エオナタトルの最初の化石はアメリカ合衆国のニオブララ累層で産出した。前期セノマニアン後期にあたるスウェーデン南部のクリシャンスタード盆地、カンパニアンにあたるコロンビアのラ・メサに位置する Oliní 層群 Nivel de Lutitas y Arenas ユニットから知られている。
エオナタトルという属名はギリシャ語で「夜明け」を意味する eos と「遊泳者」を意味する natator に由来し、「夜明けの遊泳者」を意味する。元々はエオナタトル・ステルンベルギ (E. sternbergii) ただ1種を含み、本種はニオブララ累層で1918年にタイプ標本を発見したチャールズ・ヘイゼリアス・スタンバーグと彼の息子レヴィの名誉を称えて命名された。2番目の種であるエオナタトル・コエレンシス (E. coellensis) は、発見地に近いコロンビアのトリマ県 Coello の街にちなんで命名された[2]。
記載
エオナタトルは小型のモササウルス科爬虫類で、成体であるタイプ標本は全長わずか2.65メートルである。数多くのモササウルス科爬虫類と同様に主に魚類や小型海生爬虫類を捕食していた可能性が高い。エオナタトル・コエレンシスのタイプ標本 IGM p 881237 は完全な尾を欠いているが、保存された最末端の尾椎までで長さ2.8メートルであり、頭骨長は41.5センチメートルである。本種の標本は耳・首・胸部・腹部の軟組織が残っている点が特筆事項である。臀部の椎骨と第17脊椎の下には、一連の20個の小さい椎体と平たい骨があり、その長さはともに25センチメートルである。これはモササウルス上科の特徴を持ち、血道弓と前腹腔椎体を持つ3つの椎骨は、頭骨や歯がないため完全な同定は不可能であるが、これら小さな骨が本種の胚のものである可能性を示唆している。いずれにせよ、これは以前カルソサウルスといったモササウルス上科で報告された卵胎生の結果であると推察される[2]。
Bardet et al. (2005), p. 465[1] ではエオナタトル・ステルンベルギは以下のように診断されている。
^ abcdeBardet, N.; Pereda Suberbiola, X.; Iarochene, M.; Baadi, B.; Amaghzaz, M. (2005). “A new species of Halisaurus from the Late Cretaceous phosphates of Morocco, and the phylogenetical relationships of the Halisaurinae (Squamata: Mosasauridae)”. Zoological Journal of the Linnean Society143 (3): 447–472. doi:10.1111/j.1096-3642.2005.00152.x.
^Konishi, Takuya; Caldwell, Michael W.; Nishimura, Tomohiro; Sakurai, Kazuhiko; Tanoue, Kyo (2016-10-02). “A new halisaurine mosasaur (Squamata: Halisaurinae) from Japan: the first record in the western Pacific realm and the first documented insights into binocular vision in mosasaurs”. Journal of Systematic Palaeontology14 (10): 809–839. doi:10.1080/14772019.2015.1113447. ISSN1477-2019. OCLC903856776.