エレーヌ・グリモー
エレーヌ・グリモー(フランス語: Hélène-Rose-Paule Grimaud, 1969年11月7日 - )は、フランスのピアニスト。 経歴1969年11月7日、フランス南部のエクサンプロヴァンスにユダヤ系の言語学者の家庭に生まれる。7歳でピアノをはじめ[1]、9歳でエクサンプロヴァンスの音楽院に入学、J・クルティエに師事。その後、マルセイユでピエール・バルビゼに師事。1982年、13歳でパリ国立高等音楽院に入学。ピアノをジャック・ルヴィエ、室内楽をジェヌヴィエーヴ・ジョワに学ぶ。 1984年録音デビュー。1985年ラフマニノフのピアノソナタ第2番の録音により、モントルーのディスク大賞を受賞。同年、パリ音楽院研究科に進みジェルジ・シャーンドル、レオン・フライシャーに学ぶ。1986年エクサン・プロヴァンス音楽祭に出演。1987年よりプロのソリストとしてパリで活動に着手し、ダニエル・バレンボイム指揮のパリ管弦楽団と共演。以後、欧米著名管弦楽団に連続的に客演し世界各国で演奏活動。1990年クリーヴランド管弦楽団の招きで北米デビュー、翌年21歳でアメリカ合衆国に移住。2002年にはフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエに叙せられ[2]、また同年にはドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだ。 フランス人であるが、ドイツ・ロマン派音楽にとりわけ魅了されることを明言している。ラフマニノフ以外のレパートリーは、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスのピアノ協奏曲のほか、リヒャルト・シュトラウスの『ブルレスケ』と、ブラームスの後期小品集がある。一方で、フランス近代音楽にさして興味がないことも明言していたが(例外的にラヴェルのピアノ協奏曲ト長調は1990年代に2度の録音がある)、2010年代後半頃からはドビュッシーのピアノ曲をリリースするようになった。またそれと前後して、バッハやリストも最近取り組むようになった。ショパンについては、来日した際にマウリツィオ・ポリーニが演奏しているのを聴きに行き、それをきっかけとして演奏するようになった[3]。 大学で動物生態学を学んでおり、1999年にニューヨーク・ウルフ・センターを設立、ニューヨーク州郊外で野生オオカミの保護活動に取り組むようになる。現在はニューヨークでの生活の一方で動物学を学び、オオカミの生態を研究しながら、その養育を続けている。共感覚の持ち主としても知られる。著書に『野生のしらべ』(北代美和子訳:ランダムハウス講談社、ISBN 4270000163)がある。 ディスコグラフィーCD
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映像作品
脚注
外部リンク
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