズ Wii』『スーパーマリオメーカー2』で登場。発射される際、マリオと同じ高さまで移動するマグナムキラー。砲台が存在しない。
- ゴールドキラー
- 『New スーパーマリオブラザーズ 2』『マリオパーティ スターラッシュ』で登場。黄金に輝くキラー。プレイヤーがゴールドリングをくぐることで出現し、後ろにコインを付けた状態で進む。
- キングキラー(King Bill)
- 『New スーパーマリオブラザーズ Wii』『New スーパーマリオブラザーズ U』で登場。非砲台で発射される。キラー系の敵では規格外のビッグサイズを誇る、マリオシリーズ最大のキラー。画面外から突然出現し、ブロックを壊しながら一直線に進む。出現する場所や進む方向は決まっており、コインがキラー状に並んでいる場所に出現する。従来のキラーは殆どが踏みつけ、あるいは甲羅投げで倒せるものばかりだったが、この敵に限ってはスターによる無敵状態を含め一切の攻撃が通用せず、ゴールによるステージクリア以外で倒せない。
- しっぽキラー(Tail Bullet Bill)
- 『スーパーマリオ 3Dランド』で登場。タヌキのしっぽが生えたキラーで、飛んでいる最中にしっぽを振って攻撃してくる。その他の性質は普通のキラーと変わらない。踏むとスーパーこのは(または地蔵このは)が出現することがある。
- ネコキラー
- 『スーパーマリオ 3Dワールド』『スーパーマリオメーカー2』で登場。ネコの耳と尻尾がついたキラーで、サーチキラーと同様にプレイヤーに向かって発射される。踏むとスーパーベルが出現することがある。
- マグナムネコキラー
- 『スーパーマリオ3Dワールド』で登場。巨大なネコキラーで、サーチマグナムキラーと同様にプレイヤーに向かって発射される。
- クラウドキラー
- 『ヨッシー ウールワールド』で登場。ボディが白いキラー。飛行パターンは通常のキラーと同じだが、飛跡に雲を発射する。雲は一定時間で消えるが乗ることができる。
- ペラペラキラー
- 『ヨッシー ウールワールド』で登場。毛糸でできたキラー。結び目をほどくと現れる。
- キャプチャーキラー
- 『スーパーマリオオデッセイ』で登場。マリオにキャプチャーされたキラー。マリオの帽子を被り髭が生えている。
- キャプチャーマグナムキラー
- 『スーパーマリオオデッセイ』で登場。マリオにキャプチャーされたマグナムキラー。マリオの帽子を被り髭が生えている。
- パンツマグナムキラー
- 『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』で登場。ワールド2ー2のコースである「パンツバレー」では巨大なパンツに捕らえられてしまった巨大なキラー。実際は暴れた巨大なキラーが「初めての飛んでいないのが弱点」があるらしいと推測する。
- ロングキラー
- 『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』より登場。ミサイルのような長い胴体をしており、通常のキラーと同じ軌道に加えて実際のミサイルのような弾道軌道を描いて飛んでくる。プレイヤーに踏まれると推進力を失い降下していくが、ワンダーフラワー発動時はアクロバティック飛行のようにスモークを吹き、踏んでもそのまま飛び続ける。
近種
- トーピード(Torpedo Ted)
- 『スーパーマリオワールド』『スーパープリンセスピーチ』『スーパーマリオギャラクシー』『New スーパーマリオブラザーズ U』『マリオパーティ10』『スーパー マリオパーティ』で登場。名前を和訳すると魚雷で、その名のとおり水中用キラー。
- 全長はキラーの2倍以上。『スーパーマリオワールド』のものは水中の特定のポイントから発射され、徐々に加速していく上に発射間隔が短いという特性がある。ヨッシーで食べることはできないが、「ダメージを受けると乗り手を上へと飛び上がらせる」特性を生かせば、簡単に乗り切ることができる。
- 攻撃は効かないが、『スーパーマリオアドバンス2』(『スーパーマリオワールド』のリメイク)では、ルイージでヨッシーに乗っている場合のみ、他の敵を吐き出してぶつけることで倒せる。
- 『スーパーマリオギャラクシー』に登場するものは、近年多いキラーと同様に、着弾時に爆発する誘導弾となっている。また、同作では目が赤くなっている。
- トーピード(喜)(Glad Torpedo Ted)
- 『スーパープリンセスピーチ』に登場。スピードが増した金色のトーピード。
- サーチトーピード(Targeting Ted)
- 『New スーパーマリオブラザーズ U』に登場。マリオを追尾するようになった赤いトーピード。しかし、何かにぶつかると爆発する為、耐久性は低い。
個別
- キラー(マリオパーティアドバンス)
- 『マリオパーティアドバンス』で登場。初めて明確な人格を持ったキラー。キノコシティのキノコスタジアムを本拠とする世界最強のスプリンター。マリオたちと100M走で勝負する。
- 巨大キラー(Big Bullet Bill)
- 『マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック』で登場。通常よりサイズの大きいキラー。フェスティバルモードにて自分より速い相手を求めバンクーバー五輪のスケルトン会場に乱入、プレイヤーにスピード勝負を挑む。アドベンチャーツアーズでは、クッパの部下として雪のようせいの番人をしている。『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』では、ドリームホッピングのお邪魔キャラとして登場する。
砲台
- ギラー砲台
- 『スーパーマリオランド』で登場。ギラーを発射する砲台。通常のキラーと違い、土管から出てきてギラーを発射する。土管の横にいても上にいても出てくるが、砲台そのものにダメージ判定はない。
- バーナー砲台
- 『スーパーマリオブラザーズ3』で登場。キラーではなく火を出す装置。見た目には通常のキラー砲台にしか見えない。
- ホーミングキラー(仮名)
- 大砲・本体ともに金色のキラー。砲台が回転し、発射される際にプレイヤーを狙って打たれる。撃たれた後はホーミング機能はないが、壁などにぶつかるたびに跳ね返る。
- ズドン
- 『スーパーマリオRPG』で登場。キラー砲台。特定の場所にしか出現しない。
- ズドンマーク2
- 『スーパーマリオRPG』で登場。ズドンの上級種。
- スーパーキラーたいほう
- 『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』で登場。スーパーキラーに対応する砲台。
- ほうだい
- 『マリオ&ルイージRPG』で登場。
- エアほうだい
- 『マリオ&ルイージRPG3!!!』で登場。撃ってくるキラーは途中で見えなくなる。緑の卵のような敵が操っており、砲台を壊してもその敵がすぐに新しい砲台と交換する。
このほかにも『スーパーマリオRPG』のラストボスであるカジオーが顔を砲台に変形させることがある。また、『マリオ&ルイージRPG2』ではヘイホーの一種である「ヘイホーほう」「エリートヘイホーほう」がキラーを発射する砲台を持っている。
登場作品
その他
関連項目
- ボム兵 - キラーと同じくマリオシリーズを代表する武器・火器モチーフのキャラクター。