オリンピアコ・スタディオ(2004年アテネ)
オリンピック・スタジアム (Olympic Stadium )は、主に近代オリンピック のメインスタジアムに使われた競技場。開催後も名称の一部としてオリンピックスタジアムと呼ばれる競技場も多い。聖火台 が置かれ、開会式 ・閉会式のほか、陸上競技 やサッカー の決勝戦などにも用いられる場合がある。国際オリンピック委員会 (IOC)の基準では、開閉会式や陸上競技などを行う会場(メインスタジアム )は、夏季五輪で「6万席」が最低基準になっているという[ 1] [ 2] [ 3] [ 4] [ 5] 。
既存施設を五輪用に改修したり[ 6] 、一部の観客席 を仮設としておき、五輪終了後に規模を縮小したり[ 7] するパターンもある。近年の大会のメインスタジアムは屋根付きが増えているが、2012年ロンドンオリンピック のオリンピック・スタジアム は、座席全体のうち前方の約40%が屋根に覆われていない構造だったともいわれる[ 8] 。開閉式屋根を断念した例では、1976年モントリオールオリンピック のモントリオール・オリンピック・スタジアム や、2008年北京オリンピック の北京国家体育場 (コスト削減や安全面への配慮で中止)、2020年東京オリンピック の東京オリンピックスタジアム (主として費用ヘの懸念のため)[ 9] などがある[ 10] 。
総工費は、1996年・アトランタが約300億円[ 11] 、2000年・シドニーが約510億円[ 12] 、2008年・北京が約540億円[ 12] 、2012年・ロンドンが約610億円[ 12] [ 13] 、2016年・リオが約550億円[ 14] で、2020年・東京は1490億円となる。
2016年・リオのエスタジオ・ド・マラカナン は、サッカー専用競技場がメインスタジアムに使われる例では五輪初とされる。
主なスタジアム
夏季および冬季会場
開閉会式会場となった競技場を中心に記す。
年
スタジアム
都市 (大会)
国
建設
収容 人員
現状
1896
夏
パナシナイコスタジアム
アテネ
ギリシャ王国
既存
80,000
現存
1900
夏
ヴェロドローム・ド・ヴァンセンヌ
パリ
フランス共和国
既存
50,000
現存
1904
夏
フランシス・フィールド
セントルイス
アメリカ合衆国
既存
19,000
現存
1906
夏
パナシナイコスタジアム
アテネ
ギリシャ王国
既存
80,000
現存
1908
夏
ホワイトシティ・スタジアム
ロンドン
イギリス
新設
68,000
閉鎖
1912
夏
ストックホルム・スタディオン
ストックホルム
スウェーデン
新設
20,000
現存
1920
夏
アントウェルペン・オリンピスフ・スタディオン
アントワープ
ベルギー
新設
12,771
現存
1924
冬
スタッド・オランピック・ド・シャモニー (英語版 )
シャモニー
フランス共和国
新設
45,000
現存
1924
夏
スタッド・オランピック・イヴ=ドゥ=マノワール
パリ
フランス共和国
既存
45,000
現存
1928
冬
サンモリッツ・オリンピック・アイスリンク (英語版 )
サンモリッツ
スイス
新設
現存
1928
夏
アムステルダム・オリンピスフ・スタディオン
アムステルダム
オランダ
新設
31,600
現存
1932
冬
レークプラシッド・オリンピック・スケーティング・リンク (英語版 )
レークプラシッド
アメリカ合衆国
新設
7,500
現存
1932
夏
ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム
ロサンゼルス
アメリカ合衆国
既存
101,574
現存
1936
冬
グロッセ・オリンピアシャンツェ (ドイツ語版 )
ガルミッシュ=パルテンキルヒェン
ドイツ国
既存
現存
1936
夏
ベルリン・オリンピアシュタディオン
ベルリン
ドイツ国
新設
110,000
現存
1948
冬
サンモリッツ・オリンピック・アイスリンク
サンモリッツ
スイス
既存
現存
1948
夏
ウェンブリー・スタジアム
ロンドン
イギリス
既存
82,000
閉鎖
1952
冬
ビスレット・スタディオン
オスロ
ノルウェー
既存
20,000
現存
1952
夏
ヘルシンキ・オリンピックスタジアム
ヘルシンキ
フィンランド
既存
70,000
現存
1956
冬
スタディオ・オリンピコ・デル・ギアッチョ (英語版 )
コルティナダンペッツォ
イタリア
新設
12,000
現存
1956
夏
メルボルン・クリケット・グラウンド
メルボルン
オーストラリア
既存
100,000
現存
1960
冬
ブライス・アリーナ
スコーバレー
アメリカ合衆国
新設
8,500
閉鎖
1960
夏
スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ
ローマ
イタリア
