キャンド・ヒート (Canned Heat )は、1965年にロサンゼルス で結成されたアメリカ合衆国 のブルース およびロック ・バンドである。
ブルース音楽やそのオリジナル・アーティストへの関心を促す取り組みで知られ、その音楽と姿勢は多くの支持者を魅了し、ヒッピー 時代に人気となったものの1つとしての地位を確立した。1960年代の終わりにモントレー・ポップ・フェスティバル (1967年)とウッドストック・フェスティバル (1969年)に出演した。
略歴
キャンド・ヒートはブルース愛好家であるアラン・ウィルソン とボブ・ハイト によって発進され、トミー・ジョンソン の「キャンド・ヒート・ブルース (Canned Heat Blues)」(1928年)から名付けられた。同曲はエタノールを含むゼリー状の燃料であるスターノ を死ぬほど飲むようになったアルコール依存症の歌で、1914年のオリジナルの製品名「Sterno Canned Heat」から一般的に「キャンド・ヒート」と呼ばれている[ 1] 。後年、彼等はハイト(ボーカル)、ウィルソン(ギター、ハーモニカ、ボーカル)、ヘンリー・ヴェスタイン [ 注釈 1] [ 2] とその後のハーヴェイ・マンデル (リード・ギター)、ラリー・テイラー (ベース)、アドルフォ・デ・ラ・パラ (ドラム)からなるラインナップで世界的に有名になった。
キャンド・ヒートは、1960年代の終わりにほとんどの主要な音楽イベントに登場し、ブルースのスタンダード を自分達の楽曲とともに演奏し、時には長く「サイケデリック」なソロに耽ることもあった。「ゴーイン・アップ・ザ・カントリー 」(1968年)と「オン・ザ・ロード・アゲイン 」(1968年)は、国際的なヒット曲となった。「ゴーイン・アップ・ザ・カントリー」は、1927年にケンタッキー州ルイビルで録音されたヘンリー・トーマス の曲「Bull Doze Blues」のリメイク。「オン・ザ・ロード・アゲイン」は、1953年のフロイド・ジョーンズ の同名曲のリメイクで、1928年に録音されたトミー・ジョンソン の曲「Big Road Blues」に基づいていると伝えられる。1970年には、ウィルバート・ハリスン の「レッツ・ワーク・トゥゲザー 」を取り上げ、全英シングルチャート の最高位2位を達成した。
1970年代初頭以来、多くのメンバー・チェンジが発生した。1990年代と2000年代のほとんどの間、そして2019年にラリー・テイラーが亡くなった後、デ・ラ・パラはバンドにおける1960年代のラインナップの唯一残されたメンバーとなった[ 3] 。彼は2000年に、バンドでのキャリアについて『Living the Blues』というタイトルの本を書いた[ 4] 。マンデルや、ウォルター・トラウト、ジュニア・ワトソンは、バンド後期に演奏したことで名声を得たギタリストたちである。
メンバー
現在のメンバー
アドルフォ・"フィト"・デ・ラ・パラ (Adolfo "Fito" de la Parra) - ドラム、ボーカル (1967年– )[ 5] [ 6]
ジョン・ポーラス (John Paulus) - ギター (2000年–2006年、2013年、2014年– )
デイル・スポルディング (Dale Spalding) - ギター、ハーモニカ、ベース、ボーカル (2008年– )
リック・リード (Rick Reed) - ベース (2019年– )
ディスコグラフィ
スタジオ・アルバム
『キャンド・ヒート』 - Canned Heat (1967年、Liberty) ※旧邦題『エレクトリック・ブルースの王者 キャンド・ヒート登場』
『ブギー・ウィズ・キャンド・ヒート』 - Boogie with Canned Heat (1968年、Liberty)
『リヴィング・ザ・ブルース』 - Living the Blues (1968年、Liberty) ※旧邦題『これがブルース・ロックだ』
『ハレルヤ』 - Hallelujah (1969年、Liberty)
『フューチャー・ブルース』 - Future Blues (1970年、Liberty) ※旧邦題『未来のブルース』
『ヴィンテージ』 - Vintage (1970年、Janus)
『ヒストリカル・フィギュアとアンシェント・ヘッズ』 - Historical Figures and Ancient Heads (1971年、United Artists) ※旧邦題『ロックン・ロール'72』
『ザ・ニュー・エイジ』 - The New Age (1973年、United Artists)
『新たなる前進』 - One More River to Cross (1973年、Atlantic/WEA)
『ブギーの条件』 - Human Condition (1978年、Takoma/Sonet)
Kings of the Boogie (Dog House Blues) (1981年、Destiny)
Reheated (1988年、SPV)
Internal Combustion (1994年、AIM)
Canned Heat Blues Band (1996年、Ruf)
Boogie 2000 (1999年、Ruf)
Friends in the Can (2003年、Ruf)
Christmas Album (2007年、Ruf)
コラボレーション・アルバム
ライブ・アルバム
『ヨーロッパ '70』 - Canned Heat '70 Concert Live in Europe (1970年、Liberty) ※旧邦題『オン・ステージ』
『モニュメンタル・ライヴ』 - Live at Topanga Corral (1971年、Wand)
Captured Live (1980年、Accord)
Hooker 'n Heat, Live at the Fox Venice Theatre (1981年、Rhino)
Boogie up the Country (1987年)
Burnin' Live (1991年、SPV)
Boogie Assault (1991年、AIM) ※『Live in Oz』で再発あり
Canned Heat Live (1993年)
King Biscuit Flower Hour (1995年)
Live at Turku Festival (1995年)
Live at Montreux 1973 (2011年)
Illinois Blues 1973 (2015年)
Stockholm 1973 (2015年)
『カーネギー・ホール 1971』 - Carnegie Hall 1971 (2015年) ※with ジョン・リー・フッカー
『ソングス・フロム・ザ・ロード』 - Songs From The Road (2015年) ※2015年3月ドイツ収録
脚注
注釈
出典
参考文献
Charles Shaar Murray, Blues on CD: The Essential Guide (1993) ISBN 1-85626-084-4
Fito De La Parra, Living the Blues. Canned Heat's Story of Music, Drugs, Death, Sex and Survival (2000) ISBN 0-9676449-0-9
Boogie with Canned Heat: The Canned Heat Story , a documentary (on DVD, Eagle Ent., 2007)
外部リンク