アイ・キャント・エクスプレイン
「アイ・キャント・エクスプレイン」(I Can't Explain)は、イギリスのロック・バンド、ザ・フーの楽曲。作詞・作曲はメンバーのピート・タウンゼントによる。バンド名をザ・ハイ・ナンバーズからザ・フーに変更した上での再デビュー・シングルとしてリリースされ、スタジオ・アルバムには収録されなかった。1964年にアメリカで発売された後、1965年には母国イギリスでもリリースされた。 背景キンクスのサウンドを意識して作られた曲とされており[4]、ロジャー・ダルトリーは後年、この曲がキンクスの音楽性を思い起こさせることから「レコーディングする時は、ちょっとためらいがあった」と語っている[5]。 ジ・アイヴィー・リーグがバック・コーラスを担当し、更にジミー・ペイジもリズムギターで参加した。プロデューサーのシェル・タルミーが2012年に『クラシック・ロック』誌のインタビューで語ったところによれば、ピート・タウンゼントがリードギター、ペイジがリズムギターという役割分担だったが、タルミーは当時のタウンゼントをあくまでリズム・ギタリストと捉えていたため、安心材料としてペイジを待機させていたという[6]。また、シングルのB面に収録された「ボールド・ヘッデッド・ウーマン」では、ペイジがファズ・ギターを弾いている[7]。 1964年にアメリカで先行発売されたシングルの初回プレス盤は、タイトルが「Can't Explain」と誤記されており、すぐに正しいタイトルに修正された[1]。 反響・評価「アイ・キャント・エクスプレイン」は全英シングルチャートに13週チャート・インして、最高8位を記録するヒット曲となった[2]。また、アメリカのBillboard Hot 100でもチャート・インを果たすが、最高93位に終わっている[3]。 ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では380位にランク・イン[8]。また、ピッチフォーク・メディアのスタッフが2006年に選出した「1960年代の偉大な200曲」では9位にランク・インした[9]。 カヴァースコーピオンズ
ドイツのヘヴィメタル・バンド、スコーピオンズは、オムニバス・アルバム『Stairway to Heaven/Highway to Hell』(1989年)にブルース・フェアバーンのプロデュースによる「アイ・キャント・エクスプレイン」のカヴァーを提供[10]。このカヴァーは、スコーピオンズのベスト・アルバム『蠍伝説〜スコーピオンズ・ベスト』(1989年)や、日本盤EP『ウィンド・オブ・チェンジ』(1991年)にも収録された。また、シングルとしてもリリースされているが、アメリカ盤のジャケットでは原題と同様「I Can't Explain」と表記されているのに対し[11]、ヨーロッパ盤のジャケットでは「Can't Explain」と表記されている[12]。ヨーロッパでは変形ディスク仕様のピクチャー・レコードも発売された[13]。 スコーピオンズのヴァージョンは、アメリカでは『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで5位に達した[14]。 収録曲ヨーロッパ盤
アメリカ盤CDシングル
その他のカヴァー
脚注
外部リンク“Rickenbacker Guitars” (英語). thewho.net. 2022年1月12日閲覧。 |