すみだ北斎美術館
すみだ北斎美術館(すみだほくさいびじゅつかん、英語: The Sumida Hokusai Museum)は、東京都墨田区亀沢にある公立美術館[3]。 2016年(平成28年)11月22日に開館した[4][5]。江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎が本所界隈(現在の墨田区の一角)で生涯を送ったことや、彼が本所割下水で生まれたとされ [6]、当時の「南割下水」に相当する現在の「北斎通り」の線上にある亀沢もゆかりの地に含まれることから、当地に設けられた。 仮称は「北斎館」であったが、2009年4月に「すみだ北斎美術館」に正式決定した[7]。 経緯開館前( - 2016年11月)葛飾北斎は現在の墨田区亀沢で生誕し、その生涯のほとんどを区内で過ごしたとされている[3][7]。墨田区はこの偉人を顕彰し、地域振興の一環として美術館を建設することになった。総工費は約34億円[3]。 美術館建設の構想は1989年(平成元年)頃からあり、基本計画を策定し[広報 1]、1993年(平成5年)に建設予定地を購入したが[1]、財政難により2000年(平成12年)にいったん凍結された[広報 1]。2006年(平成18年)に新タワー(東京スカイツリー)建設地が業平・押上地区に決定すると、凍結された美術館建設計画が復活した[広報 1]。建設予定地の緑町公園付近は、江戸時代に弘前藩津軽家の上屋敷があり[広報 2]、美術館建設にあたり埋蔵文化財調査のための発掘が行われた[広報 1]。 ロゴマークは、2009年度の公募で国内外から集まった1,634点から選ばれた高瀬清二の図案を原案として、勝井三雄が形を整えるとともにフォントをデザインした[8]。 墨田区はすみだ北斎美術館に収蔵する作品の画像を商用目的で利用する事業を行った。本事業で区内企業が作ったグッズは「すみだ発!北斎オリジナルグッズ」という[9]。 2013年(平成25年)9月、建設にあたり入札が行われたが予定価格が過小に見積もられたため応札業者が出ず、計画を見直す事態となった[10][11]。 開館後(2016年11月 - )2016年11月29日、すみだトリフォニーホールにて開館記念コンサートが開催された。「『すみだ北斎美術館』開館記念コンサートwith新日本フィル 河竹黙阿弥生誕200年&ウィリアム・シェイクスピア没後400年 尾上菊之助《歌舞伎とシェイクスピアの音楽》」と題し、尾上菊之助が新日本フィルとともに出演した[12]。開館記念展は「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」と題し、およそ100年ぶりに発見された北斎壮年期の傑作とされる「隅田川両岸景色図巻」の全巻を公開した[13]。 開館半年後の2017年4月29日に当初の想定年間来館者数だった20万人を達成した。その後、9月8日に30万人[14]、2018年7月31日に50万人を達成した[15]。 2018年度には、日本建設業連合会が主催する第59回BCS賞を受賞した[16]。 建物妹島和世により設計された。2014年(平成26年)7月に着工した[広報 3]。 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)で、地上4階・地下1階建て。建築面積は699.7平方メートル、延床面積は3,280.4平方メートルで、最高高さは21.9メートルである[17]。2016年(平成28年)11月に竣工した[18]。 建物の外壁はアルミパネルで、周りの様々な風景が映り込み、周辺の風景に溶け込んでいる。アルミパネルには、スリットが入り、四方からアクセスできるようになっている[19][20]。 館内施設墨田区は海抜が低いため、収蔵庫等の施設を2階以上の階に設けている[19]。また、設計中に東日本大震災があったため、当初地下に設定していた事務室も上階に設けることになった[19]。
所蔵・展示作品下記のコレクションが所蔵・展示される。
アクセス葛飾北斎に関する他の美術館葛飾北斎をテーマとした美術館は、当館よりも前に、既に2館存在している。
脚注出典
広報資料・プレスリリースなど一次資料
参考文献
外部リンク |
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