バントンはロンドンのバーネットで生まれ育った。母親は空手の講師、父親は牛乳配達業者で、11歳のときに両親は離婚している。彼女はそれ以来、母親と暮らしている。また弟がいる。私立高校を卒業すると、シティ・オブ・ウェストミンスターにある演劇学校に通い始め、1993年にイギリスのドラマ "The Bill" で初めてテレビに出る。また、BBCの昼ドラマ "EastEnders" のオーディションを受けるが、こちらは落選している。
来歴
1994年に脱退したミシェル・ステファンソンの代わりにスパイス・ガールズのメンバーの一員となる(このころはまだグループ名は"Touch"だった)。スパイス・ガールズは1990年代に最も成功した歌手といえ、3枚のアルバムの売り上げ総数は約3,500万枚におよぶ。スパイス・ガールズ5人にはそれぞれあだ名がつけられ、バントンにはいつも子供服を着ていてブロンドのツインテールであることから "Baby Spice" とつけられた。彼女達のデビューシングル "Wannabe" はUK、オーストラリア、カナダ、アメリカ、アイルランドを含む世界37カ国でチャート1位を獲得。個人では1999年にティン・ティン・アウト(英語版)のシングル "What I Am"(エディ・ブリケル&ニュー・ボヘミアンズのカヴァー)にゲスト参加し、UKチャートで2位を記録したが、スパイス・ガールズの元メンバーであるジェリ・ハリウェルのソロ・シングル"Lift Me Up"に1位獲得を阻まれた[1]。
スパイス・ガールズが活動を休止してからはソロ活動を始める。デビューアルバム "A Girl Like Me" はUKチャート4位を記録した。このアルバムに収録されている "What Took You So Long?" はUKチャート1位を獲得した。続く"Take My Breath Away" は5位を記録している。しかし、"We're Not Gonna Sleep Tonight" は20位に終わってしまい、またこのデビューアルバムが約12万5千万枚しか売れなかったので、ヴァージン・レコードとの契約を解除する。
その後、スパイス・ガールズ時代のマネージャーであるサイモン・フラーのレーベル、19 Management、そしてPolydor Recordsと契約。2003年春にそれまでエマ・バントンとして活動していたがバントンという名前をなくし、エマとして活動を開始。そして、"Free Me"がUKチャート5位をマーク、またその年の10月にリリースされた"Maybe"が6位を記録した。2004年春にはシングル、"I'll Be There"とアルバム"Free Me"がリリースされた。2005年1月25日にアメリカでもこのアルバムはリリースされ、彼女自身も同国でプロモーション活動をしたが、チャートにはランクインしなかった。
2005年にボリウッド映画、"Pyaar Mein Twist and Chocolate"に出演。これはビヨンセの代役だと噂が流れた。(ちょうどこのとき、ビヨンセはピンクパンサーの映画の撮影をしていた。)
2006年10月にBBCのダンス・コンテスト番組、"Strictly Come Dancing"に出場。総合で3位に輝いた。
また、コメディにも多数出演しており、スパイス・ガールズのマネージャーだったサイモン・フラーは2006年8月に「バントンが主人公のコメディを作ろうと思っている。」とコメントした。
2006年11月、BBC主催のチャリティ活動"Children In Need"に参加。60年代のシングル、"Downtown"をカバーし、UKチャート3位を記録。また、その年の12月にリリースされた3枚目のアルバム、""Life In Mono"に収録されている。(UKアルバムチャートでは1週目で約1万3,000枚を売り上げ65位をマーク。)現在まででUKのみで約4万4,000枚を売り上げたとされている。このアルバムから2枚目のシングル、"All I Need To Know"はバレンタイン・シーズンにあわせたもので、2007年2月12日にリリースされた。この曲はチャートで最高60位に終わり、彼女にとって最低のランクとなってしまった。
2009年からラジオ番組Heart LondonにてDJとしても活躍。
2012年8月ロンドンオリンピック閉会式にて、スパイス・ガールズとして一夜の再結成パフォーマンスを行った。WannabeとSpice Up Your Lifeの2曲のパフォーマンスを行い、ロンドン名物のタクシーで会場に現れ、5台のタクシーの上に5人がそれぞれ乗って、場内を駆け回るパフォーマンスで盛り上げた。
メラニー・チズムのアルバム“Stages”に収録されている"I Know Him So Well"でデュエットを披露。