既存
90,000
現存
1964
冬
ベルクイーゼルシャンツェ
インスブルック
オーストリア
既存
12,000
現存
1964
夏
国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
東京
日本
改修
71,556
閉鎖
1968
冬
スタッド・オランピック・ド・グルノーブル (英語版 )
グルノーブル
フランス
仮設
60,000
閉鎖
1968
夏
エスタディオ・オリンピコ・ウニベルシタリオ
メキシコシティ
メキシコ
既存
83,700
現存
1972
冬
真駒内屋外競技場 (開会式)
札幌
日本
新設
30,000
現存
真駒内屋内競技場 (閉会式)
10,770
1972
夏
ミュンヘン・オリンピアシュタディオン
ミュンヘン
西ドイツ
新設
80,000
現存
1976
冬
ベルクイーゼルシャンツェ
インスブルック
オーストリア
既存
現存
1976
夏
モントリオール・オリンピック・スタジアム
モントリオール
カナダ
新設
70,000
現存
1980
冬
レークプラシッド・エクウェストリアン・スタジアム (英語版 ) (開会式)
レークプラシッド
アメリカ合衆国
仮設
30,000
閉鎖
オリンピック・センター・アリーナ (閉会式) (ハーブ・ブルックス・アリーナ)
新設
10,000
現存
1980
夏
ルジニキ・スタジアム
モスクワ
ソビエト連邦
既存
103,000
現存
1984
冬
アシム・フェルハトヴィッチ・ハセ競技場
サラエボ
ユーゴスラビア
既存
50,000
現存
1984
夏
ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム
ロサンゼルス
アメリカ合衆国
既存
92,516
現存
1988
冬
マクマーン・スタジアム
カルガリー
カナダ
既存
38,205
現存
1988
夏
ソウルオリンピック主競技場
ソウル
韓国
既存
100,000
現存
1992
冬
テアトル・ド・セレモニー (英語版 )
アルベールビル
フランス
仮設
35,000
閉鎖
1992
夏
エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス
バルセロナ
スペイン
新設
60,000
現存
1994
冬
リスゴーズバッケン (英語版 )
リレハンメル
ノルウェー
新設
35,000
現存
1996
夏
センテニアル・オリンピックスタジアム (ターナー・フィールド )
アトランタ
アメリカ合衆国
新設
85,000
現存[ 16]
1998
冬
長野オリンピックスタジアム (長野市営南長野運動公園総合運動場野球場)
長野
日本
新設
30,000
現存
2000
夏
スタジアム・オーストラリア (ANZスタジアム)
シドニー
オーストラリア
新設
114,714
現存
2002
冬
ライス・エクルズ・スタジアム
ソルトレイクシティ
アメリカ合衆国
既存
45,017
現存
2004
夏
アテネ・オリンピックスタジアム
アテネ
ギリシャ
既存
71,030
現存
2006
冬
スタディオ・オリンピコ・ディ・トリノ
トリノ
イタリア
既存
28,000
現存
2008
夏
北京国家体育場
北京
中国
新設
91,000
現存
2010
冬
BCプレイス・スタジアム
バンクーバー
カナダ
既存
54,500
現存
2012
夏
ロンドン・オリンピック・スタジアム
ロンドン
イギリス
新設
80,000
現存
2014
冬
ソチ・オリンピックスタジアム
ソチ
ロシア
新設
40,000
現存
2016
夏
エスタジオ・ド・マラカナン
リオデジャネイロ
ブラジル
改修
74,738
現存
2018
冬
平昌オリンピックスタジアム
平昌
韓国
仮設
50,000
閉鎖
2020[ 17]
夏
オリンピックスタジアム (国立競技場 )
東京
日本
建替
68,000
現存
2022
冬
北京国家体育場
北京
中国
既存
80,000
現存
2024
夏
セーヌ川 (開会式)
パリ
フランス
仮設
60,000
現存
トロカデロ広場 (開会式)
スタッド・ド・フランス
既存
75,000
2026
冬
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ (開会式)
ミラノ/コルティナダンペッツォ
イタリア
既存
80,018
現存
アレーナ・ディ・ヴェローナ (閉会式)
22,000
2028
夏
ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム
ロサンゼルス
アメリカ合衆国
改修
92,516
現存
SoFiスタジアム
新設
100,240
2032
夏
ブリスベン・クリケット・グラウンド
ブリスベン
オーストラリア
建替
42,000
現存
ユースオリンピック
その他
脚注