こんにちは、母さん『こんにちは、母さん』(こんにちは、かあさん)は、劇作家の永井愛が2001年に新国立劇場からの委嘱により書いた戯曲である[1]。2007年にテレビドラマ版が放送、2023年に映画版が公開された[2]。テレビドラマ、映画共に戯曲からの内容の改変があるため、永井は原作としてクレジットされている。 テレビドラマ2007年5月26日から6月16日まで、NHK総合の「土曜ドラマ」で放送された。「ひなげし」という地域のボランティア組織が舞台となっている。 放送時間
キャスト(テレビドラマ)
スタッフ(テレビドラマ)放送日程
映画
2023年9月1日に公開[2]。監督は山田洋次、主演は吉永小百合[2]。『母べえ』『母と暮せば』に続く「母」3部作の集大成となる作品[2]。 吉永と寺尾聰は1969年のテレビドラマ『愛ある限り』以来、54年ぶりの共演となった。 あらすじ(映画)神崎昭夫は同期の出世頭で大手企業の人事部長を務めているが、お人好しな彼にとって社員のリストラは大きな負担だった。その上、妻の知美とは半年も別居中で、大学の勉強に意味を見い出せない一人娘の舞は、サボって何日も外泊する有様だった。 営業販売部の課長の木部は、昭夫とは大学からの同期の友人で、同窓会の幹事として屋形船を企画したからと、下町出身の昭夫に相談を持ちかけた。自身にはコネが無いため、久しぶりに実家の母親を訪ねる昭夫。母の福江は隅田川沿いの向島の足袋屋の女房で、夫の死後は細々と取り寄せ販売を続けているのだ。地元の主婦たちと始めたホームレス支援のボランティア活動が忙しく、話す時間がなさそうな福江。昭夫は自身の仕事や家庭の苦労についても秘密にしたまま、この日は一人住まいの寂しい家に帰って行った。 上司から早期退職(リストラ)を勧告されたと人事部長の昭夫の元に怒鳴り込んで来る木部。いくら友達でも会社の機密事項を事前に話す事は出来なかったとしか答えられない昭夫。その夜、娘の舞が福江の家にいると妻の知美から連絡を受け、訪ねて行くと、別居の件も全て福江にバレていた。 その夜は実家に泊まった昭夫だが、翌日には木部までが実家に押し掛け、ボランティアもいる前で恨み言を言って、絶対に会社は辞めないと言い放った。帰りがけには、母の福江が恋をしていると舞から聞かされる昭夫。福江と、ボランティアのメンバーである教会の牧師・荻生は、清く淡い恋心を抱きつつ互いに隠している間柄だが周囲には見え見えで、息子として許せない昭夫。 退職を拒否した木部は仕事も無いのに会社に通い続け、外された企画会議に無理に参加しようとして、故意ではないが上司に怪我をさせ、懲戒解雇が決まりそうだった。もう人事はウンザリだと福江にグチを言う昭夫。牧師の荻生も昔は大学教授だったが、出世競争に嫌気が差して牧師になったと語り、昭夫はまだやり直せるとアドバイスした。福江から、妻の知美と会ったが彼女には好きな人がいるようだと知らされ、いよいよ身辺が身軽になったと感じる昭夫。 牧師の荻生からピアノ・コンサートに誘われ、嬉しいデートを楽しむ福江。だがそれは、荻生が北海道の教会に転勤する事を知らせる為の彼の心遣いだった。母親が失恋したと聞いて内心はホッとする昭夫。 人事部長として木部の懲戒解雇を取り消し、希望退職に変えて退職金の割り増しや再就職も世話する昭夫。役員会の決定に逆らった昭夫は、会社をクビになり無職となった。 荻生を信者たちと共に北海道に送り出し、意気消沈する福江。そんな福江に離婚した事と会社をクビになった事を知らせる昭夫。自分の不幸が倍増したと嘆く福江だったが、昭夫から舞と共に実家の世話になりたいと提案された彼女の顔には、新たな活力と笑顔が浮かぶのだった。 キャスト(映画)
スタッフ(映画)
受賞歴
脚注出典
関連項目外部リンク
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