イヌビユ
イヌビユ(犬莧[6]、学名: Amaranthus blitum)は、ヒユ科ヒユ属の一年草。畑、果樹園、空地、道端などで、夏期に生育する雑草。和名の由来は、ヒユに似るが、雑草というところから格下を表す「犬」の名がつけられたものである[7]。別名、ムラサキビユ[1]。地域によっては、オトコヒョウ[8]、ノビユ[8]、ハビユ[8]、ヒューナ[8]と呼ばれる。中国名は、凹頭莧、野莧[1]。 分布ヨーロッパ原産とされ、日本では帰化植物として野生化したものが北海道、本州、四国、九州までの全国に広がっている[6][7]。平地の市街地から里山の人家近く、農耕地に自生し、特に日当たりのよい畑地、空き地、荒れ地、道端などを好んで生える[6][8]。 形態・生態
一年生の草本[8]。草姿は直立もしくは横に広く伸び、草丈は20 - 40センチメートル (cm) に達する[6][7][9]。茎は根元から分枝し[7]、緑色または淡紫色で円柱状、無毛で平滑。 幼苗期の葉は先がへこんだ卵型で、表は濃緑色、裏は淡紅紫色。成植物の葉は互生で、長い葉柄をもち、丸みのある菱形状卵形で緑色が濃く、先端が浅くくぼむのが特徴[6][10]。 花期は初夏から夏[6][8]。茎の先と葉の付け根に花穂をつけて、緑色の目立たない小花が多数咲く[6]。花後に実を結び、夏に種子が落ちるとすぐに発芽して、秋にまた花をつける[7]。増殖は種子により、一株の種子数は10,000から15,000程度。千粒重は300から500ミリグラム (mg) である。盛夏期では、発芽から約1か月で結実する。
人間との関わり若葉や果実は食べられ、青菜のように色々利用できる野草である[8][11]。採取時期は4 - 10月ごろとされ、摘み取った若芽や若葉、茎先を茹でて水にさらし、ごま和え・マヨネーズ和え・クルミ和え・辛子和えなどの和え物、おひたし、バター炒め、卵とじ、煮付けにする[6][7][8]。味にクセはなく、生のまま天ぷら、汁の実、油炒め、煮びたし、あんかけにもできる[6][7][8]。大きく育った葉でも、天ぷらにすれば食べられる[8]。採取が容易でたくさん収穫できるため、塩漬けや茹でたものを冷凍にして長期保存し、もどして利用することもできる[6]。 近縁種→詳細は「アマランサス § 下位分類」を参照
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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