アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト
『アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト[注釈 1]』(Aretha Live at Fillmore West)は、アメリカ合衆国の歌手アレサ・フランクリンが1971年3月に録音、同年5月に発表したライブ・アルバム。『アレサ・イン・パリス』(1968年)に続く、キャリア2作目のライブ・アルバムに当たる。 背景1971年3月5日から7日の3日間、フランクリンはサンフランシスコのフィルモア・ウェストにおいてライブを行った[1][注釈 2]。プロデューサーのジェリー・ウェクスラーは、デトロイト出身のプレイヤーを中心とした旧来のフランクリンのツアー・バンドでなく、キング・カーティス&ザ・キングピンズを起用することを進言しており[4]、カーティスとザ・キングピンズは、この公演の本編に加えオープニングアクトも務めて、その際の演奏は1971年にカーティス名義のライブ・アルバム『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』として発表された[5]。 オリジナル盤に収録された10曲は、主に3月7日の録音だが、「愛への讃歌」と「ドクター・フィールグッド」は3月6日の録音である[6]。オリジナル盤の「スピリット・イン・ザ・ダーク」のリプライズでは、観客としてフィルモア・ウェストにいたレイ・チャールズがゲスト参加している[5][7]。なお、1973年1月18日付の『ローリング・ストーン』誌に掲載されたチャールズのインタビューによれば、他の用事でたまたまサンフランシスコへ行っていた折に、フランクリンの公演が行われることを聞いて会場へ行き、「スピリット・イン・ザ・ダーク」を全く知らない状態でステージに上がったとのことで、「このレコードを聴けば、私がこの曲を知らなかったことが分かるだろう」とコメントしている[8]。スティーヴン・スティルスのカヴァー「愛への讃歌」と、ブレッドのカヴァー「二人の架け橋」は、フランクリンによる録音に関しては本作が初出である[4]。 1971年には、本作からの「スピリット・イン・ザ・ダーク」をA面、「リスペクト」と「愛への讃歌」をB面に収録したジュークボックス用のシングル「Live at Fillmore West」もリリースされている[9]。 反響アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では7位に達し、自身5作目の全米トップ10アルバムとなった[3]。また、『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートでは、5週にわたって1位を獲得した[10]。 評価ロバート・クリストガウは本作のレビューでBを付け「『アレサ・イン・パリス』でも、他のスタジオ・アルバムでも、彼女がここまで爆発的な雰囲気になっている様は捉えられていない」と評している[11]。 2015年には、『NME』誌が選出した「偉大なライブ・アルバム50」で16位[12]、『ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・ライブ・アルバム50」で35位にランク・インした[7]。また、2017年には、本作の元になった公演が『ローリング・ストーン』誌の選出した「過去50年間の偉大なコンサート50」の一つに挙げられている[13]。 リイシュー2005年にライノ・ハンドメイドから5000組限定で発売された4枚組CD『Live at Fillmore West: Don't Fight the Feeling』には、全3日間のフィルモア・ウェスト公演におけるカーティス、フランクリン、それにザ・メンフィス・ホーンズやビリー・プレストンがフィーチャーされた曲も含む61トラックが収録された[14]。 2006年に2枚組CDとして発売された本作のデラックス・エディション盤のボーナス・ディスクには、オリジナル盤収録曲の別テイクに加えて「コール・ミー」、「ミックスドアップ・ガール」、「シェア・ユア・ラヴ・ウィズ・ミー」、「ユア・オール・アイ・ニード・トゥ・ゲット・バイ」といったオリジナル盤未収録曲も含まれている[5][6]。なお、オリジナル盤の「スピリット・イン・ザ・ダーク」は短く編集されていたが、2006年デラックス・エディション盤のディスク1には、編集前のロング・ヴァージョンが収録された[6]。 収録曲各曲の収録時間はオリジナル盤に準拠。2006年デラックス・エディション盤では8.が7分25秒、9.が19分24秒となっている[6]。
2006年デラックス・エディション盤ボーナス・ディスク1. 5. 6. 8. 9.は1971年3月6日、2.は3月7日、それ以外は3月5日の録音である[6]。
参加ミュージシャン
アレンジャー 脚注注釈出典
外部リンク
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