カール・フランプトン(Carl Frampton、1987年2月21日 - )は、北アイルランドの元男性プロボクサー。ベルファスト出身。元WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級王者。元WBA世界フェザー級スーパー王者。元WBO世界フェザー級暫定王者。北アイルランドのボクサーで初めての世界2階級制覇王者。アウトボクシングを器用にこなし、右のカウンターフックで倒すことも出来る選手。愛称はThe Jackal(ジャッカル)とBrick Fists(煉瓦の拳)。
来歴
アマチュア時代
大きな実績は無いが、アマチュア時代の戦績は100勝以上して8敗。
プロ時代
2009年6月12日、リヴァプールのリヴァプール・オリンピアでデビュー戦を行い、初回にダウンを奪うと2回にも2度ダウンを奪ってレフェリーストップがかかり試合終了。2回2分3秒TKO勝ちでデビュー戦を白星で飾った。
2010年12月3日、ベルファストのアルスター・ホールでゲビン・レイドとBBBofCケルトスーパーバンタム級王座決定戦を行い、2回2分29秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2011年6月4日、ウェールズカーディフのモーターポイント・アリーナ・カーディフでロビー・ターキーと対戦し、10回3-0(98-91、96-93、98-92)の判定勝ちを収めBBBofCケルト王座の初防衛に成功した。
2011年9月10日、ベルファストのオデッセイ・アリーナでコモンウェルスイギリス連邦スーパーバンタム級王座決定戦をマーク・クオンと対戦し4回にダウンを奪うと最後はレフェリーストップを呼び込み試合終了。4回1分11秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2012年1月28日、ロンドンのヨーク・ホールでクリス・ヒューズと対戦し、7回にダウンを奪うとそのままレフェリーストップがかかり試合終了。7回48秒TKO勝ちを収めコモンウェルス王座の初防衛に成功した。
2012年3月17日、シェフィールドのモーター・ポイント・アリーナ・シェフィールドでプロスパー・アンクラーと対戦し2回2分45秒KO勝ちを収めコモンウェルス王座の2度目の防衛に成功した。
2012年5月26日、ノッティンガムのノッティンガム・アリーナでIBF世界スーパーバンタム級10位のラウル・ヒラレスとIBFインターコンチネンタルスーパーバンタム級王座決定戦を行い、12回3-0(120-108、2者が119-109)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。
2012年9月22日、ベルファストのオデッセイ・アリーナで元IBF世界スーパーバンタム級王者でIBF世界スーパーバンタム級11位のスティーブ・モリターと対戦。モリターがスリップダウンを6度もするハプニングこそあったが3回、4回、6回にそれぞれ1度ずつ計3度のダウンを奪うとレフェリーストップがかかり試合終了。6回2分21秒TKO勝ちを収めIBFインターコンチネンタル王座の初防衛、コモンウェルス王座の3度目の防衛に成功した。
2013年2月9日、ベルファストで後のIBF世界スーパーバンタム級王者のキコ・マルチネスと対戦。強打者マルチネスと激しい打ち合いになり、序盤は互角の展開になったが、3回になるとペースを少しずつ握り出し9回右のカウンターフックがマルチネスに炸裂しダウンを奪った。マルチネスは起き上がり続行の意思を示すもレフェリーがふらつくマルチネスを見て続行すると危険と確認しストップがかかり試合終了。9回2分46秒TKO勝ちでIBFインターコンチネンタル王座の2度目の防衛に成功、EBU王座の獲得にも成功し、フランプトンはIBF世界スーパーバンタム級12位から4位に大躍進、一方マルチネスは8位から15位に落とした。観戦に訪れていたWBA世界スーパーバンタム級王者スコット・クィッグとの対戦を期待するファンが多かった。
2013年10月19日、ベルファストでジェレミー・パロディと対戦し、6回右ボディーショットを放つとパロディは悶絶しそのままカウントアウトで試合終了。6回2分59秒KO勝ちを収めIBFインターコンチネンタル王座の3度目、EBU王座の初防衛に成功した。
2014年4月4日、ベルファストのオデッセイ・アリーナで元世界2階級制覇王者ウーゴ・カサレスとWBC世界スーパーバンタム級決定戦を行い、2回1分38秒KO勝ちを収めレオ・サンタ・クルスへの挑戦権を獲得した[1]。
2014年9月6日、ベルファストのタイタニック・クオーターでIBF世界スーパーバンタム級王者のキコ・マルチネスと再戦し、12回3-0(2者が119-108、118-111)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[2]。
2015年2月28日、オデッセイ・アリーナで指名挑戦者のクリス・アバロスと対戦し、初回から圧倒し2回にいきなりストップ寸前まで追い詰め最後は追撃したところでアバロスが脇腹の異常をレフェリーに訴えストップ。5回1分33秒TKO勝ちを収め初防衛に成功した[3]。試合後リングサイドで観戦したクィッグとリングでインタビューに応じ年内に王座統一戦を実現させることをファンに誓った。イギリスの地上波放送局ITVがこの試合を放送して110万人が視聴した[4]。
2015年5月28日、アル・ヘイモンとアドバイザー契約を交わしたことを発表[5]。
2015年7月18日、テキサス州エルパソのドン・ハスキンス・コンベンションセンターでIBF世界スーパーバンタム級13位のアレハンドロ・ゴンザレス・ジュニアと対戦。いきなり初回に2度のダウンを喫するが立て直し、ゴンザレスはローブローで2度減点され、12回3-0(2者が116-108、115-109)の判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した[6]。
