インドガビアル属は第四紀更新世にインド亜大陸で出現し、第四紀にシヴァ - マラヤルートを介してマレー諸島へ分布を拡大した。インドガビアル属に割り当てられうる他の種には、ウォレス線の東側に位置するスラウェシ島やウッドラーク島(英語版)から知られているものがいる。インドガビアル属の有史以前の系統は海域を横断でき、西オセアニアほどの遠隔地にも到達できた可能性がある[4]。一方で G. bengawanicus の化石がインドネシア以外にタイ王国から産出しており、海路を介さずともタイを通過して到達できたのではないかとする見解もある[5]。
分類
インドガビアル属は、シバリク山脈(英語版)で収集されたロンドン自然史博物館所蔵の標本に基づき、2018年に再評価が行われた。G. gangeticus と G. bengawanicus はインドガビアル属に属する数少ない2種であり、G. hysudricus は G. gangeticus のジュニアシノニムとされた。さらに G. leptodus、G. pachyrhynchus、G. curvirostris、G. breviceps はランフォスクスに含まれることが提唱された。G. browni と G. lewisi についてはさらなる改訂が求められる[2]。G. dixoni は独自の属であるドロスクス(英語版)属として独立した[6]。
G. browni は両目が互いに近くに位置していてかつ前頭骨の幅も狭い点でインドガビアルと区別され[7]、1932年に当時最も基盤的なインドガビアル属とされていた G. dixoni(後のドロスクス)と現生のインドガビアルの中間的な種として記載された[8]。G. browni はドロスクスよりも吻部が長いが、インドガビアルほどではなく、また、歯の本数もインドガビアルより少ない[9]。
^Lull, R. S. (1944). “Fossil gavials from north India”. American Journal of Science242 (8): 417–430. doi:10.2475/ajs.242.8.417.
^Delfino, M.; De Vos, J. (2010). “A revision of the Dubois crocodylians, Gavialis bengawanicus and Crocodylus ossifragus, from the Pleistocene Homo erectus beds of Java”. Journal of Vertebrate Paleontology30 (2): 427. doi:10.1080/02724631003617910.
^Swinton, W. E. (1937). "The crocodile of Maransart (Dollosuchus dixoni [Owen])". Mémoires du Musée d'Histoire Naturelle de Belgique. 80: 1–44.
^Claude, J.; Naksri, W.; Boonchai, N.; Buffetaut, E.; Duangkrayom, J.; Laojumpon, C.; Jintasakul, P.; Lauprasert, K. et al. (2011). “Neogene reptiles of northeastern Thailand and their paleogeographical significance”. Annales de Paléontologie97 (3–4): 113. doi:10.1016/j.annpal.2011.08.002.
^Brochu, C. A. (2007). “Systematics and Taxonomy of Eocene Tomistomine Crocodylians from Britain and Northern Europe”. Palaeontology50 (4): 917–928. doi:10.1111/j.1475-4983.2007.00679.x.
^Gatesy, J.; Amato, G. (2008). “The rapid accumulation of consistent molecular support for intergeneric crocodylian relationships”. Molecular Phylogenetics and Evolution48 (3): 1232–1237. doi:10.1016/j.ympev.2008.02.009. PMID18372192.