ア・パーフェクト・サークル(英: A Perfect Circle)は、アメリカ合衆国出身のロックバンド。著名なバンドマンを多く擁するスーパーグループである。一度解散したが、2010年から再始動を果たしている。
概要・略歴
1999年、ギタリストで作曲家のビリー・ハワーデルと、トゥールのボーカリストのメイナード・ジェームス・キーナンを中心に結成された。
2000年にアルバム『Mer de Noms』でデビュー。2004年に全体がほぼカバー曲(オリジナル曲は2曲のみ)で占められた3rdアルバム『eMOTIVe』をリリース後間もなくして一時解散した。
2008年に再結成を表明し、2010年から6年ぶりに再始動している。2013年には一時解散して以来の新曲を含む初のベスト・アルバム『Three Sixty』をリリース。
2018年、スタジオ・アルバムとしては実に14年ぶりとなる4thアルバム『Eat the Elephant』をリリース[3]。
メンバー
現ラインナップ
メイナード・ジェームス・キーナン(Maynard James Keenan) - ボーカル (1999– )
- オハイオ州ラヴェンナ生まれ。本名ジェームス・ハーバート・キーナン(James Herbert Keenan)。
- トゥールが2ndアルバムを制作していた頃、メイナードはビリーにノースアメリカにある自宅の一室を提供し一緒に暮らしていた。その時に、たまたまメイナードがビリーの作った曲のデモを聞き、これを気に入ったメイナードが「その曲に歌詞をつけてみても構わないか?」と申し出る。これがア・パーフェクト・サークルが誕生するきっかけとなった。
- ア・パーフェクト・サークルがデビューした当時は、メイナードのトゥールとしての活動があまりに有名だったために「トゥールのフロントマンによるサイドプロジェクト」として扱われることが多かったが、当の本人は「ア・パーフェクト・サークルは私のもう一つのバンドであり、サイドプロジェクトなどではない」と時に言明している。
- ステージで奇抜な恰好をすることでも有名だが、ア・パーフェクト・サークルでは眼鏡や長髪・三つ編みのウィッグを着用することが多い。
ビリー・ハワーデル(Billy Howerdel) - リードギター/ボーカル (1999– )
- ニュージャージー州生まれ。
- バンドのメインコンポーザーであり、基本的にバンドの殆どの曲はビリーによって作曲されている。レコーディングでもギター、ベース、キーボード、プログラミングなど、殆どのパートを手掛けている。
- フェイス・ノー・モア、フィッシュボーン、デヴィッド・ボウイ、スマッシング・パンプキンズ、ナイン・インチ・ネイルズ、ガンズ・アンド・ローゼス、トゥールなど、数々の著名なバンドにギターテックとして関わっていた。
- フィッシュボーンがトゥールと一緒にツアーに出ていた時に、当時フィッシュボーンのギターテックだったビリーはトゥールのボーカルであるメイナード・ジェームス・キーナンと知り合う(その後、ビリーはトゥールの2ndアルバム『Ænima』のレコーディングにエンジニアとして参加し、その後のツアーにもギターテックとして参加する)。
- ビリーも卓越した歌唱力を持っており、自身のソロプロジェクトである“ASHES dIVIDE”ではリードボーカルを務めている。
ジェームス・イハ(James Iha) - リズムギター (2003– )
- 日系アメリカ人、日本名:井葉吉伸。スマッシング・パンプキンズのギタリストとして有名。
- 2003年に加入。当時のギタリストであったダニー・ロナーがツアー直前に脱退したため、ビリーとメイナードは以前から知り合いだったジェームス・イハを起用することを思いつく。しかしその時既にツアーまでに猶予が2週間しかなく、バンドの曲を全く知らなかったジェームスだが、そのわずか2週間でバンドの全ての曲を完璧に覚えマスターしたという。
マット・マクジャンキンス(Matt McJunkins) - ベース (2010– )
- 2010年での再々結成時に加入。ビリーのソロプロジェクト“ASHES dIVIDE”や、メイナードのソロプロジェクト“Puscifer”でもベースを勤めていた。
ジェフ・フリードル(Jeff Friedl) - ドラムス (2011– )
- 2011年に別のバンドのセッションで活動していたジョシュ・フリースをサポートする形で加入。その後、ジョシュが別のバンドでの活動に専念するため脱退した2012年と同時に正式加入。
- “ASHES dIVIDE”や“Puscifer”でもドラムスを勤めている。
グレッグ・エドワーズ(Greg Edwards) - リスムギター/キーボード (2018– )
旧メンバー
ジョシュ・フリース(Josh Freese) - ドラムス (1999–2011)
- フロリダ州生まれ。両親ともミュージシャンで、自身も8歳の頃からドラムを叩き始める。
- ヴァンダルズ、スティング、ディーヴォ、ガンズ・アンド・ローゼス、ナイン・インチ・ネイルズなどのバンドで活動してきた経歴を持つ。他にもポップス、パンク、メタルなど、ジャンルの垣根を越えて様々なミュージシャンのセッションに積極的に参加している。2010年にはパラモアのツアーメンバーとしてドラムスを務めた。
- ティム・アレキサンダーの後任として、ほとんどバンド初期からドラマーを担当。パワフルで軽快かつ的確なドラミングが持ち味で、変拍子を多用するア・パーフェクト・サークルの楽曲の中でも、安定した演奏でバンドのリズムの要として重要な役割を果たした。
- 2009年に発売された2枚目のソロアルバム『Since 1972』は値段に応じて様々な特典がつけられており、高額なものになると「メイナードと一緒にゴルフをする(20,000ドル限定一名バージョン)」、「NINのギタリストの家でパスタ料理をごちそうになる(75,000ドル限定一名バージョン)」などの特典がつけられ話題となった。
- 2012年脱退以降はヴァンダルズやディーヴォでの活動を継続している。
ジョーディ・ホワイト(Jeordie White) - ベース (2003–2004)
- マリリン・マンソンのベーシスト兼メインコンポーザー”トゥイギー・ラミレズ”としての活動で知られる。
- 2002年にマリリン・マンソンを脱退し、その後パーティで出会ったジョシュ・フリースの紹介でア・パーフェクト・サークルに参加する(当時ジョーディはメタリカのオーディションを受けていたが、結局その結果を待たずにア・パーフェクト・サークルに加入する)。2004年のア・パーフェクト・サークル活動休止以降は2005年から2008年にかけてのナイン・インチ・ネイルズのツアーに参加。2010年以降は、再びマリリン・マンソンのメンバーとして復帰している。
ダニー・ロナー(Danny Lohner) - ギター/サウンドエンジニア (2003, 2004)
- 1994年から2000年までナイン・インチ・ネイルズの主要メンバーとして活躍。ナイン・インチ・ネイルズ脱退以降はプロデューサーやリミキサーとして活躍している。
