ひとりぼっちの宇宙戦争
「ひとりぼっちの宇宙戦争」(ひとりぼっちのうちゅうせんそう)は、藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄名義)のSF漫画短編。フレドリック・ブラウンの「闘技場」にインスパイアされた作品と言われている[1]。 1975年(昭和50年)『週刊少年サンデー』37号初出。1983年には『藤子不二雄少年SF短編集』〈てんとう虫コミックス〉第1巻に表題作として初収録。以降2010年現在までに7つの短編集に収録されている(#書誌情報を参照)。1990年には『藤子・F・不二雄のSF短編シアター』内の一編としてOVA化、1994年には森下一仁によって小説化されている(#アニメ・#小説を参照)。 あらすじ主人公鈴木太郎は空想的なことが好きな、特に頭が良いわけでもなくこれといった特技も無い中学生。彼は全地球人の中からの無作為選抜によって、地球全ての運命をかけてハデス星と戦う宇宙戦争の戦士に選ばれてしまう。 惑星間の全面戦争は宇宙の国際法で禁止されているため、代闘士と呼ばれる各星の代表をたてて一対一の勝負をさせることで決着をつける。太郎の相手となるハデスの代表は、公平を期すために作られた彼の能力をコピーしたロボットであった。時間が停止した特殊な空間の中で、知力も体力も全く同じながら恐怖やためらいといった人間的感情を持たないロボット相手に、地球の誰もが知ることの無い太郎の孤独な戦いが繰り広げられる。 アニメ『藤子・F・不二雄のSF短編シアター』第1巻収録。変更点は他の作品よりも多く、『妹の存在』『楯の使い方』『地球人にしかない武器が明かされないこと』『主人公のコピーがロボットではなく採取した細胞から造られたクローン人間である』『主人公がその武器をあたかも知っているかのように突然叫びだすこと』等が例に挙げられる。 キャスト
スタッフ
主題歌
小説森下一仁が執筆、加藤直之がイラストを担当した小説化作品。小学館の〈スーパークエスト文庫〉より1994年に発売された。 時間の停止した中で二人の鈴木太郎が戦いを繰り広げるというプロットは原作と同じなものの、細部の設定などはオリジナルになっている。その一つとして、原作では完全に時間が停止していたが、小説版では少しずつではあるが時間が進んでおり、時間の進み方が異なるというものがある。森下一仁によると、この設定は、『サイボーグ009』から思いついたアイディアらしい[2]。 書誌情報以下の短編集に収録されている。特記のない限り藤子・F・不二雄名義、小学館刊。
脚注
関連項目 |
Portal di Ensiklopedia Dunia