オルカ (映画)
『オルカ』(Orca)は、1977年のマイケル・アンダーソン監督によるアメリカ・イタリア合作のパニック映画。 概要1975年の映画『ジョーズ』の大ヒット後、その影響で多数製作された動物パニック映画の一本にあたる。日本においては、「マリーン・サイエンス」または「Scientific・Panic・Adventure・Cinemaの頭文字を取った“スパック(SPAC)・ロマン”というカテゴリーの映画」との触れ込みで公開された。シャチを「本能で行動する獰猛な野生動物」ではなく「高い知能を持ち、家族愛から復讐する」と設定するなど、他の動物パニック映画とは趣が異なる。 製作は『キングコング』(1976)で知られるディノ・デ・ラウレンティス。 脚本はルチアーノ・ヴィンチェンツォーニが海洋学者の弟の助言を参考に書き上げた[2]。 1200万ドル強と1年2ヶ月を費やして制作され[2]、酒豪であるリチャード・ハリスは禁酒して撮影に臨んだ[2]。 タイトルの『オルカ』はシャチの学名であるOrcinus orcaから取られている。 日本では同時期に公開された『カプリコン・1』と共に東宝東和創立50周年記念作品として[3]上映されている。 国内ビデオ版ではエンディングのボーカルが省かれていた[2]が、DVD版では英語音声時のみ流れるようになった。 ストーリーアイルランド人の船長ノーランは、サメを捕獲して水族館に売る計画を立てた。彼の船にはベテラン船員のノバックと若いポール、ポールの恋人のアンが乗り込んでいた。カナダ・ニューファンドランド島に到着したノーランは、巨大で美しいオルカ(シャチ)を目撃し、オスのオルカを生け捕りにしようとするが、誤って隣にいた妊娠中のメスのオルカに銛を撃ってしまい、お腹にいる子供もろとも死なせてしまう。 妻子を失ったオスのオルカは、ノーランの船を攻撃してノバックを殺した。現地調査中だった海洋生物学者のレイチェルはノーランに、オルカが人間と同等以上の知性を持ち、家族の死を悲しんで復讐心に燃えているのだと語った。 オルカは容赦なく港を攻撃し、漁民の船や町の施設を破壊した。ノーランは、部下だけは陸路で帰そうとしたが、漁港の人々はそれを許さず、遂にはアンが足を噛み千切られた。救急搬送されたアンに代わって、レイチェルらが乗り込んだ船は、オルカの待つ海に出港した。 ノーランらを従えて一路、北極海を目指し北上するオルカ。氷山の多い危険な海域で、乗組員たちは一人また一人と死んで行った。遂にはノーランとレイチェルだけとなり、沈みかけた船から氷山に乗り移る二人。ノーランはオルカとの死闘に破れ、救難信号で駆け付けたヘリコプターが発見したのは、レイチェル一人きりだった。 キャスト
※TBS版の日本語吹替はDVD&BD収録 スタッフ
その他石原プロモーション製作のテレビドラマ『大都会 PARTII』の第44話『殺人捜査』(1978年1月31日放送)では、容疑者がアリバイとして本作を映画館で鑑賞していたというシーンがあり、本作の日本向けポスターも登場している。 また、作中のシャチを演じたうちの1頭である「キアヌ」は、のちに日本のワールドサファリ(現・アドベンチャーワールド)に搬入されショーに出演した[4]。 脚注外部リンク |
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