- 2002年に加入。2ndアルバムの『Thirteenth Step』においてはプロデュースと一部の曲のギターを担当している。バンドのツアーメンバーとしてもアナウンスされていたが、結局ツアー開始の2週間前に脱退する(しかし、その後の3rdアルバム『eMOTIVe』の制作には参加している)。
- 1stアルバム『Mer de Noms』に収録されている“Renholder”という曲のタイトルは、ダニーの名前のアナグラムである("Re: D.Lohner"を逆さ読みにしたもの)。この“Renholder”という名前は現在ではダニーの別名として使用されている。
パズ・レンチャンティン(Paz Lenchantin) - ベース (1999–2002, 2004)
- 2000年に加入。女性ベーシスト。ベースの他にもヴァイオリンやピアノも演奏する。
- ア・パーフェクト・サークルが活動休止中に、当時スマッシング・パンプキンズを解散させたばかりであったビリー・コーガンに誘われ“ズワン”に参加する。これに伴いア・パーフェクト・サークルを脱退するが、その後もレコーディングやツアーにたびたび参加している。
- ビリーは当初、自分の曲のシンガーにパズを想定していた。
- 2014年から2024年までピクシーズのメンバーとして活動していた。
トロイ・ヴァン・リーウェン(Troy Van Leeuwen) - リズムギター (1999–2002)
ティム・アレキサンダー(Tim Alexander) - ドラムス (1999)
- オルタナティブ・ロックバンド、プライマスのドラマーとして知られる。バンド結成時初期に短期間ながらドラムを担当していた(1stアルバムの1曲目“The Hollow”ではドラムを叩いている)。
ディスコグラフィー
アルバム
年
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タイトル
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アルバム詳細
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チャート最高位
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認定
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US [4]
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AUS [5]
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CAN [6]
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FRA [7]
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GER [8]
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NLD [9]
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NOR [10]
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NZ [11]
|
SWE [12]
|
UK [13]
|
2000
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Mer de Noms
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4 |
2 |
5 |
— |
55 |
81 |
32 |
2 |
54 |
55
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2003
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Thirteenth Step
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- 発売日: 2003年9月16日
- レーベル: Virgin
- フォーマット: CD, LP, cassette, digital download
- 全米売上: 118.1万枚[14]
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2 |
3 |
1 |
41 |
11 |
17 |
7 |
1 |
17 |
37
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2004
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Emotive
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- 発売日: 2004年11月2日
- レーベル: Virgin
- フォーマット: CD, LP, cassette, digital download
- 全米売上: 67.1万枚[14]
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2 |
8 |
5 |
61 |
33 |
46 |
18 |
2 |
— |
80
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2018
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Eat the Elephant
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- 発売日: 2018年4月20日
- レーベル: BMG
- フォーマット: CD, LP, digital download
- 全米売上: 6.3万枚[21]
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3 |
2 |
3 |
— |
2 |
12 |
8 |
3 |
18 |
12
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"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。
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日本公演
2000年
フジロックフェスティバル'00[22]
2003年
Japan Tour 2003[23]
2004年
Japan Tour 2004[24]
脚注
外部リンク