2016年1月3日、WBAは同年2月7日にスコット・クィッグとカール・フランプトンの間で行われる王座統一戦の勝者(引き分けた時はクィッグ)はWBA世界スーパーバンタム級休養王者ギレルモ・リゴンドウと王座統一戦を行うよう指令を出した[7][8]。
2016年2月27日、マンチェスターのマンチェスター・アリーナでWBA世界スーパーバンタム級王者スコット・クィッグと王座統一戦を行い、クィッグの後半の追い上げを振り切り12回2-1(2者が116-112、113-115)の判定勝ちを収め王座統一に成功、IBF王座は3度目の防衛、WBA王座獲得に成功した[9][10]。
2016年2月29日、WBAは改めてカール・フランプトン対スコット・クィッグの勝者に対しWBA世界スーパーバンタム級休養王者ギレルモ・リゴンドウと王座統一戦を行うよう指令を出したが、フランプトンはWBA世界フェザー級スーパー王者レオ・サンタ・クルスとの対戦を希望した[11][12]。3月21日、WBAの2016年2月度の月間優秀選手賞に選出された[13][14]。
2016年4月7日、WBAはWBA世界スーパーバンタム級休養王者ギレルモ・リゴンドウと王座統一戦を行うことを条件にクィッグ戦を承認したにもかかわらず、クィッグ戦に勝利したフランプトンがリゴンドウとの王座統一戦に応じようとしなかった為、フランプトンからWBA世界スーパーバンタム級スーパー王座を剥奪した[15][16][17]。
2016年4月28日、フランプトンは2階級制覇を目指す為、IBF世界スーパーバンタム級王座を返上した。
2016年7月30日、バークレイズ・センターでWBA世界フェザー級スーパー王者レオ・サンタ・クルスと対戦し、12回2-0(114-114、116-112、117-111)の判定勝ちを収め2階級制覇を達成した[18][19][20]。この試合でフランプトンは50万ドル(約5千万円)、サンタ・クルスは100万ドル(約1億円)のファイトマネーを稼いだ[21]。
2016年8月11日、WBAはフランプトンをWBAの2016年7月度の月間MVPに選出した[22][23][24]。
2016年12月30日、PBCがフランプトンを2016年のPBCファイター・オブ・ザ・イヤーに選出した[25]。
2017年1月17日、リングマガジンはフランプトンを2016年度のリングマガジン ファイター・オブ・ザ・イヤーに選出した[26][27]。
2017年1月28日、MGMグランド・ガーデン・アリーナで元WBA世界フェザー級スーパー王者でWBA世界フェザー級2位のレオ・サンタ・クルスと再戦し、プロ初黒星となる12回0-2(113-115×2、114-114)の判定負けを喫し初防衛に失敗、王座から陥落した[28][29][30]。この試合でフランプトンは100万ドル(約1億1千万円)、サンタ・クルスは90万ドル(約1億円)のファイトマネーを稼いだ[31]。
2017年7月28日、翌29日にベルファストのSSEアリーナでWBC世界フェザー級8位のアンドレス・グティエレスとWBC世界フェザー級挑戦者決定戦を行う予定だったが、前日計量でフランプトンがフェザー級の規定体重である126ポンドを1ポンド超過の127ポンドを計測し計量失格、さらにグティエレスがホテルでシャワーを浴びようとして転倒し歯を数本折り鼻やアゴを深くカットしたため試合は中止となった[32][33]。
2017年9月24日、バリー・マクギガンのサイクロン・プロモーションズを離脱してフランク・ウォーレンのクィーンズ・ベリープロモーションズと契約。また、トレーナーもバリー・マクギガンの息子のシェーン・マクギガンからジェイミー・ムーアに変更した[34]。
2017年11月18日、ベルファストのSSEアリーナでオラシオ・ガルシアとフェザー級10回戦を行い、7回にダウンを奪われるが10回3-0(98-93、97-93、96-93)の判定勝ちを収め再起した[35][36]。
2017年11月26日、バリー・マクギガンがサイクロン・プロモーションズを離脱したのは契約違反であるとしてフランプトンに対して訴訟を起こした[37]。
2018年4月21日、ベルファストのSSEアリーナで元5階級制覇王者でWBO世界フェザー級8位のノニト・ドネアとWBO世界フェザー級暫定王座決定戦を行い、12回3-0(3者とも117-111)の判定勝ちを収めWBAに続く王座獲得に成功した[38][39]。
2018年12月22日、マンチェスター・アリーナでIBF世界フェザー級王者のジョシュ・ワーリントンと対戦し、12回0-3(113-116、112-116×2)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[40]。
2019年3月17日、ボブ・アラムのトップランク社と契約を結んだ[41]。
2019年8月10日、エマニュエル・ドミンゲスと対戦予定だったが試合4日前の8月6日に滞在していたホテルのロビーで、飾ってあったコンクリート製の柱の装飾品が倒れてきてフランプトンの左手を直撃し、左手小指の中手骨を骨折したために試合欠場となった[42]。
2019年11月30日、ラスベガスのザ・コスモポリタン内チェルシー・ボール・ルームでテイラー・マクレアリーとスーパーフェザー級10回戦を行い、10回3-0(3者共100-88)の判定勝ちを収めスーパーフェザー級転向戦を制した[43][44]。フランプトンはこの試合中に、ホテルロビーの事故で骨折した左手小指の中手骨を再び骨折、さらに右手中指の中手骨も骨折して手術を受けた[45][46]。
2020年11月、サイクロン・プロモーションズを離脱した際にバリー・マクギガンから起こされていた訴訟が和解に達した[47]。
2021年4月3日、ドバイにてWBO世界スーパーフェザー級王者ジャメル・ヘリングと対戦。5回に1度、6回にも1度ダウンを奪われ、立ち上がるもヘリングがパンチをまとめるとフランプトンのコーナーがタオルが投入してTKO負け[48]。試合後にリング上のインタビューでフランプトンは引退を表明した[49]。
獲得タイトル
脚注
関連項目
外部リンク