イズリントン区
イズリントン・ロンドン自治区(イズリントン・ロンドンじちく、英: London Borough of Islington、 発音 )は、イギリスの首都ロンドンでインナー・ロンドンを構成するロンドン自治区の一つ。1965年にイズリントン首都自治区とフィンズベリー首都自治区とが合併して誕生したが、その面積は32のロンドン自治区で2番目に小さく、イングランドでも第3位の狭さのディストリクトである。国政選挙では、Islington NorthとIslington South&Finsburyの2つの選挙区に分かれる。区の自治主体はイズリントン区議会。 ハロウェイ地区には、プロサッカークラブのアーセナルFCが本拠地とするエミレーツ・スタジアムがある。また、同地区にはフレートライナー都市農園があり、ウサギ、ウシ、チキン、ブタなどの家畜も含め、全面的に無料開放されている。 地名元々、イズリントンはサクソン人によって1005年にGiseldone、1062年にGislanduneと名づけられた。「ギスラの丘」という意味で、イギリスで昔用いられた「ギスラ」という人名からとられた。後にIsledonと改められ、17世紀に近代的な言語様式が誕生した後もそのまま用いられた[2]。中世、イズリントンはこの地に数多あった小荘園の一つでしかなく、ほかにはBernersbury、Neweton Berewe、Canonesburyなどがあった。「イズリントン」という地名はこれらの村々を束ねる教区として初めて用いられ、1899年に組織された首都自治区にも「イズリントン」の名が付された。後にフィンズベリー首都自治区と合併し、「イズリントン」はさらに拡大した。 地理西部はカムデン区、北部はハーリンゲイ区、東部はハックニー区、南部はシティ・オブ・ロンドンと接する。 地区下位行政区
交通幅広い公共交通を有しており、シティやウェスト・エンドまで乗り換えなしで行くことができる。区内に位置する地下鉄駅からはロンドンのほとんどの場所へ行くことができる。 地下鉄駅
地上駅
刑務所イズリントンのペントンヴィルには男性が収容されるペントンヴィル刑務所、かつて多くの女性参政権論者が収容されたハロウェイ女性刑務所がある。ペントンヴィル刑務所にはこれまで、下記の有名人も収容された。
観光スポット
経済区内南西端は、カムデン区内ブルームスベリー界隈と隣接し、同カムデン区と跨がるキングス・クロス (Kings Cross) 地区になる。同地区には、カムデン区内になるがGoogle英法人本社があり、イズリントン区内になる建物キングス・プレイス (Kings Place) 内には、中道左派系大手新聞ガーディアン本社が入居するほか、WeWorkのコワーキング・スペースがある。 その他、インマルサット本社が区内にある。 人口動態
現在の特別区域を占めていた教区には、1801年時点で6万5721人が住んでいた。その19世紀、人口は着実に増加し、中葉に20万人を突破、さらに鉄道が開通すると増加率も伸び、19世紀終盤には40万人を記録した。しかしフィンズベリー大都市行政区と合併するととりわけ貧困や重度の過密状態に苦しめられ、第一次世界大戦前をピークに徐々に減少、1944年にはロンドン・アベルクロンビー計画が策定されニュータウンへの移転が進んだ。その後、1980年代から徐々に増加してきたが、未だ60年代レベルほどしか回復していない。 2001年の国勢調査によると、イズリントンには17万5797人が住んでいる。うち75%が白人で、6%がアフリカ系黒人、5%がカリブ系黒人、2%がバングラデシュ系で占められる。住民の32%が持ち家である。 教育大学区内には2校の高等教育機関が置かれている。ノーザンプトン・スクエアにあるロンドン大学シティ校(2016年までシティ大学ロンドン、旧ノーザンプトン研究所)は1894年に設立された。一方、ハロウェイ・ロードには2002年に北ロンドン大学とロンドン・ギルダール大学が合併し誕生したロンドン・メトロポリタン大学の北部キャンパスが置かれている。 カレッジ加えて、継続教育機関もシティ・アンド・イズリントン・カレッジとウェストミンスター・キングズウェイ・カレッジの2校が置かれている。 学校区内には小学校が47校、中等学校が10校、特別学校が3校、生徒委託ユニット(PRU、なんらかの理由で学校に行けなくなった子どもに教育の機会を与える施設)が5校ある。 イズリントンが登場する作品ダグラス・アダムズの小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』で、主要登場人物のうちの3人(アーサー・デント、トリリアン、ザフォド・ビーブルブロックス)が初めて顔を合わせるのがイズリントンのアパートで行われた「ファンシー・ドレス・パーティー」であった。 2006年公開の映画『私の婚活恋愛術』(Love and Other Disasters)で、ブリタニー・マーフィ演じる主人公はイズリントンの役所で結婚した。 関係者
→詳細は「Category:イズリントン区出身の人物」を参照
脚注
外部リンク |