アテモヤ
アテモヤ(英: atemoya、学名: Annona × atemoya)は、バンレイシ科バンレイシ属のバンレイシ(蕃茘枝、釈迦頭)とチェリモヤを掛け合わせて作出された交雑品種、またはその果実のことである(図1)。果実を食用とし、世界各地で栽培されている。「アテモヤ」の名は、バンレイシのブラジル名である「アテ (ate)」と、チェリモヤ (cherimoya) の「モヤ (moya)」を組み合わせて付けられた[2]。食感や風味がパイナップルに似ていることから、台湾では、鳳梨釋迦(パイナップル + バンレイシ)と呼ばれる[要出典]。「森のアイスクリーム」とも呼ばれる[3][4][5]。 特徴半落葉性の低木から小高木であり、高さ3–10メートル (m) になる[2]。低温期がある場所では落葉する[2]。葉は互生し、単葉、全縁[2]。 花期は3–6ヶ月に及び、その間に2–3回の花のピークがある[2]。例えばオーストラリアでは、初夏と晩夏または初秋に多く花をつける[2]。花は3枚ずつ2輪の花弁をもち、外花弁が大きく厚い[2]。 多数の雌しべに由来する多数の果実が合着した集合果であり、球形から卵形、表面は区画に分かれ、各区画は突出または平坦[2](下図2)。 人間との関わりアテモヤは、バンレイシ(A. squamosa)とチェリモヤ(A. cherimola)を掛け合わせることによって、1908年に米国フロリダ州で作出された交雑品種である[2][3]。現在では米国、イスラエル、南アフリカ、フィリピン、オーストラリアで栽培されている[6]。 バンレイシよりは低温耐性があるが、チェリモヤよりは低温に弱い[2]。果実生産に最適な花期の気温は22–28°Cである[2]。品種としては‘Mroochy Gold’、‘KJ Pinks’、‘Pink's Mammoth’、‘Gefner’、‘Africn Pride’などがある[2]。病虫害としては炭疽病(Colletrotrichia)、青枯病(Pseudomonas)、黒斑病(Phytophthora)、潰瘍病(Botryodiplodia)、果実腐敗(Gliocladium)、さび病(Phakopsora)、コバチ(Bephrata, Bephratelloides)、ガ、カイガラムシ、ハダニなどが知られている[2]。 1990年代後期において、アテモヤの生産量が多い国はオーストラリア(3,000トン)、イスラエル(500トン)、アメリカ合衆国フロリダ州(200トン)、ハワイ州(50トン)であった[2]。日本でもわずかに栽培されており、2013年度の日本での生産量は、沖縄県で22.6トン、鹿児島県で3.8トンであった[7]。沖縄での収穫期は11月中旬から4月末[4]。 完熟前に収穫し、室温で追熟した後に冷やして生食する[4]。果肉はクリーミーで糖度が高く(20–25度)、濃厚な甘みとほのかな酸味がある[5][3][8]。牛乳やヨーグルトと混ぜることもある[4][3]。 脚注出典
関連項目外部リンク
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